今月22日、うその投資話で現金をだまし取ったとして、男ら３人が逮捕された事件が話題となりました。
詐欺の疑いで逮捕された、南瀬鉄也容疑者（４１）ら３人は、「毎月１０万円の配当が１年間あり、元金も戻ってくる」とうその投資話を持ちかけ、「３０００人から４０億円を集めた」と供述しています。
警察の調べによると、同様の手口は10年前から続けられており、被害の全容を調べるため引き続き調査しているとのことです。
50万円の投資で毎月10万円の配当と言うことは、元本に対して月20%の配当ということです。普通にちょっと考えればおかしいと気づくことができますし、こんなことで騙される時点で騙される方にもある程度問題があると言えるでしょう。
簡単にまとめると、
50万円の投資で、
・毎月10万円の配当(1年間で120万円の配当収入)
・元本の50万円は手元に戻ってくる
という、うますぎる話です。ハッキリ言って騙される方にも問題があると言えるでしょう。しかしこの手法で10年間騙し続けることができたのだから、日本人のマネーリテラシーの低さには辟易します。
投資の神様であるウォーレン・バフェット氏でも年間リターンは20%です。『年間で』20％ほどなのです。年リターンが20％というパフォーマンスですら『投資の神様』と呼ばれるのですから、毎月20%のリターンを生み出すような高パフォーマンスで『ローリスク・ハイリターン』な案件があるはずがありません。
南瀬容疑者らは、配当を支払うつもりだったと供述しているようだが、とてもじゃないがそのような高配当を支払い続けることなど不可能です。1年間でノーリスクで240％のリターンを得る投資方法などこの世には存在しておらず、もしあれば誰もが大金持ちの資産家となっているでしょう。
そして老人だけでなく、現役の大学生にも一定数、こうした『投資詐欺』に引っ掛かるというのが今の世の中です。
老人ならともかく現役学生が引っかかるという時点で、いかに日本の学校教育が人生を左右する『お金のこと』について何の学びもないかということがお分かりいただけるでしょう。
もちろん、義務教育を終わらせなければ、四則計算すらできずそれは問題だと思いますが、今の学校教育では、未だに『優秀な労働者』を作り出すための教育に偏っているのです。
よく、小中学生がYoutubeやブログ、SNSなどを通じてインフルエンサーとして活動し、一般的なサラリーマンよりはるかに稼いでいるニュースを見て、『将来が心配』とか、『ろくな大人にならない』とかいう否定意見が見受けられますが、正直見苦しいですよね。
まともな大人になるかどうかは、親のしつけ次第だと思いますが、それとお金儲けを小中学生が取り組むことは別の話です。彼らの親世代もまともな金融教育を受けていないので心配な点もありますが、Youtuberなどで活躍して大人よりも稼げるということは、社会にそれだけの価値を与えているという証拠です。
いつまでもそのブームが続くかは分かりませんが、彼らが『普通』に育って、『普通』にサラリーマンをするよりは彼らの動画を楽しんで観ている視聴者を楽しませているのでとても有意義なことだと思います。
ハッキリ言って、そこら辺の大人よりも、今の小学生の方がお金の大切さを理解しています。
彼らが子供の時にブログやYoutube、SNSといったプラットフォームが揃っていたのは幸運なことだと思いますが、それは我々大人も活用できるのです。
忙しいから、時間がないから、やっても大した成果はでないから。様々な言い訳で理論武装して行動に起こさない大人たちは、未だに『○○大卒』とか学歴でしかモノを語れない哀れな化石と化しています。
どれだけ一流の大学を卒業していようが、大抵の社会人は、お金に関する知識や教育ではまだまだ無知で乏しいと言わざるを得ません。高学歴でも生活するのに苦労する程度の収入しか稼げないサラリーマンはたくさんいます。
だからこそ、Youtubeで発信するだけの才能と行動力がない、学歴だけのサラリーマンたちは率先してお金に関する知識を蓄え、投資をして資産を形成していくしかないのです。
お金持ちになるには、お金について学ぶしかなく、例えまぐれあたりで大金を手にしたとしても、お金に関する知識が無ければすぐにそのお金はあなたの手元から消え失せてしまうでしょう。
現役時代に仕事しかしてこなかった、お金に関する知識のない現在の老人世代がこうして簡単に投資詐欺に騙されるということを反面教師として、現在の中年より下の世代には、正しい金融知識を付け、いくつになっても行動することを忘れないで欲しいと私は思います。
