日本マクドナルド(2702)は本日より、全国のマクドナルドでモバイルオーダーを導入することを発表しました。
アプリから注文し、支払いも済ませることができるので、指定の店舗に到着したら商品を受取るだけでOK。レジに並ぶ必要がないため、来店客の待ち時間を減らせます。店舗側としてもレジ要員を削減できるため、人手不足の解消にも効果があるとのことです。
私が現在住んでいる街は駅の敷地内にマクドナルドがあり、帰り道にいつも目の前を通ります。いつ行ってもかなりの人数が並んでいるのですが、たまに決算で疲れて帰るときは、マクドナルドに寄ってテイクアウトで夕飯を済ませたり、お休みの日に朝マックが食べたくなって買いに行く時もあります。そんなに高頻度では利用してないですけどね。
ついこの間も、『大人のクリームパイ』を初めて食べてみました。ベルギーショコラというやつですね。個人的には三角チョコパイの方が好きだなぁという印象でした。あくまで個人の感想ですが。
まあそのように、日常でたまに利用することがあるマクドナルドですから、こういうモバイルオーダーができるようになったのはとても嬉しいです。
電車で帰ってる途中で2駅前くらいにオーダーを入れておけばちょうどできた頃に商品を取りに行けますからね。レジに並んで、注文して、待つという、わずか数分〜長くても10分くらいのことなのですが、その待ち時間を緩和するために、アプリの開発をするというのはさすがマクドナルドですね。もはやマクドナルド は、不動産業であり、ハイテク企業であると言われているだけあります。
その一人当たり約10分の時間を緩和できれば、確かに行列は大幅に改善されるんだろうなと思います。都内のマクドナルドなんて、お昼頃はどのお店も大体、店舗からはみ出る程度の行列はできてますからね。それが緩和できれば今以上にたくさんのお客さんを捌くことができるだろうと思います。
このモバイルオーダーは米国をはじめ、多くの国ではすでに導入されており、確かな効果を発揮しているようです。
また、このようなモバイルオーダーは、マクドナルド(MCD)のみならず、スターバックス(SBUX)でも『Mobile Order & Pay』という名前で展開しており、都内では昨年6月から一部店舗で利用でき、今年中には全国のスタバでMobile Order & Payが利用できるようになるということです。
こちらのアプリを開発するのにどの程度の投資をしたのかは不明ですが、わずか数分の待ち時間を解消するためにマクドナルドやスターバックスという、事業優位性のある大手飲食店が新たにアプリを開発して、ちょっとしたお客さんの不満を解消しようとする姿勢にはとても感服いたします。
この開発によって顧客の回転率が上がれば確かに利益につながりますが、それでも投資元金を回収するのには多少の時間は有するだろうと考えられます。それでも顧客満足度と回転率を同時に上げるために多額の投資をするというのは、大手なのにさすが!とも言えますし、さすが大手!とも言える、企業としても顧客としても”ウィン・ウィン”の素晴らしい案だと思います。
都内を中心に店舗を構える、人気寿司屋チェーンの『すしざんまい』社長の木村氏も、「利益を先に求める人は失敗する」と語っています。
結局、経営がうまく行っている間は、経営者が何を言っても正解に聞こえるし、経営が傾けば何を言っても批判の対象となるのですが、木村氏の言い分は正しく、そもそも『利益を得るのは後回し』というつもりでないと、投資なんてできないですよね。
個人投資家として考えても分かるのですが、例えば100万円で配当利回り3%の株を買ったとして、値動きがなければ1年間で得られる利益はわずかに3万円です。「100万円を投資してるのに1年で3万円しかもらえないから投資なんてしたくない!」などと言っていたら、株式投資はできませんし、大きな資産を築き上げることも不可能です。
利益を優先させるよりもまずは、顧客の満足度を高める。その結果として利益が上がっていくというのが本来あるべきBtoCの商売だと思います。日本の外食産業では、そのような当たり前のことが理解できていない企業もあるのですから、そりゃ淘汰されてもおかしくないわなという感じです。
外資のマクドナルドやスターバックスのように『ブランド力』のある日本の大手企業が出てこないのは、それらの企業が顧客が本当に求めているものを提供できていないからではないでしょうか。

マクドナルドやスターバックスほどの大規模な資金投入は難しいとお考えかもしれませんが、本当のユーザビリティを高めるためには日本企業も、国内だけでなく世界中でどういうモノが求められているのかということを徹底的に調べ、まずはニーズを掴むこと。これが最も大切だと言えるのではないでしょうか。
このままでは日本国内から日本の企業がどんどん淘汰され、外資系のお店ばかりになってしまう危険も大いにあるだろうと私は感じています。