いつの時代も、詐欺師というものはあの手この手でだまそうとしてきます。真新しい詐欺の手口が出たかと思えば、「こんなもん、引っかからんやろ!」というような古典的な詐欺の手法でも、億単位の被害が出ているものもたくさんあるのが実情です。
今回の投資詐欺案件は『米』。アメリカではなく、日本人の主食『米』に関する投資詐欺案件です。
埼玉県秩父市の会社役員ら5人が昨日、米販売の投資話を持ち掛け、およそ9億円を騙し取ったとして逮捕されました。
「農協を通さずに仕入れた米を提供し、利ざやを配当する」などとうたい、2017年7月から翌年4月にかけて7人の顧客から現金5000万円を違法に集めたとのことです。またそれだけでなく、彼ら5人は投資セミナーで参加者を勧誘しおよそ9億円近くを違法に集めたということです。
この詐欺事件は、いかにも怪しげな案件で、いわゆる「こんなもん、引っかからんやろ!」という詐欺ですが、それでもこの内容で9億円も騙し取ることができたのですから、驚きですよね。
米を直接買い取って、JAを通さずに売るという商売は確かに存在しているようです。流通を省略することで、安くで流通させることができるので、確かにビジネスとして良いものなのだと思います。
ですがそれで生まれた利ざやを配当するというのはどういうことでしょう?農業に詳しくはないですが、そんなもん多額の配当を安定的に継続できるような投資話ではないんじゃないかなということが、詳しくない私でも分かります。
もちろん騙す方が悪いんですよ。騙す方が圧倒的に、一番悪いですが、大金を投資する方も投資する前によく考えるべきだと思うんですよね。
どうしてその利ざやを配当できるのか。そして投資案件として妥当なのか、投資元本をどれだけの期間で回収できそうなのか、成長可能性は高いのか。
新規の投資案件一つとっても、考えるべきことはたくさんあります。特に市場があやふやな、よくわからない投資案件は、熟慮に熟慮を重ねるべきではないでしょうか。
勉強不足で投資素人が痛い目にあうというケースは珍しいことではありません。詐欺ではなく、きちんと儲かっていたにも関わらず、勉強不足によって人生を棒に振るケースもあります。

ましてや詐欺案件だと、丸々お金を騙し取られる訳ですから、きちんと警戒をして、自分の虎の子の資金を投じるに値するのかどうかを判断する材料を一つでも多く準備するのが妥当です。
美味しい投資話を持ちかけられて、気持ちが高揚するのも分かりますが、そういう時こそ感情に身を任せてしまってはいけません。一旦冷静になって、その投資案件は信頼に値する情報なのか、そもそもその投資話を持ちかけてきた人は信頼できる人物なのか。立ち止まってそれを考えるだけでも、世の中のほとんどの詐欺は被害者がかなり減るのではないでしょうか。
何度も言いますが、もちろん騙す奴が一番の悪です。詐欺をする奴を私は許すことができません。
ですが、騙される側も、きちんと投資に関して勉強を怠らず、詐欺案件かどうかを見極める目を養うことも必要だと私は考えています。
国民全員がお金に関してきちんと知識をつけることで、詐欺に対して自己防衛力も高まります。日本人は世界的に見ても、残念ながら『騙しやすい民族』です。
自分の身と自分の資産を守るためにも、ぜひお金に関して知識を蓄えることを私はオススメいたします。