ブルームバーグの報道によると、中国からの輸入品に米国が現在課している関税は、11月の米大統領選挙が終わるまで維持される可能性が高く、引き下げの有無は中国による第1段階合意の順守状況次第だとのことだ。

NYダウは、一時的に史上初の29,000ドルを突破するも、この報道を受けて一気に下落。最終的には32ドル高という微増で取引を終えた。

過去最高値圏にあるS&P500の予想株価収益率が約18倍になっていることから、最近主流のAI投資家やアルゴリズムの売買システム、また機関投資家たちは、ブルームバーグのこの報道を売り材料と受け止めたのではないかと見られている。
これから大統領選がある年末まで、株価はどのように動くのだろうか。私には分かりませんが、米国優良企業は対中関税の影響も跳ね除けて成長を続けてくれるのではないだろうかと思います。
米国大手企業は今週から決算発表が本格化していきます。まずは手始めに大手金融機関のJPモルガンチェース(JPM)は、トレーディングや引受業務が好調で予想を超える決算を発表し、株価は前日比1.17%の上昇を見せました。

同社は、バフェット氏の最近のお気に入りとされる『バフェット13種』で堂々の7位にランクインしている”金融界の巨人”である。

ここ最近は、米国の利下げ一辺倒な政策の影響もあって株価が低迷している企業の多い金融セクターですが、その中では気を吐き、史上最高値近辺を維持しているのである。

一方で、同じく金融セクターに属しており、バフェット13種の4位にランクインしているウェルズ・ファーゴ(WFC)は冴えない結果となっている。

数年前に大々的な不正が明らかになってからウェルズ・ファーゴの株価は低迷し続けています。同社は訴訟対応などの法務費用が嵩み、同社の経営を圧迫しているようです。
株価が低迷しているとはいえ、最近の米国株全体の上昇に乗って、50ドル台までは回復していたのですが、今回の決算を受けて昨年10月以来、約3ヶ月ぶりの50ドル割れとなりました。
とはいえ、ウェルズ・ファーゴの株価低迷は貿易戦争の影響というよりは、社内の問題と言えるでしょうが、想定内の話なので、仕方ないのではないでしょうか。
とりあえず、本日はワシントンで米中の「第1段階」通商合意が署名される予定となっています。このイベントを通過してから持ち株の買い増しを検討しようと考えていたので、今月の後半には市場がどうあれ、少しだけ追加投資をしたいと思います。
米中貿易戦争の行方がどうなるとしても、私は米国優良企業の成長がこれからも続くと見ていますので、株価は右肩上がりになると思っています。何かの障害が起きない限り、NYダウは3万ドルを超えてくる日も近いと見て良いのではないでしょうか。そして何かが起こったとしても、20年後、30年後からすれば、NYダウの3万ドルはまだまだ通過点と言えるでしょう。