米国株投資家ならほぼ全員が読んかことがあるかと思う名著、『株式投資の未来』の著者であり、インデックス投資の研究家であるジェレミー・シーゲル教授の見解によると、「長期的な目線で見ると、何かが強気相場を狂わせない限り、今後4、5年でダウが40,000に達する可能性がある」との見解を示しました。

今年に入ってから、何だか一気に情勢は厳しくなり、株式市場もそれほど元気ではないように見受けられますが、それでもNYダウの株価は28,000ドル台の半ばです。

今年中に3万ドルは突破しそうだろうと言う見解も多い中、4万ドルまではあと40%ほど上昇すれば良いため5年以内には確かに実現可能性のある数値と言えるかもしれません。
シーゲル教授はインデックス投資の研究者らしく、米国企業全体のEPSを根拠に株価の予想値を算出している。そのため、
・2018年は株価が停滞する(実際、年間を通して2010年代唯一のマイナスリターンだった)
・2019年は株価が10%以上上昇する余地がある(10%どころか20%以上の上昇を見せ、史上最高値を更新し続けた)
などと、短期的な予測ではことごとく見解通りの株価の推移を見せており、中途半端なアナリストや、どこぞの『冒険投資家』よりはよほど信頼できる見通しを立てているのである。

もちろん、実績があるからと言って、彼の言葉を盲信して良いかと言うとそんなことはなく、株式市場には常にリスクがあり、強気相場を狂わせる”何か”が起こりうる可能性を十分に考慮しなければなりません。
シーゲル教授の予測の根拠がEPSである以上、予想通りにEPSの成長が伸びなかった場合は当然ながら4〜5年以内に4万ドルには到達しない可能性もあるでしょう。
強気相場を狂わせる何かが起こりうる可能性が最近は高まっています。例えば、今の米国とイランとの関係の悪化に始まり、米中貿易戦争の行く末も不透明ですし、今年の後半には米国の大統領選も控えています。トランプ大統領を含めて、どの候補者が勝つにしても株式市場にとってはあまり歓迎できそうもないなと言うのが正直な感想です。今から5年以内にはリセッションが起こる可能性は高く、5年と言う期間があれば、その後の回復期まで含まれるかもしれません。私の予測がどうなるかは分かりませんけどね。
だがしかし、短期的な予想に定評のあるシーゲル教授が言っているのであれば、5年以内に4万ドルと言う見解は、単なる50%よりは高い確率で起こりうる未来だと言えるのではないでしょうか。
それほど無理のある数字ではないと言うところもミソですよね。これからの5年間で平均リターンが8%ずつ成長したとすれば、5年後のNYダウの株価はおよそ42,000ドルになりますので、シーゲル教授の言うとおり、『強気相場が続けば』十分に達成可能な数字です。
では、我々個人投資家はどう行動すべきなのでしょうか?結論から申し上げると、今まで通りこつこつと積立投資をし続けるのがベストだと私は考えています。
シーゲル教授の言葉を盲信して自分のリスク許容度を超えた取引をすべきではないですし、かと言って、5年以内にリセッションする方に賭けて『追加投資しない』と言う選択肢はあり得ません。
周りの意見に流されることなく、ご自身のペースで投資を続けること。これこそが正解なのだと私は思います。
ですが、シーゲル教授が示してくれた新たな『株式投資の未来』を信じて、NYダウの成長を享受できるETFや投資信託への投資を始めることは賢明な判断だと言えるのではないでしょうか。