ブルームバーグによると、アクティビスト(物言う投資家)として有名なビル・アックマン氏は米経済「回復への賭け」として、25億ドル(約2,800億円)を株式に投資したとのことだ。

アックマン氏は新型コロナウイルス感染拡大の影響からポートフォリオを守ろうとクレジット市場での空売りでヘッジしていたが、こうしたヘッジを全て外し、再び買いを入れたとのことです。
彼が買い入れた主な銘柄は、スターバックス(SBUX)やバークシャー・ハサウェイ(BRK)、大手ホームセンターのロウズ(LOW)や、ヒルトンホテルで有名なヒルトン・ワールドワイド・ホールディングス(HLT)とのことです。
つい先日も記事にまとめましたが、今、国をあげての自粛ムードが漂う中で、世界中の超富裕層が「一生に1度の大バーゲン」として株式を爆買いしているようだ。

アックマン氏が買い増しをしたリストにあるバークシャー・ハサウェイを経営する、『投資の神様』ウォーレン・バフェット氏は、デルタ航空(DAL)株を50億円程度試し買いしましたし、こちらも著名なアクティビストのカール・アイカーン氏も持ち株比率を高めています。
多くの大口投資家や個人投資家たちが我先にと持ち株を手放している裏で、彼らのような本当の富裕層にあたる投資家たちがこぞって持ち株比率を高めているというのはなんとも興味深いものです。
株のバーゲンセールは、いつ開催されるか分かりませんしどれほどの期間続くのかは不明です。ここ10年ほど、ほとんどバーゲンセールは行われなかったと言っても過言ではないのではないでしょうか。
今年のこの下落率を見ていると、まだまだ下がる余地はありそうにも見えますし、昨日のように大幅な上昇を見せることもあります。NYダウは大幅に上昇し、2,000ドルを超える上げ幅となりました。再び2万ドルを超える展開になってまいりました。

ですがこの1ヶ月ほど株価が連騰した記憶はないので、今日もまた買い場を作ってくれるのではないだろうかと思います。
過去を見れば、例えば2000年代というのは10年間かけてほとんど米国株といえども成長しなかった冬の時代を迎えていました。NYダウも2000年の始まりと2009年の終わりの数値はほとんど変わりなく、むしろマイナスになっているのです。

個別株も同様で、例えば個人投資家に大人気のコカ・コーラなどという銘柄も株価はほぼ横ばいでした。

2000年代は、ITバブルの崩壊やSARSの蔓延、リーマン・ショックなど、次々と問題が発生し、ボロボロな状態でした。ですが、この10年間、コカ・コーラに投資をし続けた投資家は着実にリターンを得ることができています。

2000年初頭にコカ・コーラに投資した1万ドルは2009年の終わりには12,288ドルに成長しているのである。
当時はBRICsなどの新興国も成長しており、米国以外に投資冥利のある場所は多かったです。ですが、信頼して資金を投じることができるのは米国くらいだと思います。BRICs各国はまだ投資先の国としてはそれほど信頼できないというのがあります。
これから先の米国株がどうなるかはわかりませんが、少なくとも米国という国の株主に対する姿勢は信頼できるものだと私は感じています。
だからこそ米国株に長期的にコツコツと積立投資をしていこうと考えることができたのです。富裕層の人々が、こぞって株を買い増ししている今、持ち株を売り払って長期投資をやめてしまうというのは少し残念な思いがあります。
もちろん富裕層の猿真似をした投資を続けるのはナンセンスですが、富裕層が株を用いて富裕層に成り上がっていったことを考えれば、彼らが強気に買い増ししている今こそ株を買う最大のチャンスなのではないでしょうか。
この下落相場が終わったら、また再び10年ほど買い増しのチャンスが訪れないという可能性だってあるのです。これだけ株価が下落したとはいえ、2010年の頃はNYダウが1万ドル程度だったのですからそれでも米国株は上昇していると言えるのです。
アックマン氏やアイカーン氏、バフェット氏のような富裕層の株式投資家の行動は、我々個人投資家が模範とすべきであるというのは言うまでもないと言えるのではないでしょうか。