KDDI(9433)が、スマートフォン決済「au PAY」での決済額の20%を還元するキャンペーン「誰でも!毎週10億円!もらえるキャンペーン」の条件を急遽変更したということで大炎上している。
KDDIは当初、キャンペーン期間中に毎週もらえる還元額の上限を3万円相当としていたため、例えば15万円(税込)の商品を購入すると一度で3万円相当の還元を受けられた。
しかし、同社は20日に条件を変更。週の還元額の上限は変えないまま、1日当たりの還元額を6,000円相当までに絞った。これでは3万円(税込)までの商品購入でしかMAXの20%還元を受けることができなくなり、中には契約違反として消費者庁に通報する猛者まで現れました。
au payの件とりあえず消費者庁に連絡しておきました。
— アメリタット🐳 (@Ameritatto) February 20, 2020
15万円チャージした人は1.5万円払えば15万円返しますよってなめてるわ。 pic.twitter.com/ww2VYCheik
みなさんRTありがとうございます。
— アメリタット🐳 (@Ameritatto) February 21, 2020
一部修正報告してきました。
2万円未満は200円(220円)
2万円以上は税別1%の手数料とのことなので、15万円の場合1500円(1650円)になりますね。
ただし、クレジットカード、auかんたん決済、au WALLETチャージカード経由でチャージしたら払い戻し不可です pic.twitter.com/pp7zOGaplt
この上限が設けられたことにより実質、10万円以上するような高額商品の20%還元は不可能となり、ユーザーの不満が爆発するのも仕方のないところだと思います。仮に5万円分の決済だとしても、6,000円分の還元を受けれるので、割引率は12%。まだまだお得な部類に入るとは思いますけどね。
それにしてもこの後出しジャンケン感、めちゃくちゃ印象が悪くなりますよね。私ももし参加していれば、多分すごく腹が立ったでしょうし、自社のブランドイメージの毀損につながると思うのですが、そのあたりKDDIさんはどう考えているんでしょうね。
今回のau PAY騒動で、利益を得ることができたのは、初日にビックカメラの棚を破壊しに行った転売ヤーと呼ばれる輩だけという、なんとも後味の悪い結果となりました。

でもですね。私が強く感じるのは、「どうせこうなるって予測できたよね?」ということです。
ここ数年で○○ペイと呼ばれるコード決済が乱立し、新規入会をさせるための『お得』なキャンペーンを打ち出しては、即座に改悪し、ユーザーの不満を爆発させ続けてきました。
同じような手法に何度も騙されているにも関わらず、いまだに還元キャンペーンに乗じようとする人が多いのはなんとも不思議なことです。
例え20%が還元されたとしてもその端数のキャッシュバック分を利用するために、また再びチャージして、余計なものを買ったりしなければならないことを考えれば、還元キャンペーンというのは泥沼ですよね。
いくつもある○○ペイの残高を共有することはできませんから、利用価値のないコード決済アプリの中にはどうしても端数が残ってしまうのは避けられません。
私自身、今回の還元キャンペーンには乗じておらず、今は決済手段が増えすぎないように管理しています。
私の生活圏内に、『現金』か『PayPay』しか使えませんというお店があるので、その時のためだけにPayPayは利用しています。還元されなくても、クレジットカードで決済している分、クレカのポイントは貯まりますので、現金よりは遥かに良いので使っています。現金をわざわざ用意するのも面倒ですしね。
そして今回の騒動で最も批判すべきは、やはりKDDI側ですね。
KDDIにこそ、「どうせこうなるって予測できたよね?」という言葉を送りたいです。今まで同業他社のソフトバンクやドコモがそれぞれ自社のペイをリリースしてきて、それこそPayPayなんて転売ヤーに良いように使われてキャンペーンの前倒しなどを発表し、大炎上してきました。
1回あたりの上限がなく、かつ高額商品を販売しているような家電量販店などでも利用可能と言われれば、経営素人の私ですら、転売ヤーが沸いて出るだろうなというのは予測できました。
初めから上限設定や、対象外の店舗などを設定していればこれほど叩かれることもなかったでしょうからね。ハッキリ言って、「何を考えてau PAYをリリースしたの?」というより他ありません。
KDDIがau PAYをリリースしたのは、遅すぎるくらいのタイミングであることは否定できません。完全な後発組です。
ですが、完全な後発組であったなら、前例から学んで、転売対策を取ることができたはず。業界の後発組には、前例から学ぶということでしか優位性を保つことはできないのですから、その優位性を自ら捨ててしまい、バカのひとつ覚えみたいに、同じようなキャンペーンを実施して、同じような失敗を犯し、同じように炎上する。完全にデジャヴです。
しいて言えば、思ったよりキャンペーンの改悪が早かったかな。それが余計に炎上させている要因とも言えますが…
いくらユーザーを確保したかったからと言って、同じようなキャンペーンを実施した今回のKDDIの件については、本当に疑問しかありません。
私が敬愛する投資家のウォーレン・バフェット氏の名言にこのようなものがあります。
『我々が歴史から学ぶべきなのは、人々が歴史から学ばないという事実だ』
今回は記事のタイトルにも入れさせていただきましたが、これは私が最も好きな名言の一つでもあります。
今回の騒動で、ユーザー側も、そして企業側も双方ともに、いかに『人々が歴史から学ばない』ものかというのを見せつけてくれたように思います。とても良い茶番でした。
もうこう言った企業側の一見お得なキャンペーンに振り回されて長蛇の列に並んだりするの、やめましょうよ。20%割引キャンペーンに乗じたところで、本当に必要なもの以外の物を買っていれば、もちろんお金持ちになることはできません。
転売ヤーと呼ばれる輩も同様です。再現性のないビジネスに将来性はなく、どうあがいても小銭稼ぎにしかなりません。大行列に並んでまでやることでしょうかね?時間単価や在庫リスクを考えればそれほど良いビジネスには思えませんが…
ああ、そう言えば、今月10日にau PAY20%還元祭りが開催されたので、今日でちょうど12日目ですね。余談ではありますが、新型コロナウィルスの潜伏期間は最大で12.5日と言われています。
今の時期に人が集まる狭い空間に集まるなんて、私にはリスクが高すぎてできません…ユーザーにとっても、KDDIにとっても、au PAY祭りは非常にハイリスク・ローリターンとなったのではないでしょうか?
au PAY祭りの行列に並んでいた人々の中から、新型コロナウィルスの発症者が出ていないことを、私は自宅からただただ祈るばかりです。