何度か記事に取り上げさせていただいていますが、SBI証券が誇る優良インデックスファンド『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』が設定来3ヶ月ちょっとで、純資産が100億円を突破したようです。

前回、50億円突破のニュースが流れてからわずか1ヶ月ちょっとの間で純資産額が倍増した計算になります。控えめに言ってスゴイです!

その凄まじい人気ぶりを裏付けるように、9月下旬の設定以来、10月から12月の3ヶ月間連続で、SBI証券のつみたてNISAランキングと積立件数ランキングで2冠を達成しています。

純資産の好調な伸びの裏側にはS&P500指数の好調な成長があり、米国とイランとの全面衝突の懸念が後退した現在、S&P500指数はさらに史上最高値を更新しているのです。

アクティブファンドよりもインデックスファンドが主流となっている昨今では、『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』が示した業界最安値の信託報酬という価値は大きな意味をもたらすと言えるでしょう。
しかし、『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』もあぐらをかいている暇はありません。昨日(1/9)、SBI-VOOの強力なライバルとなりうる『MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(2558)』が上場しました。
上場したので、投資信託ではなくETFですが、信託報酬は税込0.0858%と、『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』の信託報酬0.0938%を下回る経費率が設定されているのです。
これによって、円建で投資可能なS&P500指数のETFでは『MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(2558)』が経費率で最安値となりました。
とは言え、『MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(2558)』は、
・現状では、つみたてNISAに非対応
・ETFなので投資信託と違って1円単位での投資ができず、配当の自動再投資ができない
・設定初日のため流動性がほぼ皆無
・隠れコストを含めた実質コストは0.1%は超えるだろうから、そもそもETFならば、海外ETFのVOO(経費率0.03%)を直接買付した方がお得かもしれない
と言った、上場したてのETFならではのデメリットも目立ちますが、今年から始まった二重課税調整制度の対象となるのであれば、『MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(2558)』も流動性の高まり次第では投資対象としてアリと言う判断ができるのではないでしょうか。
もしくは、つみたてNISAではそもそも日本で課税されないため二重課税調整制度の対象とはならないことから、つみたてNISAで『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』へ投資しながら、特定口座で『MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(2558)』を買い付けるなどという戦略もありかもしれません。
あくまで、『MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(2558)』が二重課税調整制度の対象となるという前提の話ではありますが。
前から私が主張しているように、つみたてNISAの投資枠は年間40万円と小さすぎます。毎月33,333円という投資枠になります。かなり前に金融庁に問い合わせてみたところ、毎月3万円と年二回のボーナス時に2万円の増枠、つまりボーナス月だけは5万円の投資枠を確保するという計算でこの年間40万円という枠は設定されたそうです。
ボーナスをまともに貰えないサラリーマンも増えているというのに、随分雑な設定方法ではないでしょうか。一般NISAの時だって、初年度の上限枠は年間100万円でした。「年間100万円って中途半端すぎるだろ!12で割り切れる金額にしろ!」という旨の主張を何度か送りつけたことがあるのですが、それが功を奏したのか(?)、年間120万円(毎月10万円)の投資枠に枠が増加しました。おそらくですが、私と同じ考えの投資家さんが相当数いたんだろうなと伺うことができます。
初めてつみたてNISAの上限を見た時、また同じような過ちを犯すのか・・・!と考えたものです。そしてNISA枠の時と同様に、すぐに割り切れる金額(せめて年間60万円は欲しいです)に増枠してくるかと思いきや、2020年が始まっても動きがないですね。つみたてNISAは永遠に40万円でいくつもりなのでしょうか。私には分かりませんけどね。
例えば、毎月33,333円の積立投資で、20年間で『年金2,000万円不足』に備えるためには、平均リターンが8.1%必要になります。

うーん・・・絶対に無理とは言えませんが、なかなか保証しづらい相当好調な状態であるとは言えるのではないでしょうか。過去200年間の米国株のリターンは6%程度と言われていますからね。
つまり、もっと安全に将来に備えるための資産作りをするのであれば、投資期間を伸ばすか積立金額を増やすかしかないのです。
どちらにせよ、つみたてNISA枠の利用だけでは賄えないことがわかりますので、どんな年代にでも可能な積立金額を増やす方向に伸ばすのがベストだと思います。
先ほどのシミュレーションで、毎月積立額を5万円に変えるだけで、平均リターンは8.1%→4.7%まで下がるのです。

4.7%というリターンであれば、現在のインデックスファンドでも実現可能性の高い数字と言えるのではないでしょうか。もちろんどちらにせよ、20年後の株価を保証する数字ではありませんがね。
これを実現するには、今のところつみたてNISA枠いっぱいで『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』へ投資をし、特定口座で『MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(2558)』を買い付けるという手法がベストかもしれません。
この方法だとETFである『MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(2558)』の買付価額がどんどんと膨れ上がり、毎月の投資可能額の枠を超える可能性も大いにあります。と言って、本家のVOOはすでに300ドルを超える水準まで株価が上がりましたので、組み込みづらいです。

となれば、1円単位で投資可能額を設定できる投資信託としてのメリットは大きく、『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』の役割は重要と言えるのかもしれません。
ここまで色々と言ってきましたが、どれに投資をしようとも結果的にベンチマークであるS&P500への投資となりますから、長期的に見れば右肩上がりのS&P500の成長の恩恵を受けることができるのは間違いないです。
どれにしようかなと悩んで結局、投資を躊躇するくらいなら、100円からでも投資可能な『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』へ投資可能な金額だけ積立投資をしていくというのがベターなのかなと私は思います。