“冒険投資家”と呼ばれる世界三大投資家の一人ジム・ロジャーズ氏は、米国では”投資家”ではなく、”経済コメンテーター”として紹介されているようです。
最近はテレビや雑誌のインタビューを受けている印象しかない方ですが、予想をよく外すことでも有名でここ数年間は『逆神』としての実績を着々と積んでいる方です。
ふと思い出したのですが、昔『70%当たる占い師』と『100%当たらない占い師』なら後者の方が価値があると言う話を聞いたことを思い出しました。前者の期待値は最大でも70%ですが、後者の場合はその占いとは正反対の行動を起こせば期待値が100%になるためです。最近のジム・ロジャーズ氏にもそう言う意味では良い指標として機能しているのではないでしょうか。
そんなジム・ロジャーズ氏が今月の初めに『日本株を買うことを検討』し始めました。

そしてその後の日経平均の値動きはと言うと・・・

『お!すごいじゃん!珍しく当たったね!すごいすごい!』
と、今のところはこんな感じでしょうか。2020年のジム・ロジャーズ氏には期待できるのかもしれませんね(笑)
さて、そんな”期待の”ジム・ロジャーズ氏が日本人に向けてありがたいお言葉をかけてくださっております。

ジム・ロジャーズ氏によれば、日本人は『早急に資金を海外に移せ』とのことです。やっぱり今年の彼は一味違うようですね。発言自体は昨年以前のものですけどね。
日本人にとって、日本国外に投資をすることはきわめて重要だ。日本国内にほとんどの資金を保有している日本人は、早急に資金を海外に移すことを考えたほうがいいだろう
これについては私も賛成で、日本人だからと言って何も日本円で日本株で投資をしなければならないと言う訳ではありません。
もちろん、日本で暮らしているので日本円は最低限必要ですが、米国株投資家ですのでキャッシュポジションも米ドルとして保有している額の方が多いです。日本という国も外貨準備高でいうと、中国に次いで世界第2位(2018年)ですし、米国債保有率も世界一(2019年8月)となっている。
実は日本人は、間接的にでも大量の外貨と米国債を保有していることになります。投資は怖いと言ってもなんだかんだで日本人は外貨で資産運用していることになります。しかし我々は個人ベースで少しずつでも外貨による資産運用をしていくべきだと思います。
そもそも日本人が外貨による運用に抵抗があるのは、『為替による影響』が怖いと言う意見をよく聞きます。ですが、日本円や日本株も当然世界と繋がっているのですから為替の影響が皆無という訳ではないのです。円高や円安が原因で損益が大きくブレるような産業も多く存在していますしね。
米国株に投資した方が成長幅が大きいのですから、米国株と米ドルも保有しておいた方が資産の伸びるスピードが大きくなると言えるでしょう。もちろん、だからと言ってFXをしろとは言いません。FXはただのギャンブルですからね。投資とは言えません。お気をつけください。
まあ、私みたいにリスク資産の100%を米国株、資産総額の98%超を米ドル資産(米国株+米ドル)で保有することをおススメする訳ではありませんけどね。
皆さんそれぞれにリスク許容度というものがあり、それに従って行動すべきなのですが、日本人のほとんどはノーリスク(だと勘違いしている)資産である『預金』に全額ベットしたがるものです。ですが、日本円を保有しているだけでは、ジリ貧になっていくことはジム・ロジャーズ氏よりも我々日本人のほうが身をもって理解しているはずです。
資産の100%を日本円で保有するということは、『これからも日本が成長せず、デフレが今後何十年も続くこと』に全額投資していることになります。それは事実となる可能性も大いにあるのですが、その一方で海外に目を向ければ、まだまだ成長している国や企業がたくさんあって、その恩恵を我々日本人も受けていることは言うまでもありません。
今の日本人は、ランチタイムにマクドナルド(MCD)とコカ・コーラ(KO)で食事をとりながら、アップル(AAPL)製の『iPhone』や中国企業のファーウェイ製のスマホで当ブログを読み、オフィスに帰ればデル(DELL)や、ヒューレットパッカード(HPQ)のPCとモニタを使って、マイクロソフト(MSFT)のExcelやWord、PowerPointで資料を作成し、『Teams』やスラック(WORK)で社内連絡を取り合い、プライベートでは韓国・ネイバー傘下の『LINE』で友人と連絡し合います。
他にもよく使われているコミュニケーションツールはフェイスブック(FB)傘下の『Instagram』や中国、 ByteDance社の『TikTok』、私も活用している『twitter(TWTR)』などですかね。
アルファベット(GOOGL)傘下の『Youtube』は、もはやテレビを淘汰したと言えるのではないでしょうか。さらには、Amazon(AMZN)での買い物で、決済はアカウント登録しているビザ(V)やマスターカード(MA)ブランドのクレジットカードなので、現金が手元に無くても、荷物が宅配ボックスに届く時代です。
我々はちょっと気を抜けば、日本企業のお世話にならずに一日を終えることができてしまいます。もちろん細かいことを言えば、スマホやPCの小さな部品に、名もなき日本の中小企業の技術が使われているのかもしれませんが、メインではないことは明らかだと言えるでしょう。
こんな時代に日本円のみに100%ベットするということが、いかにハイリスク・ローリターンかがお分かりいただけるでしょう。仮にあなたの『賭け』が成功したとして、日本が成長せず衰退していったという未来が待っているだけなのですから。
占いであれば100%間違っていても活用法はありますが、あなたの資産運用が100%間違っていた場合は救いようがありません。本来あるべき正しい資産運用は長期的に時間をかけて行うものなのです。
いくらあなたが時間をかけて貯めたごくわずかな日本円を積んだところで、あなたが失った時間を取り戻すことはできないのですから。