昨日夕方、安倍晋三首相は首相官邸で新型コロナウィルスに関する記者会見を開きました。

この会見によれば、諸外国に比べて日本の新型コロナウィルスの感染者のペースを押さえ込むことができているため、『緊急事態を宣言する状況ではない』とのことだ。
昨日は終日デートに出かけていたため、タイムリーにはこの会見を観ることができなかったのですが、かいつまんで観たところ、特に観る価値のない会見だったことだけはよくわかりました。
うーん・・・なんだろう。こんなタイミングですら、『諸外国と比べて』見解を述べることしかできないのでしょうか?本当に主体性のない国だなと感じ、非常に残念な気持ちになりました。
『ヨソはヨソ、ウチはウチ』じゃダメなの?ウィルスによる被害は各国がそれぞれ対応してるんだから、諸国の顔色を伺う必要がない案件だと思うんです。
私は30年近く生きてきて、公立の学校が全国的に一斉休校になるなんていう経験は初めてです。その政策の是非はわかりませんが、それが施行されたという段階ですでに十分緊急事態だと思います。
米国が、つい最近まで大丈夫だと言っていたにもかかわらず、国内で感染者が広まるとすぐに非常事態宣言を発令し、具体的な経済対策を打ち立ててきました。

それに対して日本では、『あの国よりはマシだから・・・』などと呑気なことを言っているのです。実に日本人らしいっちゃらしいですよね。
日本という国は、世界三位の経済大国ですから、世界的に見れば今でも十分裕福な国です。自宅で普通に何の心配もなく寛ぎながら、ブログを更新したり、ゆっくりと眠りについたりすることができる国が一体どれほどあるでしょうか?
それにも関わらず、日本は『貧困』に悩まされている人がとても多いです。ですが、今の日本で暮らしていて、食べるものもなくて餓死するなんているのは相当なレアケースです。
日本人が悩まされている貧困は、そう言った生命維持の危機的状況にある『絶対的貧困』ではなく、誰かと比較して自分は貧しいだの、自分はあいつよりはマシだなどといういわゆる『相対的貧困』なのです。
このように、他人を基準にして自分と比較する民衆が日本には突出して多いような気がします。そしてこの考え方こそ、他人の目を気にして何もできなくなる、主体性のない人格形成を助長するのだと私は考えています。
自分で起業したいけど、失敗してホームレスにでもなったら、知り合いに後ろ指を指されるだろうな。とか、自分はこうだと思うけど、みんなが別の回答に賛同しているから自分もそれに賛同しよう。などと言った考え方は、他人任せで何の生産性もない考え方ですよね。
でも、こういう考え方をしてしまったことがある人って多いはずです。日本人ならね。
国の中枢ですら、今回の会見のように他国と比較して自分たちは大丈夫とか言っているんですから、興醒めです。
外交的なものであれば、あの国にも配慮して・・・とかいう考え方が必要なのはよく分かります。自分の意見を100%押し通すために強硬手段に出て、敵に回すなどということがあってはならない国がある。それは理解しています。
ただ、今回のような事態は、圧倒的に内政寄りの話ですよね。入国制限などを除けば、あくまで日本国内で日本政府が指揮をとってそれこそワンチームでことにあたるために具体的な政策を見せる必要があるのではないでしょうか。
こう言ったスピード感の違いが、米国と日本の成長性の違いをそのまま表しているのではないだろうかと私は思います。日本が他人の目を気にして雁字搦めになっている間に、米国が大きく成長しただけでなく、中国に追い付き、追い越され、そしてアジアの他の国にも僅差に迫られるまでに成長期待のない国になってしまったのです。
このように、他の国と比較すれば富裕層な国なんて言ってられるのは今だけで、あと数十年の間にアジアの中でも貧しい国になってしまうかもしれません。
他人の目を気にして主体的な行動を起こさないような人たちに大きな変化は訪れません。ずっと現状維持のままですから、世界経済の成長の中ではどんどん退化していることになるのです。
私は日本という国が大好きです。日本株に投資してもリターンが少ないだろうなと考えているので投資対象としては論外ですが、こう言った政策批判的な記事を書いても、お隣の国のように身柄が拘束されることもありません。非常に平和で安全な国だと考えています。
好きだからこそ、こういう非常事態にも何もできない国であることに非常に苛立ちを覚えますし、投資冥利も無いなと考えてしまうのです。
この前のWBSで証券会社の社員さんが、パニックになって電話してきた顧客に対して、「アメリカの株価が下げ止まらないと、いつ下げ止まるか分からない」と言っていたのを聞いて、ため息が出ました。
実際そうなんですけどね。でも日本にももっと頑張ってほしいなと思うわけです。日本が米国に先立って、具体的な経済政策を打ち立てていれば、あるいは米国より先に立ち直ることが出来たかもしれません。
私が老後を迎えた時に蓋を開けてみれば、「ああ、米国株じゃなくて日本株に投資しておいた方が良かったな」と思わせるような国になってほしいものです。
そして、今のところそのような片鱗は一切見えもしないですから、私はこれからも米国株一択で長期投資を続けていこうと思います。