新型コロナウイルスの感染拡大に伴い本格化した在宅勤務を定着させる動きが広がっていると言います。人間の権利に敏感な欧州では「在宅勤務権」の法制化が始まり、米国企業は在宅勤務の恒久化を決める例が相次いでいるという。

もともと、全体の1割以上が在宅勤務をしていたドイツでは、コロナを機に25%が在宅勤務へと切り替えたと言いますし、米国企業では、企業ごとの対応に任せている状況ですが、ほとんどの米国企業は在宅勤務に積極的な状況だ。
例えばSNS大手のツイッター(TWTR)では、全従業員に対して、『在宅勤務の恒久化』をいち早く導入しましたし、同じくSNS大手のフェイスブック(FB)でも時間をかけて在宅勤務へ切り替えていく方針を打ち出しています。米国では少なくとも今年いっぱいはテレワークを原則とする企業が多い印象です。
また、それに伴い、現在のオフィスの再編を検討するなど、原則、在宅勤務への移行は2020年代の間にも起こりそうな新たな変革と言えるでしょう。
IBMの4月の調査によると、米国の2万5千人のうち54%が在宅勤務などのテレワークを基本的な働き方とすることを希望した
とあるように、従業員の過半数が原則在宅勤務を歓迎していることから、在宅勤務に積極的な企業には、これからも優秀な従業員がたくさん集まるのではないかと見られています。
一方、日本では6月に入ってからすでに在宅勤務から通常勤務に切り替えている企業が多く、パーソル総合研究所が5月末から6月始めにかけて正社員に「現在の働き方」についてアンケートしたところ、全国のテレワーク実施率は25.7%と4月中旬調査より2.2ポイント低下したとのことです。

日本では、欧米ほどの被害が出なかったとはいえ、再び感染が拡大しそうな雰囲気もある中でこういう時の判断だけは早いのが日本企業の悪い癖です。結局、大きな変化を伴うことを極限まで嫌う日本企業は、時代の変化に取り残され、ガラパゴス化していくのが関の山です。
何でもかんでも欧米に合わせるのが良いとは言いませんが、それは合わせなくても良いだろってことは欧米のマネばかりするくせに、これは良いなということは、日本独自の対応をするイメージが強いです。
幸い、私が勤める企業では、今月末まで在宅勤務が延期され、社内で『これからの働き方について』というアンケートも取られました。このアンケートがどう影響するのかは不明ですが、少なくとも、日本においては在宅勤務にまだ理解のある企業の一つと言えるでしょう。
それでも月初には何度かオフィスへ行きましたが、6月に入ってから明らかに人が増え、『密』な状態になっていました。流石に7月になれば、オフィスに通うことになるでしょう。またしても真夏の炎天下と電車の中の異様なまでの寒さに耐え忍ばなければならない日々が続きそうです。
さらに、また台風がガンガンやってくるような時期になれば、例年通り、台風に立ち向かって仕事に行かなければならないというサラリーマンの人たちが増えることでしょう。

そうなれば、またしても電車の再開を待つ行列が溢れるような光景がtwitterなんかに上がるんだろうなぁ・・・そんな光景をツイッター社の従業員は自宅で仕事しながら嘲笑っていることだろうと思います。
前述の通り、日本企業は、今までのやり方を踏襲するだけで変化しないことを基本的には好みます。なんとなく頑張ってる感を醸し出すために残業を半強制的にしたり、なんとなくやってる感を醸し出すために無駄な会議を一日中行ったりするのが日本人の『働き方』です。
こういう前時代的な働き方が今でも推奨されているために、日本の生産性は一向に上がりません。だからと言って、大きく舵を取るような経営者も政治家も今の所見当たりません。
こうして日本の生産性は徐々に世界中に追い抜かれていき、今や本当に先進国と言えるのか?と思うくらいに経済力の無い国になってしまいました。そしてこれからも、欧米で取り入れられる良いところは無視され続け、日本で導入されるのは、10年、20年経った頃になるのでは無いでしょうか。
ますます格差は広がっていき、停滞することが目に見えている日本にはやはり投資冥利がないと判断せざるを得なく、より良い方向へと変化していこうとする欧米各国の方が成長期待が持てるというのは目に見えてわかります。
もちろん、これからもアジア各国はさらなる成長性を見せるでしょうしね。日本は相対的に見て貧しい国へと転落していくことになるのではないかと危惧しています。
今回のコロナショックによって、実は自宅でも十分仕事ができるということが明らかになったわけですから、日本でも働き方を選ぶ権利として認める方向には持っていって欲しいですよね。
在宅勤務への切り替えを推進することで、今まで必要だった都心の本社ビルにかかる莫大な固定費用もかなり削減することができるでしょうし、企業にも従業員にもメリットがあると思います。
どうせ法律で決めても守らない企業がほとんどだと思いますので、日本でも企業ごとの対応となるでしょうが、日本でも早急に法整備、もしくは在宅勤務への切り替えに積極的な企業が現れることを望むばかりです。