いつものようにブログネタを探しながらネットサーフィンをしていると、興味深い記事を発見しました。

今回のコロナショックの影響で大儲けをして『第二のバフェット』と呼ばれる投資家が現れるかもしれないという内容でした。
記事の内容を読んでみたところ、確かにそうだなと同意するところもあれば、それはどうかな?と疑問に思うところもありました(当然ですが)。
まず私も確かにそうだと感じたのは、本格的な暴落が始まった頃はガンガン買い増しすることができたものの、一旦の大底では買いに行くことができなかったという点です。
目安としている月間の投資金額を超えてしまったがために、底値で買うことができなかったというところもありますが、NYダウが2万ドルを割った頃に、もっと大きく仕込むことができればよかったなと私自身感じました。
これは暴落の恐怖によって買うことができなかったというよりは、『もっと下がるだろうからそこで買おう』という欲が出てしまったことが原因です。『頭と尻尾はくれてやれ』という有名な投資の格言を実感いたしました。
何千万円、何億円と投資しているような人になると、暴落の恐怖に耐え切れず、損切りしてしまったという人は多いかもしれない。
と、記事には書いてありますが、むしろ何千万円、何億円という投資をしている人こそ、暴落の際に買い増しをしているんじゃないかなとは思います。
投資経験のない人が、相続などで急に億単位のお金を手に入れて投資を始めてコロナショックの暴落に巻き込まれたと言うような特殊なケースでもない限り、億単位のお金を動かす個人投資家が暴落の恐怖に耐え切れずに損切りするなんてことは滅多にないだろうと思います。
もし損切りをしたとしても、あらかじめ決まったラインで淡々と損切りをすると言った計画に沿った行動を取ることができてこそ、億単位の資産を築くことができたのだろうと推測されます。
さらに私が『それはどうかな?』と感じたのが、主題となっている『第二のバフェット』の誕生に関してです。
確かに今回のコロナショックでバフェット氏は航空会社の株や金融株を売却して損出しをしたことは大きなニュースになりました。私も何度かブログで取り上げさせていただきました。


そして、今回のコロナショックでバフェット氏よりも良い運用成績を収めた投資家がいたこともまた事実です。規模は全く違いますが、個人投資家でも売却益が出た投資家はバフェット氏をアウトパフォームしたと言っても間違いではないでしょう。
ですが、例え今回の一連の騒動でバフェット氏を超える成績を上げることができたとしても、イコール『第二のバフェット』とは呼べないのは分かりますよね。
バフェット氏の投資家としての素晴らしさは、なんと言っても『長きに渡って市場平均を上回るパフォーマンスを上げたこと』が評価されているのです。バフェット氏の1965年〜2017年の平均リターンは21%と言われており、半世紀にわたって市場平均を上回るリターンを上げてきたことがウォーレン・バフェット氏を偉大なる投資家としているのです。
つまり、今回のコロナショックでたまたま大儲けしたような投資家は、まだまだまぐれ当たりの可能性を拭切れず『第二のバフェット』と呼ぶには心許ないことがわかります。
さらに言えば、バフェット氏もこれから先、再び市場平均を上回るリターンを生み出すかもしれませんから、第二のバフェットの誕生はまだまだ先のことになるかもしれませんね。
バフェット氏自身も投資ブームが起こるたびに、『ブームに乗り切れない爺さん』として叩かれて続けてきました。そしてそのブームに乗っかった新進気鋭のファンドマネージャーが取り上げられることもありました。
ですが結局は、バフェット氏が半世紀にわたって市場平均をアウトパフォームし、投資ブームの申し子であるファンドマネージャーは次のブームには乗っかることができませんでした。
もし仮に『第二のバフェット』を名乗る投資家が現れるのであれば、せめて30年ほどは市場平均をアウトパフォーム していて欲しいものです。探せばバフェット氏以外にも見つかるかもしれませんけどね。
どちらにせよ、今回の一時的なパンデミックでは、期待通りの『第二のバフェット』は生まれないだろうなと私はそう考えています。