何かとお騒がせな隣国、北朝鮮こと朝鮮民主主義人民共和国で今月6日トンジュと呼ばれる新興富裕層が処刑されたそうです。
その罪状は実に北朝鮮らしく、他のトンジュに対する『見せしめ』としての意味合いでの処刑だったということです。
企業所を通じて公債を買うよう要求されたのに、「ぜったい買わない」と公言したことが罪に問われ、ほかのトンジュが追随しないよう「見せしめ」として殺されたのだ。見せしめのための処刑は、北朝鮮の常とう手段である。
北朝鮮は先月、17年ぶりに公債の発行に踏み切ったという。規模は明らかになっていないが、国の資金供給を受けている工場、企業所などに対し、先月20日から現金の代わりに公債を受け取るよう指示が下されたとのことであり、さらには、発行された公債の4割は、個人を対象に外貨で販売されたということです。
これは、北朝鮮当局が外貨を獲得したいがための政策なのかもしれませんが、本来であれば、北朝鮮のように信用力の低い国の公債など、誰も買わないだろうと思いますが、北朝鮮に限って言えばどうやらそうでもないらしいです。処刑の効果はてきめんだったようで、ほかのトンジュたちは「公債を買わなくては」と口々に語っているといいます。
「ぜったい買わない」と公言するのも、なかなか命知らずな行為だと思いますが、予想を裏切らない処刑っぷりには本当に驚きを隠せません。
投資家として成功するにはまずは生き残ることだと言いますが、北朝鮮では失敗すればリアルに命を落としますから、恐ろしいものですね。
さて、このような北朝鮮のお話が真実かどうかを確かめる術は私にはありませんが、こういう話題に事欠かないことから見れば、あながちウソとも言えないのでしょう。北朝鮮が発行した公債は、強制的に買わされる上に、満期で償還する見込みは、ほぼゼロに等しいです。
そもそも独裁国家ですから、国民の意思など関係なく好きなように失効させることができるのが現状の政治体制です。これではただ国民から外貨を奪ったことと同義ですが、それに反抗しようものなら、翌日には蜂の巣になりかねないというのが北朝鮮の国民の現実なのです。
こういうニュースを見ると、日本は比較的恵まれた国なんだなと感じざるを得ません。朝鮮や中国に生まれた場合と比較しても、同じ東アジアの中では命の危険を感じることは少ないと言えるでしょう。
国の批判をしても、もちろん処刑されることはありませんし、私のようないち個人が簡単に外貨を購入しそれをもとに海外企業の株を保有することができるのです。これは非常にありがたいことですよね。もし私が北朝鮮に住んでいれば、当局によって没収されていた可能性も高いですし、もしかしたら命に関わることもあるかもしれません。
そう考えると、我々が投資に無頓着なのはあまりにもったいないことだと思いませんか?せっかく投資環境が整っており、ルールに則って取引をしていれば国によって没収される可能性もなく、むしろ国が投資を推奨しているのですから、投資が怖いからというだけの理由で避けてしまうのはあまりにもったいないです。

投資が怖いという一面を覗かせるのは、大抵の場合、自らの無知や勉強不足によるものです。知らず知らずのうちに自分では許容できないレベルのリスクを取っており、それによって投資の恐ろしい部分を垣間見ることになるのです。
発言の如何によっては命を落とす国で生活していくことと比べれば、投資の怖さなんて大した問題ではないと思いませんか?お金持ちになりたいのであれば、許容範囲のリスクを取っていくことは必要不可欠です。
そして投資を続けていれば、少しずつ自分の中でリスク許容度が大きくなっていくことが分かります。2月から3月頃にかけての株式市場の乱高下の最中には、毎日100万円単位の資産の増減がありましたが、それも特に何の感情もなくやり過ごすことができました。
資産総額が3,000万円を超えていたのですから、100万円の値動きというのは資産全体の約3%ほどに当たります。3%の増減はボラティリティの高い相場ではあり得る値動きですから、特に恐れる必要もないというのが分かります。
投資を始めた頃、100万円の資金しかない時には当然100万円の値動きは怖かったでしょうが、今はそうでもありません。当然と言えば当然ですが、資産総額が大きくなればなるほど、このように値幅の大きさには拘らなくなります。
このように勉強し、自らのお金を実際に投資することで、投資は『怖いもの』から、『自らコントロールできるもの』に変わっていきます。これは10年間投資してきた経験により、確実に真実だと言い切ることができます。
北朝鮮のように、恐怖で国民を統制するような国へ投資することを勧めてくるような著名なコメンテーターも中にはいますが、こういう話がもし事実だとすると、今すぐに北朝鮮へ外貨を投じるのは危険な行為だということがよく分かります。
北朝鮮は、外国人には不都合なところを見せないようにするといいますし、その人の立場によって印象が変わるのも仕方のないところなのかもしれませんけどね。
ですが、我々日本人は、現状がそれなりに幸せな状況であると認識し、投資活動に力を入れることができるという当たり前の日々に感謝し、これからも株式市場に居残り続けることを改めて私は推奨したいと感じました。