S&P500に連動する投資信託としては、一番ポピュラーな存在となっている『eMAXIS Slim米国株式(S&P500)』の純資産額がついに500億円という大台を突破いたしました!

『eMAXIS Slim米国株式(S&P500)』といえば、2018年の7月に設定以来、S&P500に連動する投資信託として人気の商品となっております。
昨年9月末に強力なライバルである『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』が設定されるまでは、S&P500に連動する投資信託の中では最も信託報酬が最安の部類に入る投資信託でした。ですが、ライバルとしての自覚があるのか、『eMAXIS Slim米国株式(S&P500)』は即座に信託報酬を引き下げる方針を見せてきました。これは大変好感が持てますね。

また、『eMAXIS Slim米国株式(S&P500)』はすでに決算を迎えておりますので、”隠れコスト”についての情報も出ております。この”隠れコスト”を含めた実質コストは『eMAXIS Slim米国株式(S&P500)』で0.18%。0.083%も隠れてるの!?と驚きもありますが、まあ、実質コストを含めても妥当な範囲と言えるでしょう。
そして、この結果から察するに、ライバルである『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』の実質コストはおよそ0.175%程度になるのではないかと予測されます。
この隠れコストが投資信託の信用できないところなんですよね。初めから実質コストで表示してくれたらいいのにという気持ちがない訳ではありません。ETFだと経費率からの乖離はない訳ですからね。
でもまあ、つみたてNISAを活用して1円単位でS&P500という、世界を代表する優良企業たちが集まる指数に、無駄なく投資できるこれらの商品は総じて優秀と言えるのではないでしょうか。
さらに今回注目なのが、『eMAXIS Slim米国株式(S&P500)』が採用している受益者還元型信託報酬についてです。
「受益者還元型信託報酬?なんじゃそれ?」という方にも分かりやすく説明すると、純資産額が大きくなってきたら、信託報酬率を下げますよ!という投資家に優しい信託報酬制度のことです。
そしてそのボーダーの一つが、今回達成した総資産額500億円というものなのです。

今までは『eMAXIS Slim米国株式(S&P500)』の信託報酬率は0.0968%(税込)となっていましたが、500億円以上1,000億円未満の部分に関しては、0.09625%、1,000億円以上の部分に関しては0.0957%(いずれも税込)という信託報酬率が適用されるのです。
もちろん時価の変動や解約によって今後、総資産額500億円を下回ることもあるでしょうが、少しだけ信託報酬の計算がややこしくなるということだけ頭に入れておく必要はあるでしょう。
例え1,000億円を超えたとしても『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』の信託報酬である0.0938%(税込)には劣ることになるのですが、報酬の値下げ合戦のたびに他のファンドに乗り換えることはできませんからね。『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』は、SBI証券でしか取り扱っていないというデメリットもあるので、他の証券会社を利用している方でS&P500に連動する投資信託につみたてNISAで投資したいのであれば『eMAXIS Slim米国株式(S&P500)』は最優先で候補に上がる商品でしょう。
どちらにせよ、インデックス投資にかかるコストはすでに極限とも言えるレベルまで引き下げられています。非常に投資しやすい環境は整っているのですから、投資を始めないのは完全に自己責任という世の中へシフトチェンジしているのは、理解しておく必要があるでしょう。