中国版・Googleとも言われる、中国の大手検索サイト『百度(バイドゥ)』が今月21日、現在ナスダックへの上場廃止を検討していることがロイター通信の調べで明らかとなりました。
関係者によると、百度はナスダックでは「企業価値が過小評価されている」とし、企業価値を高めるため中国に近い株式市場に上場先を変更し、ナスダックから撤退することを検討しているとのことで、まだ初期段階ではあるものの、複数のアドバイザーを招集して検討していると言うことだ。
まだあくまでも『ウワサ』の段階であり、正式な発表には至らないが、明らかにナスダックによる『中国企業の取締り』に反応したと言えるでしょう。

ナスダックが新設する新たな上場基準によると、米国の規制当局が会計監査などの調査を行うことが難しい国・地域の企業が対象で、中国企業も該当するなど、事実上の中国を排除する流れが進んでいるのである。
米中の対立によって中国企業のIPO制限ですが、今回基準が厳格化されたとは言え、むしろこれが当然と言えるのではないかと私は思います。
中国は米当局による自国監査法人への調査を認めていないのが実情で、その状況で米国の株式市場に上場できていたと言うことの方が逆に驚きです。
また同時に、米上院本会議は20日、米国に上場する外国企業に経営の透明性を求める法案を可決し米規制当局による会計監査状況の検査を義務付け、3年間検査を拒否した場合は上場廃止となると言うことです。

これは昨年から議論されていた法案ですが、このまま下院でも可決すれば3年後には中国企業の大半が米国市場から消えてしまうかもしれません。
なので、法案が成立した場合、百度の動向も今後3年以内には決まるんじゃないかなとは思います。
そもそも、このタイミングでナスダックから撤退すると言う話が、ウワサ程度でも出てくるあたりが、もう百度の信用度を著しく低下させていますよね。
もともとそれほど信用できませんが、百度と言えば、Googleが使えない中国では検索サイトとして必須と言えるかもしれない企業ではあるものの、その信頼度は著しく低いものです。
そもそも中国では当局によるネット規制がかかっているため、海外サービスにはアクセスできません。その代わりに生まれているのが中国国内独自の代替サービスである。
Google代わりに『百度』が生まれたり、Amazon .comの代わりに『アリババ』が生まれたり、Twitterの代替ツールとして微博(Weibo)が生まれたりと言った具合です。
中でもGoogleに代わり検索サイトとして活用されている百度ですが、そもそも検索結果自体が厳格に規制されているので、中国国内で百度から検索したところで、中国当局に都合の良い情報しか表示されません。
そればかりか、百度は以前、『お金を払えば検索順位が買える』検索サイトとして有名でした。その真偽の程も私にはわかりかねますが、ワイロ文化が根付いた、いかにも中国らしいウワサだなとその報道を疑わなかった記憶があります。
また、学生の頃、中国人の友人が使っているのを見て、私も百度を知ったのですが、日本国内での利用においては、セキュリティ的にこれってどうなの?と言うようなイメージを持ったのは言うまでもありません。
やっぱり企業や国が信用に足るものではないので、いかにユーザーが多かろうと、投資先としては微妙だなと感じたことを覚えています。
まだウワサの域を超えてはいませんが、百度も後ろめたいところが無いのであれば、今このタイミングでナスダックから撤退するのは良策とは言えないでしょう。
それともやっぱり、何か後ろめたいところがあるんですかねぇ…?
企業価値が過小評価されていると言っているのも、やっぱり百度がGoogleを運営しているアルファベット(GOOGL)ほど信頼できない企業だから、買い手が居ないと言うシンプルな理由に落ち着きます。
企業価値が過小評価されていると言う時ももちろんありますが、本当に優良で成長性が期待される銘柄であれば、本来は過大評価ではないかと感じるほどに株価は上昇していくものですからね。
百度は過小評価と言っているが、市場参加者の反応は至って正常かもしれません。もしもナスダックから上場廃止して他の市場に乗り換えるとして、今の百度株は紙切れになってしまうリスクもあります。
投資先として有望かどうかはわかりませんが、私は百度に投資するくらいなら、アルファベットに投資しようかなと思います。百度の今後の動向にも注目したいと思います。