ここ最近、ナスダック総合指数はひときわ好調さを見せており、近日中にでも史上最高値を更新しようかというところです。

そんな中、ナスダックが新規上場(IPO)基準を厳格化することが19日明らかになった。

新たな上場基準では、一部の海外企業のIPOについて、2500万ドル(約27億円)以上か上場後の時価総額の4分の1以上の資金調達を義務づける他、米国の規制当局が会計監査などの調査を行うことが難しい国・地域の企業が対象で、中国企業も該当するなど、事実上の中国を排除する流れが進んでいるのである。
ナスダック総合指数は、成長性が期待できる新興企業やハイテク企業が中心となっているため乱高下しながらも大きなリターンが期待できる市場として注目を浴びています。
米国の主要な株式指数の中でも、NYダウ、S&P500指数などに続く重要な指標の一つとして捉えられています。
ただ、主要な株式指数の中でも大きく違うのは、新興企業向けの市場であるために、米国以外の株も上場していることが多いです。日本企業でも、任天堂(NTDOY)のような優良企業も上場している一方で日産自動車(NSANY)のような微妙な銘柄も上場されています。
中国企業でもナスダックに上場している企業は多いのですが、今回の新基準に当てはめると中国企業の新規上場は望めないと言えるかもしれません。
ですが、これはある意味では朗報と言えるかもしれません。先日不正会計問題が話題となりましたが、中国版スターバックス(SBUX)として、注目を浴びていた、中国企業・ラッキンコーヒー(瑞幸珈琲)がついに今月19日、ナスダックからの上場廃止を通知されたようです。

ラッキンコーヒーについては以前も取り上げましたが、ラッキンコーヒーの2019年の4〜12月期までの売上高の合計4.1億ドルのうち、3億ドルが不正に計上されている売上だということでした。

監査法人も何をしているのか?というくらいのお粗末な話であり、売上高のおよそ75%が嘘だったという事になると、何を信じていいのか分かりませんよね。
不正会計もたびたび発生してはいますが、ここまで大胆なものはあまりお目にかかれません。基本的に中国の監査体制というものは信用するに値せず、現地の監査法人の意見だけでは信頼できないというのは、中国に子会社や工場を持っている上場企業で働いている経理マンならよく分かるかと思います。
中国という国自身があまり信頼できる国ではないというのは共通認識であり、今回のコロナによる一連のパニックにより、それが世界中に広まっているように見受けられます。
2010年代の世界的な好景気を支えたのが成長著しかった中国の発展による下支えが大きかったのは確かですが、中国の影響が大きくなるにつれ、その自分勝手さ、不誠実さが目につくようになっているのもまた事実です。
もちろん、中国人には良い人がたくさんいるのも理解しています。ただ、ビジネスの話として、国や企業を信用するのはちょっと怖いなという気もしますよね。
そういう面もあり、アリババやテンセントといった中国の優良企業に対してもあまり積極的に投資したいなとは思えません。
投資先としてもやはり信用、自分が信じられる企業かどうかというのは大事だと思いますので、多少偏見はあるものの、特に信用できなさそうな中国の新興企業がナスダックに混じらないというのは、ある種朗報と言えるのではないかと思います。
中国も今後は2010年代ほどの発展を見込むことは難しいかと思います。コロナウイルスが蔓延する以前から中国の成長性には陰りが見えていましたが、今回のパニックによって少なからず中国に対して反感を持っている国が増えたこともあり、中国から工場などを撤退する企業も出てくるだろうと思います。
中国の成長性が微妙なものになるのであれば、ナスダックから除外されたとしても、中国の成長性を享受できないと言った心配がないので、アリなんじゃないかなとも思います。
ただ、国を問わず、新興企業は一般的に大企業よりもリスクが高いのは当然です。ナスダックに連動するETFなどに投資をするのであれば、ボラティリティの高さは承知の上で投資するのがベストかもしれませんね。