【悲報】騙されて老後資金の800万円が消えた55歳男性。投資経験者だからと言って騙されないとは限らない。

投資の考え方
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日刊SPA!に掲載された記事を読んで、身の引き締まる思いをしました。

老後資金800万円が消えた55歳…投資話に騙された男の試練 | 日刊SPA!
早期退職者募集が1万人を超えるなど、過酷さを増す50代。会社からはお荷物扱いされ、妻からは熟年離婚を切り出され……そんな「50代の試練」に直面する先輩たちから、“憂鬱な50代”にならないための生き方…

今回テーマとして上がっていたのは、老後資金を増やすために55歳にしてマンションを手放してまで作った1,800万円の資金を『騙し取られた』男性の話です。

彼がなけなしのお金を注ぎ込むために選んだ投資先は、彼が30代から経営していたサービス業の20年来の常連客で、全幅の信頼を置いていた方だと言う。

深夜保育などの事業を手がけていたその人は、取引先での羽振りもよく、経営者として優秀な人物だと思い込んでいました。それに出資先が福祉施設で、国からの助成金を受けていたので、安心して大金を投資したんです」

日刊SPA!より

私が引っかかったのは2点。まず初めに、保育関係の事業は、日本国内においては微妙な事業だと感じます。と言うのも、少子化解消のために必要不可欠ではあるものの、少子化が原因で需要が先細りとなる可能性が高いからです。なんと言うジレンマでしょうか。差別化もしづらい業界ですし、生き残りはなかなか難しいのではないでしょうか。

それともう1点、羽振りの良い経営者と言うのも引っかかりますね。羽振りが良いと言うことは、それだけ金遣いが荒いと言うことです。投資先として経営者の金遣いが荒いと言うのはちょっとマイナスポイントですから、この時点でよっぽど信頼していないと投資するのは難しいですね。と言っても、大切な相手先との取引だけでお金を使っていたのかもしれませんし、普段の浪費癖まではなかなか見抜けるものではないですけどね。

とまあ、引っかかるところはありつつも全幅の信頼を寄せていたために彼は常連客に1,800万円もの大金を出資してしまったのです。

しかし彼は、別に投資の初心者という訳ではなく、もともと不動産投資をしていた『投資家』だったのです。つまり、最低限のリテラシーはありつつも、『リスクを承知で』リターンを求めて、未経験の事業投資に手を出したのです。

それで、結果的には1,800万円の出資をするも、約束されていた配当を受け取ることもできず、出資した1,800万円に対しても音沙汰なく、なんとか1,000万円を取り返したものの、800万円の損失を出してしまったようです。

私たち投資家は、もちろん投資やお金に関して勉強しているため、非投資家の人たちよりは少しだけファイナンシャルリテラシーが高いと言えるでしょう。勉強していない人よりは勉強している人の方が知識があるのはどの分野も同じですからね。

ですが、いくら勉強しているからと言って、あなたは個人投資家であって、“投資の神様”ではないんです。少しばかり株式投資の勉強をしたからと言って、急に不動産投資にも詳しくなったり、信用取引で勝ち続けられるということはまずあり得ないのです。

投資家なのであれば、リスクを負ってリターンを取る事を否定はしません。リスクを負わなければ、資産形成などできない時代ですからね。リスクを負う事を否定することは株式投資と資本主義を否定することです。

ですが、リスクの大きさを正確に判断できているかどうかというのは、投資決定をする前に一度客観的に自分を見つめ直してみることが必要です。

20年来の常連客とは言え、年に数回会うだけのお客さんをそこまで信頼して良いのか?事業内容は将来性があるのか?彼の羽振りの良さは、本当に事業が好調だからなのか?

こういう事を冷静になって考え、投資するに値するかどうかを考え直すべきです。そして、その判断の上でもし投資をするという結論に至ったとしても、虎の子の資金を100%集中投資するというのはあまりに無謀すぎます。

せめて資金の10%程度である、200万円未満に抑えておくのがベストだったと言えるのではないでしょうか。200万円程度であれば、マンションを売り払う必要もなかったかもしれませんしね。

彼の最大の過ちは、常連客の人間性と、その客が手がける事業の内容、そして何よりも不動産投資を経験しただけで、投資の全てを『知った気になっていた』ことではないでしょうか。

私自身も個別株に投資をしていますので、ある程度それぞれの事業内容や将来性を考慮して、将来性があるなと感じたものに投資をするようにしています。ですが、個別株の場合は9種類の企業に資金を振り分けており、投資額もバラバラとなっています。

どうしてこんな歪なポートフォリオになったのかというと、それぞれの割合がそれぞれの企業に対するリスク許容度を表していると考えてもらって良いかと思います。例えば、12月末現在の時点で個別株で最も割合が大きかったのがビザ(V)の16.8%で、最も割合の小さかったのがエクソン・モービル(XOM)の5.5%です。

セクターが全く違うため、それぞれが補完しあってバランスを取ってくれるとは考えていますが、米国株が好調で右肩上がりの相場の中で、同じように株価が右肩上がりのビザと、ここ数年の株価はイマイチなエクソン・モービルとを同じ割合だけポートフォリオに組み込むほど、エクソン・モービルに対するリスク許容度は高くありません

リスク許容度が高い銘柄ほどポートフォリオの占める割合は大きくなっており、許容度が低い銘柄ほど割合は小さくなっています。もちろん、買い増しするタイミングを伺えなかったという銘柄もあるにはありますが。

それでもこうして分散投資しているのは、私がわかったつもりで投資している銘柄の中に何か重大なリスクが隠れている可能性があるかもしれないというわからないことに対するリスクに備えるためなのです。

彼の場合も、もしかしたら重大なリスクが隠されているかもしれないと考えていたならば、おそらく1,800万円全額を常連客に投資することなどしなかったでしょうから、損失額ももっと抑えられたかもしれません。

一点集中・一括投資の方がリターンが大きくなる可能性は高いですが、リスクも同様に高いのだということを改めて考えておくとともに、我々は少しばかり投資をかじっただけであり、万能の投資家ではないということを肝に銘じておく必要があるのではないでしょうか。

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