世界三大投資家と言われながら、米国では投資家ではなく、コメンテーターとして括られているジム・ロジャーズ氏が、新型コロナウィルスによる金融危機の最中で投資家がすべきことについて言及した。
金融危機の局面でも「大丈夫、まだ買える」と考えることができる場合もある。しかし、もし何も知らないのであれば、何もしないことが一番いい。成功した投資家の多くは何もしない時間が長い。座って待って、何かを見つけたら、10年でも20年でも成長を待つ。だから成功した投資家の多くはたいてい何もしていないのだ。
ジム・ロジャーズ氏のメディアの露出具合を見れば、おおよそ『何もしない時間が長い』とは思えないのだが、ここ数年は、韓国や北朝鮮への投資でおそらく大損をしたり、ネット上では『逆神』として恐れられるくらい高確率で予想を外すロジャーズ氏の姿を見ていると、確かに『成功した投資家』としての面影はそれほど感じません。そう考えると確かにロジャーズ氏の発言は真理なのかもしれませんね。さすが世界三大投資家は言う事が違います。
確かに投資家というのは、活発に取引をしなければいけないと勘違いしている人も多くいらっしゃいます。彼のいうように『とっておきの情報』を求めて騙されたり、短期的な取引で大金持ちになりたいと考えている人の多さには驚きます。
投資初心者の方にはありがちですが、他人が言うことを何でも信じてよくわからない企業に大金を投資(投機)して大怪我をしてしまう人が多いのも事実です。
さらには、まだNYダウも底を脱したという確証はなく、問題となっているウィルスの特効薬が実用化されるのはまだまだ先になるだろうことから、高い確率で二番底に向けて株価は大きく下落することが予想されます。
そんな中で、我々投資家が何をすべきかというと、『逆神』であるジム・ロジャーズ氏の言葉に倣って、彼が「何もするな」と言う時こそ、積極的に行動を起こすべきだと感じています。
同じく世界三大投資家として知られる『オマハの賢人』『投資の神様』であるウォーレン・バフェット氏は、今のコロナショックで壊滅的なダメージを負っている航空業界のデルタ航空(DAL)へ50億ドルの投資を決行している。

もちろんバフェット氏だけでなく著名な投資家たちはこのタイミングで、ここぞとばかりに投資を決行しているのです。


さらに言えば、ロジャーズ氏のように短期的な投機でお金を稼ごうとしている訳ではないのであれば無理して底値を探る必要は無く、株価の調整中にこそ持ち株を積極的に増やしていくと言うのは多くの長期投資家がやるべき行動だと言えるでしょう。
確かに我々投資家は、ジム・ロジャーズ氏の言うとおり特別なことは『何もしないことが一番』なのかもしれないが、彼の発言を真に受けて本当に何の行動も起こさなければ、千載一遇のチャンスを逃してしまうかもしれません。
もし、今のリセッションで株を買い込むことができなければ、またしても上昇相場が訪れます。すると、行動に起こせなかった投資家もどきたちは、『次の調整で買い進める』と言うことでしょう。
ですが、次の調整はいつ頃来るのでしょうか?もし今回のコロナショックが落ち着いて再び力強く株価が上昇し始めたとしたら、再び何年も調整局面が訪れないかもしれません。
となれば、もしかしたら次の調整が始まるのがNYダウが5万ドルのピークから下落する時なのかもしれませんよね。
もし仮に10年後にNYダウが5万ドルから半値まで大暴落したとして、NYダウは2万5千ドルですから、今の株価水準で買い増しした方が安くで仕込めることには変わりないのです。
そして現金を持ち続けている人々と違い、10年単位で持ち続けた株からはそれなりに多額の配当金を受け取ることができるでしょう。私は年間で70万円ほどの配当金を受け取っていますので、増配がないとしても10年で700万円程度の配当金を受け取ることができる計算です。
今回の下落相場で本当に何もしなければ、この配当金を受け取るチャンスをみすみす逃してしまうことになります。配当金目当てではない投資方法でもこれだけの配当金を受け取ることができるのですから、個人投資家に大人気の『高配当戦略』を10年単位で実行することができれば、もしかしたら投資元本を全額回収することも可能なのかもしれません。
投資の戦略は人それぞれありますが、共通して確実に言えるのは、株価が安くなった時にこそ株を買うべきと言うことです。ジム・ロジャーズ氏は再び『逆神』としての本領を発揮してしまうのでしょうか。これからも彼の発言には注目していきたいところです。