最近のお金持ちと呼ばれる人々の姿勢は、昔のお金持ちと比較して変化している点があるという。それが、『お金を持っている』ことを自己アピールすることだと言います。

Youtuberの前澤友作氏が今年のお正月も『お年玉企画』を開催したことも話題となりましたが、彼のYoutuberとしてのデビュー作も物議を醸したのは記憶に新しいかと思います。

記事の中ではこのように取り上げられています。
「この数年で急激にお金持ちの“質”が変わってきているように感じます。かつての富豪たちは“自分はお金持ち”とは言わず、慎ましくしていました。最高税率80%という所得税を払い、“自分はたくさん持っているから貧乏な人も含めて社会全体で富を分配すればいい”と考える人が多かった」
2005年まで政府が発表していた「高額納税者」ランキングには、聞いたことのない名前の経営者や資産家が並んでいた。「お金をひけらかすのははしたないこと」という美徳が残っていた時代なのだろう。
ですが私が思うに、富豪の姿勢が変わったのではなく、単に時代の変化がもたらした姿勢の変化なのではないかと考えています。
シンプルに言えば、2005年までは富豪がお金持ちアピールをするプラットフォームが無かっただけなのではないかと思います。メディアの中では当時はまだテレビが強い時代で、今は世界最大の動画投稿プラットフォームへと育った『Youtube』に初めて動画が投稿されたのは、2005年4月23日だと言われています。当時はまだ動画投稿の上限は10分までとなっており、MVなどの投稿がメインだったそうです。
一時期爆発的に成長した『ニコニコ動画』も設立は2006年です。お金持ちとは言えども、自分からアピールするプラットフォームが生まれたのは意外とここ最近の話なのです。
むしろお金持ちのお金持ちアピールが最も下品だったのは、80年代後半のバブル全盛期だと言われています。タクシーを止めるために万札をひらひらさせていたというのはよく聞くエピソードです。『成金』と呼ばれる一代でお金持ちになる人はどちらかと言えば自己アピールが強い人が多いですよね。
そういう人が増えたというのは、むしろ日本に資本主義が浸透してきたということです。元財閥の名家出身でなくても、誰でも努力と行動次第でお金持ちになれる時代が今なのです。こうして叩かれるのは仕方ありませんが、叩かれるほど目立って『自己アピール力』が強い人ほどお金持ちになっていく時代になっていくのかもしれません。
そもそも、普通に生きていては大した資産を築くことなど到底不可能で、人と違う目立ったことをしてこそお金持ちになるチャンスが訪れるというものです。株式投資でも30年以上に渡ってコツコツ積立投資をすれば誰でもそれなりの資産を築くことは出来るのですが、30年以上に渡ってコツコツ積立投資をすることができる人は、おおよそ普通の人とは呼びません。

逆に言えば、今は『普通の人』でもお金持ちになるチャンスがあると言えるでしょう。前述のYoutubeにしても、日本トップのYoutuberであるHIKAKIN氏が、地元のスーパーマーケットで働く一方でヒューマンビートボックスの動画を投稿し続けていなければ、年収10億円超とも言われる有名Youtuberにはなっていなかったでしょう。
今のYoutubeなんて自己アピールの場でしかないのですから、自己アピール力と行動力がある人がどんどんお金持ちになっていく仕組みとなるのです。
昔のサラリーマンだって、仕事が出来る奴よりも、アピール力があるやつの方が早く出世して高給取りとなったそうですし、アピールの場が社内という内向的なモノか、世間という外向的なものかが違うだけなのだと思います。
お金持ちになるには、時代の変化を捉え、適切な行動を取ることが必要不可欠です。ただただ毎日サラリーマンとして生き続けているだけではお金持ちになれないのは、我々サラリーマンが一番良く理解しているはずです。
私も転職を繰り返して優良企業に入社したことで、社会人経験数年で、サラリーマンとしての収入を新卒時の倍くらいまで増やすことができたのです。
毎日グチグチと愚痴を言いながら、ブラック企業に勤めていても、事態は何も好転しません。頑張れば努力は報われますが、誤った努力は意味を成しません。ブラック企業でどれだけ頑張って仕事をしても、評価する対象がブラックな上司なんですから、当然報われないですよね。だとしたらすぐにでも行動を起こしてより良い環境を求めて転職するのが妥当でしょう。
え?それで給料が下がったらどうするのかって?それは知りませんよ。
あなたはそれだけ激務の中で仕事をしていて、何のスキルも得られなかったのですか?次の会社でアピールできるポイントは何一つ無いのですか?
面接でのアピールの仕方も言い方ひとつでポジティブにもネガティブにも捉えられます。その結果によって内定や年収が決まるのであれば、普通のサラリーマンでも結局はアピール力と行動力が必要だと言えるのです。
今どきの富豪たちがアピール力が凄いという訳ではなく、お金持ちになるような人たちに備わっている自己アピール力と行動力が、SNSなどを通じて庶民の間にも浸透してきたのが今の世の中なのではないかと私は考えています。
成金の大富豪を叩くのではなく、誰にでもチャンスがある時代が訪れたのだと、変化を歓迎し楽しむくらいの世の中でないと、『古き良き日本』を回顧しているだけでは、日本はこれからもどんどん、古臭くて内向的なまま廃れていくことだろうと思いました。