中国の国家衛生健康委員会(NHC)は10日、新型コロナウイルスの感染拡大が始まった同国中部・武漢で、1か月超ぶりに感染者が出たことを明らかにしました。

中国では、嘘か虚構か、ここ最近は国内全土でも感染者数は一桁を下回ると発表しており、いち早くパンデミック明けを国外にアピールしており、日常生活を取り戻しつつありました。
本日は、上海にあるディズニーリゾートが約4カ月ぶりの全面再開となる予定で、再開初日のチケットはわずか数分で完売してしまった事が話題にもなりました。

その矢先にこうした発表があると言うのは何とも幸先の悪い話ではありますが、中国もついに隠し切れないほどの新型コロナ患者が再燃してきたのだろうと見受けられます。
先週末、『株式投資の未来』でお馴染みのジェレミー・シーゲル教授がCNBCのインタビューに応えている動画が話題となりました。

(株式市場への見方は)長期では変えていないが、短期ではもちろんかつてない大きさのショックだ。
経済統計は悲劇的だが、今見ていることからすれば驚くことではない。・・・
(経済ニュースは)「バックミラー」なんだ。
CNBCのインタビューより
シーゲル教授によると、短期的な指標の悪化は大きなショックだが、すでに織り込まれていた指標の悪化などは問題ではなく、長期的に見れば強気な姿勢は変えていないと言う事でした。
ただし、懸念を挙げるとすれば、
3月の底値がまず間違いなく大底となるだろう。
2020年秋、冬に新型コロナ感染第二波でもう一度ロックダウンしない限り、3月の底値を試しに行くことはない。
CNBCのインタビューより
と述べたように、新型コロナウィルスによる第二波が到来した時、今年3月の底値を試しに行くことになるだろうと言うことです。
ここ最近、ドイツやイギリスなど、欧州での経済活動の再開ニュースが後を断ちません。もちろん慎重な対応で、条件付きとしておりますが、それでも一時期の世界の終わりかと思われたような状況から見れば相当緩和されるものと見受けられます。
やっと落ち着きを見せたのか?と言うタイミングで再び、発祥の地である武漢から、中国当局が看過できないほどの感染者が発生したと言うのは、なんとも不安なニュースです。
シーゲル教授は、第二波がなければ、2021年にも米国株は最高値を更新するだろうとの見通しを発表していましたが、早くもその目論みは崩れ去ろうとしています。
確実に効果が期待できるようなワクチンや特効薬の実用化にはまだまだ時間がかかりそうです。そう考えると、再び第二波が世界中を襲ったとき、世界中の株式市場もまた、二番底に向かって暴落を始めるのかもしれません。
では、我々米国株投資家はどのような行動をとるべきでしょうか。私が思うに、結局我々がとるべき行動は、コツコツと投資活動を継続することにあるのではないかと言うことです。
第二、第三の波がいつ訪れるかは分かりませんが、日本でもGWが明けて、少しずつ気持ちが緩和されているところがあるかと思います。そういう気の緩みの中に、再び第二波が訪れるのは明らかです。それは避けようのないことです。
だからこそ、私は慢心することなく、こう言う時こそいつも通りの行動を続けることが効果的だと思います。
投資家たるもの、楽観的にも悲観的にもなりすぎず、感情を捨てて淡々と投資活動を継続し続けること。それが長期的な資産形成のコツと言えるのかもしれません。
再び流行が拡大すれば、米国株も大きく下落することにはなりそうです。ですが、そういう時こそいつも通りの投資を心がけることが、10年後、20年後に資産を大きくする結果につながるでしょう。