【朗報】アップル(AAPL)、配当や自社株買いのために85億ドルの社債を発行する。アップルがここまで強気に株主還元ができる理由とは。

投資の考え方
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ロイター通信によると、アップルは今月4日、自社株買いや配当の原資とするために社債を発行し85億ドル調達したとのことです。

米アップルが85億ドル起債、自社株買いや配当の原資に
米アップルは4日、自社株買いや配当の原資とするために社債を発行し85億ドル調達した。

発行したのは期間3年から30年までの4本。リフィニティブのIFRデータによると、3年債20億ドル、5年債22億5000万ドルという規模で、クーポンは3年債が0.75%、5年債は1.125%と、いずれも2013年以来の低水準だということだ。

アップルは昨年の9月にも社債を発行しており、この時はアップルが2年ぶりの社債発行ということで話題となりました。そう考えると8ヶ月ほどで再び社債を発行するというのは、かなり積極的に借金しているということになりますね。

アップルがこのタイミングでそれほどまでに積極的に借金をしてまで株主還元ができるのは何故でしょう?それはやはり、本業からの安定した収入が見込めるからと言えるのではないでしょうか。

そもそもアップルはわざわざ借金をするほど現金に困っているのかと言われると、決してそうではありません。先日発表されたアップルの決算をみてみると、2020年3月末時点のアップルの現金及び現金同等物(Cash And Cash Equivalents)は、401億ドルにも及ぶことが分かります。

しかもキャッシュフローを見てみると、四半期での営業キャッシュフローは133億ドル、フリーキャッシュフローは114億ドルというのですから驚きです。3ヶ月で1兆円、自由に使えるお金が増えるんですよ。もはや規模が違います。

そんな潤沢なキャッシュを保有しているアップルが社債をガンガン発行するのは、ひとえに低金利でお金を借りることができるチャンスだから。昨日の記事にもありましたが、FRBが米国企業の社債を買い入れを発表しましたので、社債の買い手には困りません。(アップルの社債なら買い手がつくでしょうが)

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さらに、歴史的な低金利と、アップルの企業としての信用度の高さから、前述の通り、3年債が0.75%、5年債は1.125%という低金利での借金が可能になっているのです。

これはもう、借りるしかない!というような状況ですよね。お膳立てはバッチリです。これだけ低金利でお金を借りられて、かつ本業から四半期程度で社債発行額を超える収入を見込めるのですから、キャッシュを潤沢にすることは事業をさらに拡大し、株主に適切に還元するために必要不可欠であり、いわゆる良い借金に該当するものです。個人がするようなお金に困った上での借金とは全く別物なのです。

そもそも、これだけ易々と借金をすることができる企業というのはそれほど多くはありません。私は残念ながら、まともな社債を発行できるほど信用力も規模も大きい会社に勤めたことはないのですが、中小企業や、マザーズ上場企業で財務経理部門として財務担当、いわゆる『資金繰り』の担当者として仕事をしたこともあります。

もちろん社債を発行して一般に借金を募るほどの信用度はないので、社債ではなく『借入金』の話ではありますが、事業を展開していくのに、いつまでにいくらお金を借りて資金調達しておくのが良いだろうというような計画表を作成し、進言するというようなお仕事です。

なのですが、これも黒字企業と赤字企業では銀行側の態度がコロッと変わるんですよね。本当に。あんまり詳しくは言えませんが、黒字企業では資金繰りなんて誰にでもできる簡単なお仕事です。

何故なら銀行側の相当偉い立場の方がわざわざ会社に出向いてきて、毎月資金の借り換えを勧めてくるからです。毎月一定額を借りて、金利と一緒に返済する。そしてまた同じ金額を借りて、金利と一緒に返済する。という一見無駄な行為をかなりの大規模な金額で行うのが黒字企業の特徴です。

別にお金に困っている訳ではなく、銀行がどうしてもお願いしますと頼み込んでくるから渋々借りているという状況のため、金利も相当低く抑えられており、銀行にお布施を支払っているようなものです。

何故こんな無意味なことをするのかというと、一言で言えば、銀行とのお付き合いのためということになるのですが、銀行は本当に困った時にはどうせ貸してくれないんだろうから、このお付き合いに何か意味はあるのだろうか?と疑問を持ってしまいます。

銀行は本当に困ったときには貸してくれない。これは赤字企業で実感したことです。赤字かつ斜陽産業と見られるような企業では、メガバンクはまずお金を貸してはくれませんね。長年の付き合いがあるにも関わらず。です。本当に意味があるのか疑問に思いますよね。

まあ、銀行の抱える状況を考えると、その判断を批判しようとは思いません。企業として適切な判断だと思います。それが資本主義なのです。

ですがそうなってくると、新規の中規模の銀行に赴き、財務部長と共に飛び込みで訪問し、「お金貸してください」って頭を下げることになります。時には名古屋まで出張し、地銀の営業マンにお願いすることもありました。

それでもお金が借りられなくなると、ちょっと金利の高い法人向けのローンに頼ったり、『転換社債型新株予約権付社債』という、私もこれほど長い熟語は他にないんじゃないだろうか?と思うような長ったらしい名前の社債を発行し、増資を目論みます。

日本の中小企業のほとんどは、そもそも株式公開をしていないため、転換社債型新株予約権付社債の買い手がおらず、この手は取れないだろうから、結局法人ローンに頼らざるを得なくなるのではないでしょうか。企業がお金を借りるのには、実は個人以上に『信用』が必要なことが多いのです。

それを踏まえれば、アップルのように、大規模な社債発行をこれだけの低金利で行うことができるということ、それ自体がアップルを超一流企業であると認識していることの表れであり、信用度を示しているということが分かります。

そしてそこまでして借り入れたキャッシュを株主還元に活用しようと言うのですから、投資家にとってもなんてフレンドリーな企業なんだろうと言う印象を与えます。

債権者(社債権者)にも、投資家(株主)にも、そして顧客(消費者)にも素晴らしい価値を与え続けてくれるアップルは、今後も投資先として魅力的な企業であり続けるのではないでしょうか

この時期に積極的に借金をしていることを、私は高く評価したいと思います。

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