今年も早いものでもうすぐ1ヶ月が過ぎ去ろうとしています。1月度は本業のサラリーマンとしての業務が1年で最も忙しい時期の一つにあたり、私が勤める企業は多くの日本企業と同様、3月決算となっているため、1月中は第三四半期(4月〜12月度)の決算資料の作成に追われる時期でもあります。
それに加えて、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」という、個人事業主から昨年度(前年1月〜12月)に源泉徴収した報酬の申告期限と、「償却資産税」の申告期限がともに1月末となっていて、そのどちらとも深く業務的に関わっている私は決算をしながらそれらの申告業務を同時進行しなければなりません。さらには、12月まで担当していたマネージャー業務の後任の方への引継ぎもあり、昨年以上に忙しい毎日を過ごしています。
そんな中でも何とかこうして毎日3記事ずつ、ブログを更新することができており、健康は何物にも変えられない財産だなぁと感じている毎日です。自分で言うのもなんですが、今月は本当によく頑張ってるよ。私。(笑)
さて、そんな激動の1月を過ぎればすぐに2月が訪れます。今度は個人の確定申告の時期がやってきます。私以外の社員にとっては、確定申告なんて『知らなくてもどうにかなる世界』の話です。日本のサラリーマンは『年末調整』と言う制度のおかげで確定申告を自ら行う必要がなく、自分の支払っている税金について振り返る機会を確定申告という一見便利な制度によって奪われているのです。
最近では、ふるさと納税も『ワンストップ特例制度』という制度を活用することで確定申告を控除することができます。よっぽど確定申告をされたら困ることがあるんでしょうね。個人の”確定申告するのがめんどくさい“という需要とマッチングしてまんまと確定申告不要の精度が広がってきています。
ですが、私は確定申告をしなければなりません。その理由は2つ。
・外国株にかかる所得税額の二重課税分のうち、一部を『外国税額控除』により取り戻すため。
・副業からの『雑所得』が年間20万円を超えてしまったため。
一つ目の外国税額控除は、日本に住む米国株投資家にとっては必須の項目と言えるでしょう。外国株からの売却損益や配当金の収入があれば、自ら集計して確定申告した方がお得でしょう。
ですが注意していただきたいのは、NISA枠で非課税となっている分については米国所得税等が10%徴収されていますが、外国税額控除の対象とはならないということです。
外国税額控除の名目は『二重課税の解消』なんです。日本国内で『非課税』となっているNISA枠の銘柄については、配当金や売却損益には『二重』には課税されておらず、米国内での課税のみですので、取り戻すことはできないということですね。この点は気をつける必要があるかと思います。
私の場合は、NISA制度が始まる前から保有している米国株及び、NISA口座での保有が5年を超え、ロールオーバーしなかったために特定口座に払い出された持分にかかる配当金が二重課税されているので外国税額控除が必要となっています。
二つ目の副業からの『雑所得』収入についてですが、ありがたいことに雑所得として20万円を超える収入を得ることができましたので、確定申告する必要が出てまいりました。
ここでも注意すべき点は、あくまで『所得』が20万円を超えた場合に申告が必要だということです。
所得=収入ー必要経費
ですので、例えばブログ収入が年間で30万円あったとしても、必要経費が11万円であれば、所得額は30万円ー11万円=19万円となり、申告不要となります。
ブログの必要経費とは、主にレンタルサーバー代やドメイン取得代、noteや情報収集のための新聞などのコンテンツ商材費、あとは自宅で作業している場合は、作業場の面積や自宅での作業時間などの合理的かつ説明可能な基準で按分した割合で、家賃の一部を経費として計上することが可能です。一応、年末年始に帰省した際、親戚の税理士に確認しましたが、雑所得の経費をどこまで認めるかは所轄の税務署次第というところもあるので確認したほうが良いという話でした。
私の場合もこれらを差し引いた結果、申告の対象となったため確定申告することとなりました。
あと、もしFXや仮想通貨で売却益が出た場合もこの雑所得にあたるので、合算して計算することにしましょう。
皆さん年末調整は昨年のうちに会社に提出したかと思いますので、受け取った年末調整後の源泉徴収票をもとにそれ以降の申告書の作り方を順を追って記載していきたいなと思います。ちなみに私は国税庁が推進している『e-tax』にて申告書を作成しています。
ちなみに今年はまだID・パスワード方式という、マイナンバーカードとカードリーダーがなくてもe-taxで申告できる制度を活用しました。このID・パスワード方式を利用するには、事前に税務署にIDとパスワードの発行手続きに出向く必要があります。
申告先の税務署である必要はありませんので、私の場合も会社の近くの税務署に昼休みの間に出向いて作った記憶があります。空いている時期であれば、本人確認書類があれば30分ほどで発行可能です。お早めに取得することをオススメします!
ですが、今年の2月からAndroid端末だけでなくiPhone端末もマイナンバーカードを読み取るカードリーダーとして対応する予定となっていますので、ID・パスワード方式が数年以内に使えなくなる可能性も大いにあるということも頭に入れておいてください。(そもそも、ID・パスワード方式はマイナンバーカードが普及するまでの暫定的な代替案と国税庁が公言しています。)
では、以上を踏まえて今回はID・パスワード方式による確定申告の手順を簡単に説明したいと思います。すでに長文になっているので、2回くらいに分けたいと思います。見づらいですがお付き合いください。
e-taxへログイン
まずはログイン方法から。お使いのブラウザから『e-tax』へアクセスし、『確定申告書を作成する』をクリック。

『国税庁確定申告書等作成コーナー』にて、新規作成の場合は『作成開始』を選んでください。

今回は真ん中のe-taxで提出ID・パスワード方式を選択します。

利用規約に同意して次へをクリックすれば、IDとパスワードを入力する画面が出てきますので税務署で受け取ったID・パスワードを入力してログインしてください。


ログイン後は、今年度の所得税をクリックして

全ての所得対応(真ん中の赤いメニュー)から作成開始を進めましょう。

給与所得の入力
まずは給与所得から入力していきます。給与所得の『入力する』をクリックしましょう。

サラリーマンの方であれば大半は『年末調整済み』だと思うので、上のメニューの『入力する』をクリック。

会社からもらった源泉徴収票をもとに、数字を入れていきましょう。どこの数字を入れるかもちゃんと指示してくれます。(例として数字は適当に入れています。)スマホだと見づらいかもしれませんがご了承くださいませ。



支払者まで入力が完了しましたら、一番下に表示される入力内容の確認をクリックすれば、入力内容が反映されますので、一番下までスクロールして『次へ進む』をクリックしましょう。

配当所得の入力
次に配当所得の入力をしていきます。その前に配当所得については、源泉徴収ありの特定口座を利用しているため、申告しない方も多いでしょうが、証券会社が行っている源泉徴収は『申告分離課税』という課税制度で計算されており、20.315%(所得税15.315%、住民税5%)の税率で計算されています。
ですが一般的な収入のサラリーマンであれば、『総合課税』を選択したほうがお得になるケースが多いですので、例え申告不要のサラリーマンであっても、確定申告をしたほうが良いと考えられます。
総合課税を選択することによって、給与所得や雑所得などと一括で課税所得が計算され、累進課税によって税率が決まります。所得税はこの税率で換算されます。

年収が600万円ほどのサラリーマンの方なら、総合課税での申告の方が有利と言えるでしょう。
そしてさらに知識として知っておいて欲しいのですが、実は、配当金にかかる所得税及び住民税はすでに徴収されているので、配当所得は所得税では総合課税で、住民税では申告不要とすることができるのです。
マネーリテラシーの高い読者様なら常識と思われるかもしれませんが、平成29年度から対応した制度ですので、一般にはあまり知られていないのではないでしょうか?
ただ、残念ながら、e-taxでは所得税を総合課税、住民税を申告不要とすることはできません。確定申告してんのに申告不要ってのも確かにおかしいよね。
じゃあどうするのか?というと、住民税に関しては、自治体の役所などに出向いて申告不要の手続きを行う必要があります。HPなどで住民税の申告手続きのPDFがある自治体もありますので、それをコピーして、確定申告書のコピー、源泉徴収票があれば手続きはできたはずです。詳しくは各自治体のHPをご覧ください。
これによって、住民税が安くなるだけでなく、住民税の所得で計算する国民健康保険料などがお安くなりますので、昨今人気のセミリタイアやFIREをお考えの方で、多額の配当金を受け取っている方であれば、手続きをすべきと言えるのではないでしょうか。
これで住民税を5%に抑えることによって、総合課税のデメリットを抑えることが可能です。
なお、この住民税で所得税と違う課税方式を選択する場合には、納税通知書が送達される6月上旬までに、市町村に住民税の確定申告書を提出する必要があります。お気をつけください。
この制度は、誰でも一括にお得になるかと言われると、数字の上ではそうですが、実際には扶養に入っているか、補助金・給付金、健康保険料なども考えるとケースバイケースかもしれません。
あと、課税対象となる配当金額が小さいうちは、役所に行くまでの交通費の方が高くなるわ!というような方もいらっしゃるかもしれませんね。
あなたの現状を見極めて、申告分離課税にするか、総合課税にするか。総合課税なら住民税は申告不要にするか(それほどの労力をかける価値のある節税金額になるか)ということをよく考えて税制をご活用いただければなと思います。
珍しく長々と記事を書きましたが、いまだに肝心の外国税額控除とブログの雑所得の話にたどり着けていません。今回の記事は前後編モノということで、続きはまた改めて、明日の朝にでもアップしたいと思います。
後半に続く!