今月16日のSBI証券の発表によれば、投資信託の積立投資額がついに200億円を超えたとのことです。
SBI証券の発表によれば今月15日の段階で、投資信託の積立投資額が200億円の大台を突破したということでした。

特につみたてNISAによる投資額が全体の約半分を占めるまでに成長していることは特筆すべき点ではないでしょうか。
新型コロナウイルスが株式市場を襲う中でもどんどんと自動投資によってコツコツ積立投資が継続されており、個人投資家が思っている以上に騒ぎ立てていない何よりの証拠ですね。大変素晴らしいことだと感じます。
特にSBI証券さんは、株価が乱高下すると自らサーバーを落とし、サーキットブレーカーを発動し、『今は株を売買するタイミングではない』と教えてくれるサービスを日本で唯一提供してくださっているネット証券さんですから、もしかしたら解約しようとしたけどできなかった個人投資家も含まれているのかもしれませんけどね。

さすがユーザビリティに溢れた、真に投資家のことを考えた素晴らしい判断です。ですが新しいサービスを提供するなら事前に教えていただきたいものですねぇ?SBI証券さん?
さて、皮肉はこれくらいにして、本題です。なんにせよ個人投資家がそれほど今の乱高下している市場環境を気にしていないのは確かなのかもしれません。
昨年からつみたてNISAを使って投資を始めた私の同僚も株価の乱高下をそもそも知らないという大物っぷりを発揮しています。

実は株価の乱高下で一喜一憂しているのは我々のような個別株にのめり込んだクソダサい投資家だけであり、つみたてNISAを活用しているけど、それほど投資に興味のない人にとっては、そもそも毎日の株価を見ることもないというのが多数派ではないでしょうか。
実はそれがもしかすると大正解であり、特にインデックス投資をしている方々にとっては毎日の株価を追うことなんて何の意味も持ちません。つみたてNISAは毎月決まったタイミングで買付がされていきますし、一時的にS&P500やNYダウと言った指数が安くなればそのタイミングで自動買付がされるのは明らかにメリットだからです。
今現在の暴落ぶりと比べれば可愛いものですが、直近では2018年の年末に『クリスマス・ショック』と呼ばれる一時的な株価の調整がありました。

この時一瞬ではありますが優良銘柄の株も大きく調整しました。ですが、例えばビザ(V)はクリスマスショックの底値が120ドル程度。マイクロソフト(MSFT)は100ドルを割れ、98ドルあたりが当面の底値でした。アップル(AAPL)に至っては底値は150ドル程度だったように記憶しています。
これらのハイテク優良企業株は、コロナショックによってトランプ相場での上昇分を全て吐き出した今の段階でもなお、クリスマスショックの底値にすら株価は下落していないというのが現状です。
最近は、優良ハイテク株が最もディフェンシブなんじゃないかなどという論調も聞こえてきているので、まだまだ下落の余地はある気もしますが、リーマンショックからの回復が早かったのも実はこれらのハイテク優良企業株だったんですよね。

下落幅も大きかった分、素早い回復力を見せたのがハイテク優良企業株だったのは、正直言って意外でした。
このような優良ハイテク株に支えられて上昇してきた成長相場が終わろうとしているのですが、それでもいまだにそれらの個別の優良ハイテク株がクリスマスショックより時点も株価が高い状態をキープしているというのは、ある意味勇気をもらえますよね。
すでにピークからは大きく下落しているこれらの株ですが、年単位で見てみると今でもちょっと下がっている程度にしか見えず、米国株の強さの源泉を垣間見ることができるのではないでしょうか。
S&P500指数は、500ちょっとの銘柄に分散投資をしているインデックス指数ではありますが、その計算方法は時価総額加重平均を採用しており、簡単にいうと個別株の時価総額をベースに組み込み割合が決定しています。
例えばVOOの場合は、組み入れ割合は以下のようになっています。

組み込み割合上位はいわゆる『GAFAM』が独占しており、S&P500という割には、GAFAMだけで全体の17.75%を占めていることがよく分かります。まあ、それだけこれらの企業が巨大だということなんですけどね。
ちなみにですが、ご覧の通りアルファベットがGOOG株とGOOGL株の2つが組み込まれていることもあり、S&P500指数はちょうど500銘柄というわけではありません。だからいつも500ちょっとという表現をしています。
さらに余談ですが、GOOG株とGOOGL株の違いは議決権の有無にあります。GOOGL株は議決権を有するため、一般的にはGOOG株より高くなりがちなのですが、今は逆転現象が起きています。


もしかしたら、GOOGL株の方は今が投資のチャンスなのかもしれません。
話を戻しますと、S&P500指数の2割弱を占めるGAFAMたちはいまだにどの銘柄もクリスマスショックの底値よりは高値圏にある状態です。
アマゾン・ドット・コム(AMZN)は1,400ドル台、フェイスブック(FB)は120ドル台、アルファベット(GOOGL)は1,000ドル割れで990ドル台が底値でした。
もう一度言いますが、これだけの暴落を受けてなお、指数を代表する銘柄たちはたった1年3ヶ月前の底値すら割らずに全体を支えている状態なんです。まだ下落相場は終わっているとは言えませんが、それでも着実に株価が切り上がっていると考えても良いのではないでしょうか。
そう考えると、個別優良株とS&P500指数への積立投資は恐れることなくこれからも継続していくのがベストだという考えになります。米国株市場の成長はこれからも一旦後退することはあるかもしれませんが、長期的に見れば成長する可能性が高いと感じています。
それは、これらの優良企業が提供する製品やサービスなしには今や世界中の人々が生活するのはままならないと言えるからです。
だとすれば米国の中でも優良企業をパッケージしたS&P500やNYダウに連動するETFや投資信託への投資を継続するのはとても理にかなった投資行動であり、多くの個人投資家が実行しているように、つみたてNISAをそのまま、つみたて続けるというのが正解であると私は思います。
もちろん、米国以外の新興国株や日本株へ投資している場合はこの限りではなく、私にも分からない未知の領域であることは間違いないのですが・・・