日本で東京ディズニーランドとディズニーシーを運営しているオリエンタルランド(4661)が昨日、両テーマパークの臨時休業を延長することを発表いたしました。

政府の緊急事態宣言が解除されたものの、東京ディズニーリゾートとなると、地方からのファンが訪れる可能性も多く、いまだに国内の県境を跨いだ移動は控えるべきと言う見方から、ディズニーリゾートの再開を断念せざるを得ない状況が続くようです。
この発表には、ディズニーファンもガッカリと言った様子で、twitterなどでも悲しむ声が多数寄せられています。
ディズニー延期延期で心がしんどい
— to (@_____toO) June 1, 2020
ディズニーまた延期かぁ。
— ぽめまる (@ring_letter) June 1, 2020
仕方なさすぎるけど誕生日にゎ行きたいすぎる、、、(੭ᵒ̴̶̷̥́~ᵒ̴̶̷̣̥̀ᑦ)
ディズニー行きたいなぁ…また延期…かなしい
— ぴぴ®4m (@pipi41w) June 1, 2020
今のところ、休園の期間延長は6/7(日)までとなっており、その後の延長はまだ未定となっていますが、おそらく一週間でそれほど事態が好転することもないでしょうし、自粛明けから二週間は様子を見ないと分からないところもあるでしょうから、もうしばらくは休園期間が延長されるだろうなと見ています。
私もとても残念で、今はものすごくディズニーランドに行きたい気分ですが、今もし再開されたとしたら、自粛明けストレスの溜まった人々が押し寄せるだろうことから、危険と言えますし、英断と言えるのではないでしょうか。
と言うかディズニー以外にも色々行きたいところがあります。早く国内だけでも旅行に行けるようになればいいなと思います。
それはさておき、ディズニーリゾートが休園期間を延長したことは、企業として大変な決断だなと私は感じています。オリエンタルランドの事業セグメントを見てみると、
・テーマパーク事業
・ホテル事業
・その他の事業
の3つから構成されています。テーマパーク事業はそのままですし、ホテル事業といっても、その内訳はディズニーホテルの運営です。その他の事業も、ディズニーリゾート内を走るモノレール「ディズニーリゾートライン」などの運営セグメントとなっています。
つまり、オリエンタルランドは東京ディズニーリゾートの運営が収益のほぼ100%を占めている企業ということです。だとすれば、ディズニーリゾートの休園が延期されればされるほど、オリエンタルランドにとっては大ダメージだということです。
そんな中で、たとえ一週間でも再開を延期するというのは、半端な企業ではできない決断です。これは東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドの企業としての体力の強さを物語っています。
オリエンタルランドは、2万人を超えるアルバイトに対する休業補償も行っておりますので、人件費だけでもバカになりません。また、固定資産税やアトラクションのリース料など、稼働をしていなくてもかかる固定費はそこらへんの企業よりも莫大です。
それでも、来園するお客様のことを第一に考え、休園をするという決断ができるのは、それだけオリエンタルランドの事業が平常時には安定しており、万全の体制だということを表しているのだと思います。
先日、2,000億円という多額の融資を要請したという話もありましたが、これもオリエンタルランドの本業が安定しているからこそ引き出せる融資枠なのだと言えるでしょう。
私自身、もし仮に『日本投資家は日本企業にも投資をしなければならない』という規則ができたとすれば、オリエンタルランドは投資先として最優先に選ぶ企業となるだろうと思います。もちろんそんな規則は絶対反対ですが。
ディズニーが人々に愛され続けているのは、もちろん『夢の国』としての演出が素晴らしいところもありますし、ウォルト・ディズニーの世界観を大切にする人々が世界中にいるからですが、やはりディズニーの魅力は、それらを全部ひっくるめて、『ゲスト第一主義』というスタイルを徹底的に守っているという点ではないでしょうか。
今回のように、惜しまれつつも政府の要請に頼り切らずに自主的な判断で、会社の利益としては一円の得にもならない休園期間の延長をすることで、『ゲスト第一主義』を貫いたといえます。
これによって東京ディズニーリゾートは、ますます好感度が高まり、再開した暁にはディズニーのファンで埋め尽くされること請け合いとなるでしょう。
非常に残念ではあるものの、企業としての好感度が高まる良い判断をしたなと私は感じました。
1日でも早く営業が再開し、ディズニーリゾートを心置きなく楽しめる日常が再び訪れることを私は心から祈っています。