昨日は週明け一発目から、日経平均はそれなりに大きく下落することになりました。

前場は22,000円台をキープしていた日経平均株価ですが、午後になると一段安となり、昨日は21,500円台まで下落するという状況でした。
緊急事態宣言の解除から2週間あまり経過し、週末には東京都で40名を超える新型コロナウイルスの感染者が確認されたということで、感染第2波への懸念が高まっていることが大きな一因と言えるでしょう。
ですが私はそれだけが理由ではないのではないかと感じました。ロイター通信によると、昨日15日は恒例となっている日銀による通常のETFとJ-REITの買い付けが行われなかったということでした。

通常通りの日銀による買い付けが行われていた先週末も日経平均は下落していましたので、日銀が買わなかったことだけが急落の原因とは言えないでしょうが、実際日銀による日本株の買い支えは異常なまでに膨らんでいます。
今年の3月以降、金融緩和目的でETFの買付額を増加した結果、今年の買い入れ額は4兆4,000億円余りと去年一年間の買い入れを額をすでに上回っているのです。

特に3月には一日に2,000億円余りを買い入れる日が相次ぎ、日経平均がコロナショックによってNYダウよりも下落が抑えられた要因の一つがこの日銀による爆買いと買い支えだと思われます。
もちろんこんな状況が当たり前であるはずがなく、本来であれば市場環境の悪化に伴って株価が暴落してもおかしくない中で無理やり買い支えられた結果、日経平均の株価と実態の解離はますます広がっているのである。
今の日本株市場は例えるなら、新装開店のお店に家族や友人がお祝いで来店してくれているようなもの。しばらくの間、安定した売上は立つものの、本来の実力とは全く違うものだと言えるのではないでしょうか。
日経平均株価も、結局は身内がご祝儀のようにバンバンお金を出してくれているだけで、本来の実力は今の株価水準よりも明らかにもっと下だと言えるのではないでしょうか。
もちろん、日銀も一気にETFの買い付けを止めてしまえば、日経平均が奈落の底に叩きつけられることは分かっているでしょうから、いますぐに買い支えを止めるということは無いでしょうが、いつまでも毎日、何十億円も買い支えるほどの余地はないはずです。少なくともこれから先20年、30年もの間、継続可能な政策ではないでしょう。
だとすれば、日経平均はいつ大暴落に巻き込まれるかわかりません。もしかしたらこれから大暴落が始まるかもしれませんし、来年、3年後、5年後、いつになるか分かりませんが、我々30代の人間が生きている間には日銀によるETFの買い付けは停止されることでしょう。
だとすれば、買い支えられる期間が長ければ長いほど、その余波は大きくなることはお分かりいただけるでしょう。もしかしたらすでに取り返しのつかないほど買い支えられているのかもしれません。
もし、昨日の3%超の下落が、コロナの第2波への懸念だけでなく、日銀による買い支えが無かったからだとしたら・・・すでに日本市場はかなり歪められた市場となっているのかもしれませんね。
日銀による買い支えがなければ、今の日経平均株価はせいぜい15,000円が関の山。日銀が買いをストップさせると報道されれば、外国勢から空売りされてまたしても遊ばれるのがオチでしょう。