コロナショックにより大幅な株価の減少に巻き込まれた個人投資家は相当おられたはずです。
株価は一時期と比べれば上昇し始めているものの、NYダウやS&P500指数はまだまだ最高値に戻していないと言うのが事実です。


しかも『セルインメイ』と言われるように、5月に一度高値をつけて、6月から8月頃にかけて株価は低迷しがちと言うアノマリーがあります。今月が一旦の株価の高値となり、来月以降『二番底』に向けて株価が下落する可能性は大いにあり得ます。
そんな株式市場においても、一際輝く銘柄がいわゆる『MAGA』と呼ばれる米国の大手ハイテク企業各社です。
それを証明するかのように、MAGA各社は過去1年間を振り返ってみると、1年前と比べて全ての銘柄の株価が上昇していることがわかりました。




しかもそれぞれ上昇率は凄まじく、アルファベット(GOOGL)ですら1年前と比べて10%の上昇。通販需要の増加で好調なアマゾン・ドット・コム(AMZN)は17%の上昇となりました。
また、『ハイテク時代のインフラ』ともなりつつあるマイクロソフトは36%の上昇、コロナショックの影響が最も懸念されていたアップル(AAPL)が38%と驚きの増加率を誇ったことがわかりました。
今回のコロナショックが、今までのリセッションと圧倒的に違うのは、これまでNYダウやS&P500を牽引してきた銘柄やセクターがそのまま市場を牽引し続けていると言うことです。
世界中でロックダウンが実施されている現状、室内で仕事をするために、むしろ大手IT企業の強みを発揮しているのが実情です。
特に顕著なのはアマゾン・ドット・コムで、通販需要が増加したばかりでなく、引きこもりによってAmazonプライムビデオなどのサービスも好調で、Amazonプライム会員に新規加入すると言う方も増加しています。先日の決算では、コロナ対策にかかる費用の増加により、純利益は減少したものの、売上高は前年比26%の伸びを見せました。

一方で次の四半期は利益の全てをコロナ対策に費やすと公言しており、株価が少し調整しています。

とは言え、需要がこれからも伸び続けるアマゾン・ドット・コムには期待を込めて長期投資をすると言う個人投資家の方も多いのではないでしょうか。
マイクロソフトもコロナショックで、さらに『勝ち組』となった銘柄の1つです。世界中でテレワークの需要が増加した今でも、WindowsやOffice365に対する需要は無くならないばかりか、社内チャットなどで活用されているTeamsは現段階で最高峰のセキュリティを誇るテレビ会議システムとして、躍進した『Zoom』に代わりユーザー数が急増しているのである。
そしてアップルやアルファベットも、リセッション時にはダメージを受けやすい業種ではあるものの、米中貿易戦争の激化が市場参加者の最大の関心ごとだった昨年の今頃と比べれば、株価が上昇していると言うのはやはりスゴいなと言う一言に尽きます。
市場参加者の心というものは、いとも簡単に移ろいやすいものです。彼らの関心は、もはやコロナウィルスよりも、コロナ後の世界についてであり、再び米中関係の悪化が日々の値動きの要因となろうとしています。

まだ大した解決策もない今のコロナウィルスによる問題がすでに過去のものとなろうとしているのは、世界的には経済活動が復興しつつあること。そして、人類がウィルスを克服することは明白だと考えている人が多いことが挙げられます。
彼らの考え方はある意味正しく、これからも人類の発展とともに経済成長を続けるだろうことは明らかだと思います。そしてその人類の発展の証として、現在世界中で愛用されているハイテク企業各社のモノやサービスは、今後も成長を続けていくのではないだろうかと私自身も信じています。
もちろん、今のハイテク各社がこれから何十年も世界を牛耳るとは思ってませんが、今の状況をみる限り、2020年代もMAGAと呼ばれる各企業の強みは変わらないのではないだろうかと思います。
株式投資は人類の発展に賭ける行為なのですから、これからもこれらの優良企業の株を保有し続けることで、個人投資家の資産もどんどんと発展していくのではないだろうかと私はそう信じ続けているのです。