私はブログ運営の形式上、お金に関するニュースやコラムがあれば目を通してネタにならないかな?なんて考えながら目を通すことが多いのですが、今回も非常に興味深いコラムを発見しました。

今回のコラムの主人公は、有名食品メーカー正社員の女性。夫は年俸制の外資系大手コンサル会社に勤めています。子どもは保育園児と小学生の4人家族という構成で、世帯年収は彼女が時短勤務中にも関わらず1,200万円を超えていると言います。
夢の年収1,000万円ということで、かなりの金融資産をお持ちなのかと思いきや、貯金額はまさかの数十万円程度。このコラムからは読み取れませんが、『高年収貧乏世帯』というくらいですから、おそらくその他に資産と呼べるような物は持ち合わせていないのでしょう。
では、なぜ彼らは高収入にもかかわらず、これほどまでに金融資産が無いのでしょうか?その答えは彼らの『生活ぶり』を見ればすぐにわかります。
高年収=高学歴の親は自分たちの子どもにも質の高い教育を受けさせたいという志向が強く、教育費にお金をかけすぎる傾向にあるようです。もちろん、教育にお金をかけることは重要であり、子供がやりたいと思うことをやらせてあげる環境づくりは大変立派だと言えるでしょう。
ですが、いくらお金をかけて教育をしたところで、生きていくために必要不可欠な『お金の教育』については学ばせてあげることができないようです。
高収入世帯は、求める生活水準が高くなりがちです。もちろん前述の教育費にも当てはまりますが、購入する住宅や車といったローンを伴う負債も多くなりがちです。収入が多いために多額の『余計な』借金ができてしまうということで、知らず知らずのうちに毎月の返済額が膨らんでしまい、貯金する余裕などできなくなってしまいます。
さらに高級な住宅を買うことで、それに見合った高級家具を買ってみたり、ご近所の方々の生活水準に合わせるためにガンガンとお金を浪費してしまいます。生活水準を高めてしまうことで、どれだけ収入が増えようと余剰資金が貯まることはありません。
加えて彼らは共働きでお金の管理に時間を割くことができませんので、お互いの貯金を把握していなかったようです。当たり前と言えば当たり前ですが、お金の管理やキャッシュフローがきちんとわかっていない状態では、どう頑張ってもお金が貯まるわけがありません。
彼ら夫妻が高収入にも関わらず金融資産を増やすことができないのは、収入が増えた分だけ贅沢をし、さらにお金の管理もしていないということで、お金が貯まらない人の典型的なタイプだと言えるでしょう。
仮に彼らの年収がたとえ2,000万円、3,000万円と増加したとしても、その分生活水準がどんどん上がっていき、決してお金が貯まることはないだろうと断言できます。
彼らのように稼ぐ力という攻撃力は十分にあるのに、お金を守る守備力が欠けているために、貧乏に悩む人は少なくありません。彼らが貧乏に喘ぐ理由はひとえに『人間の見栄』であると言えるでしょう。
人はお金を使おうと思えばいくらでも使えてしまいます。何億円という宝くじに当選したのに全て使い果たした挙句、借金を抱えてしまうというケースからもよくわかりますよね。
彼らは自分がお金を持っていることを見せびらかすために贅沢を極め、お金がなくなるまで浪費してしまうのです。そして、そのまま生活水準を戻すことができず、借金をしてまで贅沢をしてしまい、どん底に陥ってしまうのです。
また、年収1,200万円というのは可処分所得で言うとそれほど多い方ではありません。しかもご夫婦合わせての収入ですから、都内であればそれほどめちゃくちゃ多いわけではないですよね。それでも年収1,200万円と言うと高収入だと勘違いしがちなので、贅沢をしてしまいがちなのです。
ですがもちろん収入が低い訳ではないので、当然資産を築こうと思えば築くことができます。彼らほどの収入があれば、つみたてNISAで年間40万円程度の積立投資をすることはそれほど難しいことではないでしょう。
しかもつみたてNISAであれば、毎月決まった金額を自動的に積立投資することができるので、知らない間に資産を成長させることができるのです。
高収入貧乏の人たちは、今のようにゆっくりと時間をとることができるタイミングは滅多にないお金の使い方を見直すチャンスと言えます。
過去1ヶ月だけでも良いのでお金の使い方を見返して、無駄な物に浪費をしていないか?余計な物を買ってないか?と言うことを自覚するだけでも、かなりの効果があるのではないかと私は思います。
高収入貧乏の方は、せっかくの高収入を無駄にしてはいけません。高収入が一生続くとは限りませんし、将来のために資産形成に力を入れることで、もしかしたら今と同じような生活水準を、老後にも継続することができるかもしれません。
高収入をキープできるのは今だけかもしれませんし、1日でも早く、資産形成に力を入れていただければなと感じる次第です。