世界三大投資家として著名な『投資の神様』ウォーレン・バフェット氏が2日、自身が会長を努める米バークシャー・ハザウェイ(BRK)の年次株主総会で、デルタ航空など保有する米大手エアライン4社の株式をすべて売却したと明らかにした。「(新型コロナウイルスによって)世界は変わる」と述べ、感染が収束しても乗客数は戻らないとの見方を示した。

バークシャーが保有していたデルタ航空(DAL)、アメリカン航空(AAL)、ユナイテッド航空(UAL)、サウスウエスト航空(LUV)の4社とのことです。
特にデルタ航空とサウスウェスト航空はバフェット氏お気に入りの銘柄として、保有株の中でも上位に食い込むほどの投資額を誇っておりました。

デルタ航空株の発行済み株式数の9%を握る筆頭株主だったことに加え、アメリカンやサウスウエスト、ユナイテッドも第2位株主に名を連ねていたため、株価にも相当の影響を及ぼしたこととなります。
バフェット氏が「外出制限が人々の行動に与える影響は分からない。3~4年後に、昨年までのように飛行機に乗るようになるのか見通せない」と悲観的な考えを示したように、これから数年間の航空業界がどのようになるかは分かりません。
たしかにコロナウィルスによる影響が収まれば、レジャーなどを楽しむ顧客はそれなりには戻ってくるだろうと思います。米国は領土の広さも相まって、移動に飛行機を利用すると言う需要も戻るだろうとは思います。
ただ、以前と同様にビジネス目的で長期移動をするような人々がいるのか?と言われると少し首を傾げるところがあります。
私自身、現在テレワークが始まってから正直10分程度の電車に乗って通勤するのも面倒だなと思うようになりました。「テレワークで仕事が回るんだったらテレワークで良くない?」と言うのが正直な感想です。
今や世界中とネットで顔を突き合わせて話ができるんだから、わざわざ現地に高いお金を払って業務をする理由ってなんだろう?と思います。
もちろん、一部は絶対に現地に行かなければならない業務もありますが、会議のためだけの出張の必要性などは世界中で見直されるようになるんじゃないかな。と言うのが正直な感想です。もしかしたらそんな無駄な会議は日本でしかやってないかもしれませんけどね。笑
今までと同様に飛行機が利用されるのかどうかはわからないと言うのが正直なところです。もともとは航空株のことを『投資家の底なし沼』と批判するなど、めちゃくちゃアンチ航空会社だったバフェット氏ですから、理解できないわけではありません。バフェット氏も投資判断を誤ることがあると言う良い事例ですね。
バフェット氏が同日公表した2020年1~3月期決算は株安で497億ドル(5兆3100億円)の赤字となりましたが、これに関しては特に心配する必要はないかと思います。米国では、2017年12月以降に始まる会計期間から、会計基準が変更され、上場株の評価損益を純利益に反映させると言うことになりました。
これによって、含み益が出ている時は莫大な純利益が発生しますが、今回のような含み益が減少した時は赤字が発生してもおかしくはないです。
2017年12月以降、特にバークシャー・ハサウェイの純利益額は参考程度の数値となり投資判断には活用できない数字になってしまいました。ですが、バフェット氏が「何事も米国の成長を止めることはできない」と強調したように、これからも米国企業は成長し続けるだろうと思いますし、いずれまた航空企業が成長性を見せるような時期も訪れるかもしれません。
それにしてもバフェット氏も大変ですね。世界一著名な投資家としてわざわざ世界中に自分の投資判断についてコメントしなければいけない立場なのですからね。
ウォーレン・バフェット氏とすれば、航空株が回復するまで10年単位で待ち続けるのは、もはやナンセンスであり、今回航空株の全てを売却したと言うことかもしれません。
バフェット氏はともかく、私はまだまだ30年、40年と長期の投資期間が残されていますので、投資判断を間違えながらもコツコツ投資を続けていきたいと思います。