上方漫才界の重鎮、オール阪神・巨人のツッコミ担当、オール巨人さんが今月16日、宝くじで『高額当選』を果たしたことがネット上で話題になりました。
その額はなんと、10万円!たしかに芸能人であればネットニュースになってもおかしくないレベルの珍事となりました。

わざわざ買い方まで取材されるなんて、お笑い芸人というのも本当に大変な職業ですね。難波のビックカメラ横の宝くじ売り場は連番で100枚購入したところ当たったということですから、次からはあの宝くじ売り場にも行列ができるのでしょうか。
巨人師匠といえば、私が幼い頃から漫才をされているのをテレビや劇場で見ており、とても親しみのある大御所芸人さんなのですが、大阪を中心に活動されている芸人さんなので全国区ではMー1の審査員とかでしか観れないのが残念です。
最近は、若手の人気芸人・EXITさんに、“ぜんぶジャイアンツ”とあだ名を付けられるなど、いじられキャラ扱いされていますが、めちゃくちゃ厳しい芸人さんとしても有名でした。同じく大阪の大御所芸人ハイヒール・リンゴさんも“アップルちゃんねー”とかあだ名を付けられてましたね。大御所芸人さんが全国区でキャラ変してバラエティなどに出ているのを見るとまた新鮮な気持ちになります。
話が大きく逸れましたが、宝くじを100枚買ったところで10万円当選するのがネットニュースになるほどの珍事であると言うことがよくわかります。
宝くじは完全に運に任せたギャンブルですので、いかに大御所芸人といえども、忖度なく当たらないことの方が多いのが現実です。今回は3万円分の宝くじを購入して10万円が当選したので、これだけを切り取れば大きなプラスとなったのは間違いないですが、例え30万円分買っても高額当選を果たすとは限らないのが現実です。
特に宝くじは購入代金の50%ほどしか戻ってこないことで有名で、競馬やパチンコより悪質なギャンブルなのに最も庶民にまで親しまれていると言う危険な代物です。
私も小学生くらいの頃に、宝くじのようなものを発行して儲けるビジネスを展開しようかと考えたことがあるのですが、日本には『富くじ罪』と言う民間が宝くじを発行してはいけないと言う法律があることを知り、断念したことを覚えています。さすが国は抜かりないですね。宝くじがこれだけ還元率を抑えることができるのも、国が運営している独占市場だからです。宝くじを買っている人は購入金額のおよそ半分を自主的に納税していると考えて間違いないでしょう。
そして今回のニュースを見て、難波のビックカメラ横の宝くじ売り場に行列を成す人間がマネーリテラシーの低い人であると言うことは言うまでもないでしょう。
ニュースになると言うことは、それだけ『珍しいこと』だと言うことです。テレビやネットで毎日のように殺人などのニュースを目にしますが、それでも幸いなことに私の身の回りでは『知人を殺された』と言う方はいません。
未成年による犯罪などが取り上げられることも多いですが、明治時代と比較すれば、未成年による犯罪件数は確実に減少していると言われています。今から半世紀ほど前でも学生運動などが盛んだったことを考えると、今の世の中の方が平和であることは間違いありません。
10万円ほどの”高額当選”がニュースになるほどの『珍しいこと』だと理解していれば、高額当選が夢のまた夢だと言うことが分かるはずです。
よく、高額当選が頻繁に出る売り場と言うのも紹介されていますが、これもちょっと考えれば当たり前ですよね?高額当選が頻繁に出る売り場では、それに比例して販売枚数が多いんです。一度でも高額当選が出ればウワサになって、高額当選狙いの”納税者”たちが列をなして宝くじを大量購入していきます。
宝くじが何の忖度もない確率論であることから、仮に1ロット販売した宝くじ売り場と100ロット販売した宝くじ売り場では、後者の方が高額当選が出る可能性が高いのは明らかなのです。だから銀座や難波と言った繁華街で販売している宝くじ売り場の方が高額当選が頻出しているのです。
そんな当たり前のことを理解していないのか、地方から出てきて”当たると評判”の宝くじ売り場で宝くじを買っていく人を見るとなんとも愚かな行為だなと感じます。わざわざ地方から出てきても、往復の運賃も稼げない人がほとんどだと思います。
さて、巨人師匠は年末ジャンボ宝くじを100枚買って10万円を手にしたようですが、去年の年末から年始にかけては、我々、米国株投資家もそれなりのリターンを得ることができました。
この1ヶ月、新たな世界大戦が起きるかもしれないと言うリスクもありましたが、順調に株価は成長し、1ヶ月でNYダウは4%もの上昇を見せている。

もちろん、NYダウに選出される個別株たちもほとんどは順調に成長しています。例えば、米国株界の”アップルちゃんねー“こと、ハイテク大手のアップル(AAPL)は米国株の中では時価総額1位にも関わらず、この1ヶ月で14%も株価が上昇している。

仮に年末ジャンボではなく、1ヶ月前にアップル株を100枚買っていたなら、現時点で含み益は3,900ドル、およそ42万円の利益を得ることができました。もちろん、マイナスになるリスクもある結果論ですけどね。それでも確実に半分は持っていかれる宝くじを買うよりは、はるかに現実的です。
夢を買っていると言いますが、いつまで夢を買い続けているんですか?同じ夢を買うなら、こちらもNYダウに選出されている夢のある株、ウォルト・ディズニー(DIS)に投資した方がよほど夢を追えるかと思います。
残念ながらこの1ヶ月のリターンはマイナスとなっていますが、それでもあなたの買った3,000円の宝くじが300円に暴落したことを考慮すると、それほど大きなマイナスとは言えません。

もしあなたが、宝くじを30年間買ってきたのだとすれば、ここで残酷なお知らせをしなければなりません。あなたが夢を買っている間に、もっと夢のあるディズニーはどんどんと成長を続け、1989年の初めに調整後で5ドル台半ばだった同社の株価は現在26倍以上に成長しているのです。

この30年間(1989-2019)のディズニーの平均リターンは、12.31%。毎月宝くじを3,000円買う代わりに同社株を買っていれば、わずか3,000円ずつの積立投資にも関わらず、1,000万円を超える資産になっていたことがわかります。

ちなみに同じ期間のアップルの株価の平均成長率は19.55%。毎月3,000円の投資が驚異の6,000万円オーバーとなったのである。

これらを『机上の空論』だと言って馬鹿にしますか?確かに30年前の日本には投資環境が整っておらず、手数料もバカみたいに高くて、今みたいなインデックス投資もない時代でした。リターンはこのシミュレーション通りにはいかないでしょうね。
ですが、30年間、夢を買っているとかバカみたいなこと言い続けるよりは、はるかに現実的な『机上の空論』です。
いつまで夢を買ってるんですか?そろそろ現実、見ましょうよ。