ウォールストリートジャーナル(WSJ)の報道によると、新型コロナウイルスがパンデミックになりかねないとの警戒感から株価が落ち込む中、大半の個人投資家は現在のところ動揺を見せていないとのことです。
現在の株価の下落は大口投資家による売り浴びせと、AIやシステムを駆使した自動売買システムの作動によって一気に下落した可能性も高いです。
金融経済学者のパトリック・デニス氏とディオン・ストリックランド氏は2002年の調査で、『株価が大幅に下落した場合、機関投資家の方が個人投資家よりも売りが激しい』ことを発見し、また、大口投資家に広く保有されている銘柄ほど、市場急落時の取引量が大きいことも調査で明らかになったと言います。
また、大口投資家が投げ売った銘柄はその後半年にわたり市場をアウトパフォームする傾向があるということだ。
つまり、大口投資家は顧客からの圧力があるため、大きな下落が起きそうなパニックの際には、どうしても一度売りに出す必要があり、結果として、ファンドマネージャーたちから売り叩かれた個別株たちは適正価格を下回るまで下落することがあるのだそうです。
逆に言えば、忍耐強く持ち続けることができるというのは、個人投資家の最大のメリットであり、米国の個人投資家たちはそれを理解しているのでしょう。
もちろん、米国は日本に比べればまだコロナウィルスの被害が少なく、感染もそれほど酷くはなっていないため、単純比較できるものではないというのは理解しています。
それでも、日本の数少ない個人投資家が狼狽売りしているのを見ると、こういう時は米国人の方が冷静なのか?と思わざるを得ません。
資産運用大手バンガード・グループが1万6,000人を超える個人投資家を対象に実施した調査によると、個人投資家の6割近くが年間収益率を0~6%とみており、7割弱が10年の平均年間収益率が同レンジになると予想しているとのことだ。
この個人投資家の『予想』は下記のグラフを見れば分かるとおり、あまりあてになるものではないです。

ですがこの予想グラフを見る限り、個人投資家の方々の『期待値』は非常に安定しており、現実の株価の上下ほど乱高下していないことがわかります。
これは、小口の個人投資家が常に冷静沈着であり、安くなるまで『待つ』という個人投資家最大の武器を遺憾なく発揮していると言えるのではないでしょうか。
これらのことから、市場のパニックを引き起こすのは大抵の場合、大口投資家による大量の売り浴びせが原因だということがわかります。
コロナウィルスが本当に数ヶ月で一旦の落ち着きを見せるのかどうか、まだ定かではない現状、個人投資家もパニックになる気持ちは分からないでもないです。
ですが、『落ち着き』こそ日本人が海外メディアから称賛されていた面ではないでしょうか。
東日本大震災や大型の台風などの天災に見舞われても、慌てず騒がず、秩序を守って行動する日本人の行動に感銘を受けたというご意見を海外からたくさんいただいております。
私は今の時期だからこそ、あえてパニックに陥らず、淡々と行動することの大切さを何度も発信しております。

私自身もピーク時から400万円近い含み益の減少を経験しましたが、思いの外動じておらず、まだまだ下がるだろう考えています。
もしかしたら、含み益を全て吐き出せば途端に、狼狽するのかもしれませんが、そこで売るつもりも全くなく、それならそれで一から始めるつもりでやり直せば良いのです。
私が個別に投資している企業は全てNYダウに選出されるような大型優良企業であり、コロナショックの一時的な不景気では倒産することなどあり得ないと断言できる企業ばかりです。
またETFや投資信託でもS&P500という優良な指標に連動する投資をしております。全米株式への投資も始めましたが、結局は米国が強大な国であり続ける限りは、右肩上がりに成長していくだろうという気持ちで投資をしております。
私には狼狽する理由が見当たらず、むしろ株価が少し下がったところでめちゃくちゃ株を買い増ししたいとか、今まで投資していなかった優良株も目についてしまい、ポートフォリオの入れ替えをしたいという欲望が出てきているのが恐ろしいと感じるほどです。
先日、米国株村のゲリラことかぶちーず(@kabucheese)さんが、狼狽売りだけでなく狼狽買いも狼狽ガチホもよくないよねという記事を掲載されていました。
まさにその通りで、株価が一気に下がったからと言って、ここが底だ!と早とちりして狼狽買いするのも良くないし、仮に『損切り』のラインを定めた投資手法を取られているのであれば、損切りするべき時に損切りするのがベストであり、いずれ上がるからと言って狼狽ガチホもすべきではないのでしょう。
いずれにせよ、狼狽して取引を行うこと全てが良くない傾向であり、下落している今はまだ下落するだろうと考えて淡々といつも通りの少額買いを何度かに分けて買い増しをすれば良いのです。
また私は、インデックス投資という保守的な投資をしているのであれば、そもそも『損切り』すべきではないとも考えています。

インデックスこそ、個別の銘柄のような倒産リスクがないのですから、暴落の最中に慌てて売るような投資方法ではないですよね。
日本人の良いところは、どんな悲劇に見舞われても耐え忍んで冷静になって、復興に向けて行動を起こすことです。こういう点は集団意識の高さ故のメリットと言えますね。
多少の下落も問題視せずに耐え忍び、冷静になり、米国株の復活に向けて淡々と眈々と持ち株数を増やすための買い増しを行い、次の上昇相場で大きな財を築き上げることができるよう、個人投資家としての最大のメリットを活かす時がまさに今なのだと私は思います。
今月は1月、2月の大量買いを反省して小分けにして投資をしていきたいと思います。ちょうどNIS A枠があと20万円くらいあるので、今月はそれを使いきるくらいに控えておこうかな…
市場が乱高下するようなイベントも多いのでなんとも言えませんが、これからも私は毎月コツコツ買い増しをしていくということだけは変わりないと思います。