日経ビジネスに、またしても世界最大投資家であるジム・ロジャーズ氏の新たな『予言』が掲載されていました。

ジム・ロジャーズ氏は6月11日にウェブセミナーを開催し、参加者からたくさんの質問が届き、ロジャーズ氏はときおりジョークも交えながら丁寧に回答したと言います。
その中でロジャーズ氏は「大規模な財政出動は、大量のお金を印刷し続け、深刻な問題が発生する」としながらも、「危機の中にチャンスがある」と言い、さらに「二番底が必ず来る」と宣言しました。
ジム・ロジャーズ氏は二番底が来たらさらに投資をする予定らしく、ポジショントークはさらに続きました。
「私は日本株を所有している。日本銀行が日本株を購入しているので、数週間前に購入した。具体的には日本株の上場投資信託(ETF)を購入した。このため、(二番底のような株価の)修正があれば、私はより多くの株を購入する。日銀は(大量の)お金の印刷をやめるつもりがないからだ」
ジム・ロジャーズ氏はまだ日本株を保有しているようで、先月の日本株購入発言から1ヶ月弱、無事投資を続けているようです。

だがしかし、ジム・ロジャーズ氏が日本株を購入した理由は実に弱く、買い始めた理由が、「日銀が買ってるから」と発言していました。
そんな投資初心者みたいな発言をするロジャーズ氏の『ビギナーズラック』によって日経平均株価は1ヶ月前よりギリギリプラス圏をキープしているものの、日銀がETFの買い付けを止めると株価が急落する可能性が濃厚です。

ジム・ロジャーズ氏も言うように、ガンガンお金を刷ることは中長期的に見れば日本経済にマイナスしかなく、日本株においては、二番底と言うよりは再び長期的に低迷してもおかしくない状況です。
米国株に関して言えば、このセミナー直後のNYダウは2,000ドル弱の下落に見舞われたと言うことです。

ですがそれでも週明けの昨日のNYダウは意外と力強く、先週末比でプラスとなって引けることになりました。

今日も続落するかなと思って、投資するか悩みながらもスルーしたのですが、後半にかけてこれほど伸びてくるとは思いませんでした。
この上昇は、FRBによる中小・中堅企業向けの「メインストリート融資制度(MSLP)」が開始されたことが好感を得たことが主な理由と見られます。

投資家は二番底の到来を今か今かと待っているわけですが、当然政治家や金融関係者は二番底が来ないように全力で対策をしているわけで、二番底が本当に来るのかも分からないですし、いつ来るのかも分かりません。
「実態経済への影響が〜」と言う話も聞きますが、完全に経済がストップしたのは3ヶ月くらいですし、今年いっぱいは今までほど積極的な消費は見込まれないでしょうが、それほどの大ダメージと言えるのかは分かりません。
『逆神』として有名なジム・ロジャーズ氏も「二番底が来る」と発言しているので、もしかしたらこのまま二番底が来ずに米国株を中心に回復していくのではないだろうかと考えられなくもないのです。
もちろん彼の発言を投資の指標にするのは危うい行為ですが、先週の2,000ドル弱の下落の際も二番底が来そうだったのに来ないと言う謎の動きでした。もちろん一気に大暴落すると言うようなものでもありませんが、株価の先行きは本当に不明だなと言わざるを得ません。
誰も株価がどうなるのかは分からないからこそ、少しずつでも毎月株を買っていくことが着実に資産を形成するために必要だと言えるのではないでしょうか。
少なくとも、ジム・ロジャーズ氏の発言を聞いて投資するのは止めておいたほうがよさそうです。