世界三大投資家の一人として、その発言が色んな意味で注目されているコメンテーターの一人であるが、最近は出版したばかりの本の宣伝のためか、メディア露出が以前にもまして増えているように感じます。
さて、そんなジム・ロジャーズ氏を取り上げさせていただくことが多い当ブログですが、比較的、彼の『マイナス面』に目を向けた記事が多かったように感じます。
仮にも『世界三大投資家』である彼のことを邪険に扱うばかりではダメだな・・・と今回は反省しました!たまには、ジム・ロジャーズ氏もまともなこと言ってるんだよ!ってところを取り上げたいと思います。仮にも『世界三大投資家』ですからね!仮にも!
ジム・ロジャーズ氏は自身の著書・『世界3大投資家 ジム・ロジャーズがズバリ予言 2020年、お金と世界はこう動く』の中で『仮想通貨』の未来についてコメントしているという。
私は、ビットコインに代表される仮想通貨(暗号資産)は、いずれ衰退し、すべてがゼロになるだろうと考えている。
世界三大投資家のジム・ロジャーズ氏も「仮想通貨に価値はない」としてただのギャンブルであると著書の中で述べていると言うことです。
新型コロナウイルスの影響で一気に市民権を得たように感じる『キャッシュレス決済』ですが、同じように非接触型の決済手段として活用できそうな、『仮想通貨』による決済はいまいち拡大しているようには見えません。そう考えると、ジム・ロジャーズ氏の言うとおり、仮想通貨に決済手段としての価値はなく、限りなくゼロに近いと言えるのかもしれません。
ジム・ロジャーズ氏いわく、キャッシュレス決済は、その中身は電子マネーやクレジットカードなど、その裏には国家が発行している現金が紐づいており、むしろキャッシュレス決済の方が政府による統制が取りやすいのでこれからも拡大していくだろうということです。
確かに、キャッシュレス決済が普及している国ほど、現金の信用性が低く、ニセ札の流通や賄賂の横行が社会問題となっているケースが多いです。キャッシュレス決済であれば、お金の流れが掴みやすくなるためメリットが大きいというわけですね。
そんな中で、政府が制御できない新しい通貨として市場に現れたのが『仮想通貨』です。これらの貨幣には国家が発行している通貨との連動ができておらず、登場から数年で価値が100倍、1,000倍にまで伸びてしまったのですから、マネーとして認められるはずがない。ということでジム・ロジャーズ氏は「仮想通貨の価値はゼロになる」と述べているということです。
私自身も、実際に仮想通貨を決済手段として活用するにはまだまだ課題が多く、それらの技術が向上している間にも従来のキャッシュレス決済手段が大きく発展しそうなことから仮想通貨が従来の決済手段を駆逐することはないのではないかと考えています。
私がクレジットカード決済の最大手であるビザ(V)を主力銘柄として据えているのは、これからもビザのビジネスモデルが非常に優位性の高い『ワイドモート』だと感じているからです。
ですが私は、仮想通貨の決済手段としての価値がないから「仮想通貨の価値はゼロになる」とは言い切れないんじゃないかなとも考えています。
確かに前回の仮想通貨バブルでは、仮想通貨が実際に活用され始めたことによって価格が大きく上昇しましたが、その後、各仮想通貨は大暴落することになりました。
大暴落したものの、ついに価値がゼロになることはありませんでした。そしてまた再び回復している仮想通貨もあるのが実情です。
なぜそのようなことになったのかというと、もはや仮想通貨が、決済手段としての期待よりも、投資商品、マネーゲームの材料に利用されているだけだと言えるからです。
現在も仮想通貨に資金を投じている人のうち、数年の間に仮想通貨による決済を夢見ている人がどれくらいいるでしょうか。
もちろん数年の間には変化ないとしても、10年、20年単位で見れば仮想通貨による決済が主役となる可能性を否定はできません。どうなるかわかりませんからね。
ただ、日本や先進国で仮想通貨が決済手段として主役に躍り出ることを期待している人よりも、自分が買った値段より高くで売り捌くことができることを期待して仮想通貨に資金を投じている人の方が多いように見受けられます。
仮想通貨は本質的な価値はゼロだとしても、マネーゲームに興じる投機家が世界中にいる限り、仮想通貨の価値がゼロになることはないんじゃないかなと思います。
ですが、ジム・ロジャーズ氏も言うとおり、もともと価値の根拠がない仮想通貨については、いつどのタイミングで値段が暴落しても文句を言うことはできません。しっかりとリスク管理をした上で上手に付き合うことが大切と言えるのではないでしょうか。
ジム・ロジャーズ氏も、ご自身が投機を得意としているのですから、それくらいのことは分かりそうなものですが、お得意のポジショントークを見せないところを見ると、本当に仮想通貨を保有していないんでしょうね。少なくとも、仮想通貨に関しての彼の意見は信用しても良さそうです。