今振り返ってみると、2019年は日本人の個人投資家が多く増えた1年だったと言えるのでは無いでしょうか。つみたてNISAの口座数は昨年7-9月期でおよそ16%も増加し、特に若年層への裾野の広がりは目を見張るものがあります。

スパークス・アセット・マネジメントが実施した調査によれば、20代女性投資家の41.2%が、2019年に投資を始めた「投資デビュー組」だったことが分かっています。

私がtwitter上で交流させていただいている個人投資家さんの中にも若年層の女性投資家さんがたくさんいらっしゃいます。
私よりも年下ですが、しっかりとした投資理論に基づいて投資されているなと感じる方も多いですが、反面初心者に陥りがちな、リスクの高い投資に熱を上げている初心者投資家の方がいるのも事実です。と言うか一般的にはそう言う人の方が多いんじゃないかなと感じます。
今回はそんな『ざんねんな』投資家たちをまとめたコラムがあったので記事にしてみました。

例えば、当ブログでも何度か取り上げた「日経平均ダブルインバースETF」について。

改めて紹介するが、ダブルインバースとは、対象の指数とは逆方向に2倍の振れ幅で動く、”逆張り”のETFなのであるが、よりにもよって、子供の将来に備えるための『ジュニアNISA』でこの商品を買い付けるバカな親が続出していることがネット上で物議を醸しました。
逆張りの商品ですから、指数が下落することで儲かる仕組みになっているのは当然のことなのですが、ダブルインバースとはその商品の特性上、日々減価していってしまう金融商品にあたるのです。
つまり、本来であれば短期的にリスクヘッジなどで利用される金融商品なのですが、投資をよく知らない親によってこの「日経平均ダブルインバースETF」は、SBI証券の昨年10月度の買付ランキングでトップになるほどの人気商品となったのである。
さらに悪いことに、普段の弱々しい日経平均とは違って、米国が元気なことが影響して10月以降の日経平均株価はとても順調です。

日経平均株価は10月以降5%ほど上昇しており、もしまだ保有しているようなら、ダブルインバースなら単純計算で倍の10%の含み損、それに加えて日々の減価を加味すれば、相当悲惨なマイナスとなっていることがわかります。
これほど株価が順調な相場でこれだけの損失を出すのはもはや芸術、ある意味では才能と言えるでしょう。そもそもNISAで短期売買目的のインバースに手を出す時点で勉強不足が伺えます。もしまだお持ちの方がいらっしゃいましたら、すぐに損切りすることをオススメします。まあ、アナタが手放した途端に株価は下落する可能性が高いでしょうけどね。
他にも、高配当を目当てに人気だった日産(7201)へ投資したところ、『やっちゃえ!日産!』のキャッチフレーズ通り、色々なことをやらかしてしまい、通期の配当計画はついには”未定”となり、株価も1年でピーク時からおよそ4割減と言う阿鼻叫喚の地獄絵図である。

高配当戦略が間違っているとは言いませんが、高配当銘柄はそれだけ株価が低迷していることが多いので、成長銘柄以上に綿密な分析が必要となります。せめて、配当性向や財務状況を見ること、その企業がハッキリとした強みがあるのかなど、個別株を買い付ける前にチェックすべきところを怠ったのでは無いだろうかと感じます。
他にも『低位株』と呼ばれる上場廃止になってもおかしく無いようなクソ株や夢の新技術、IPOなどのリスクの高い銘柄に投資をして痛い目を見る初心者が後を絶たないそうだ。
今挙げたような投資先は、ハッキリ言って、高配当株以外はどれも長期投資には向いていないデイトレやスキャルピングといったような短期的な投資方法に向いた金融商品です。多少なりとも投資の知識があれば、長期投資を勧めるNISAでこのような商品を買い付けしようとは思わないはずです。
投資商品にはそれぞれリスクがあることは当然承知の上だが、そのリスク(ここでは損失リスク)が最大化するのは、およそ投資の素人が、よく分からないもの(分かっていると勘違いしているもの)に投資をし、まぐれで株価が上昇して浮かれ気分でいる時であると考えます。
ビギナーズラックで得た含み益に浮かれて深追いをして手放すことをせず、株価が下落してきたらナンピンと言っては持ち株を増やし、結果的に含み損を抱えるまでに下落して、底値の近辺で素人投資家たちは泣く泣く、やっとのことで持ち株を手放すのです。
ダブルインバースもバイオテクノロジーも、投資やその道の専門家でもない限り、その将来性や有用性に気づくことはできません。もしそれらの投資で成功したければ、あなたはその業界に身を投じて経験を積むか、ファンドマネージャーになって、仕事として個別株の銘柄分析を徹底するくらいでないと勝率を上げることは不可能でしょう。(それでも必ず勝てるとは言えない)
あなたがもし、投資一本で生きていくというくらいの覚悟がない限りは、同じETFでもダブルインバースではなく、S&P500に連動する海外ETFのVOOの方がおススメですし、高配当株でも安定したビジネスモデルを持っており、配当を継続する余裕のある優良企業を見つけることが必要でしょう。
上場廃止直前のボロ株や低位株に賭ける必要はなく、誰もが知ってる超大型株へ投資をした方が、長期的に見れば大きなリターンを得ることができるのです。
投資初心者の方が得てして訳の分からない投資をしてしまいがちです。誰かに勧められて買ったリフト(LYFT)株であなたは大きな利益を得ることができましたか?
リフトの強みと、ウーバーテクノロジーズ(UBER)との違いをハッキリと明確に理解して投資した投資初心者はほとんどいないのではないでしょうか。
訳の分からない投資から抜け出すことができた時に初めて、あなたは投資初心者から卒業したと言えるのではないでしょうか。