昨年、ビジネスの世界で最も話題になったワードは、おそらく『サブスクリプション』ではないだろうか。去年の秋頃までは、まさに猫も杓子もサブスク、サブスクと言っていたことを思い出します。
サブスクリプションビジネスが成功した例として有名なのが、マイクロソフト(MSFT)ですね。オワコンのソフトウェア屋から脱却し、ソフトウェアで販売していたOffice製品を定額利用のサブスクリプション型にビジネスモデルをチェンジし、見事にその戦略がハマり、同社の株価は過去5年間で3.3倍にまで成長しました。

あとは、定額の会費収入が利益の源泉となっているコストコ・ホールセール(COST)も同様にサブスクリプションビジネスと言えるでしょう。こちらも見事な右肩上がりでの成長を見せています。

そんな中、焼肉チェーンの『牛角』が展開するサブスクリプションビジネスがtwitterで話題となっている。
牛角が焼肉食べ放題サブスク、月額1万1000円 全店舗へのサービス拡大も視野|BIGLOBEニュース https://t.co/IRO8Vbiihz pic.twitter.com/107l5defJx
— BIGLOBEニュース (@shunkannews) January 6, 2020
「牛角」が月額1万1000円で1か月食べ放題
— 涼子@R40でアプリ結婚 (@r40kk_com) January 6, 2020
「牛角コース」(1人3828円、100品以上)と「お気軽コース」(3278円、80品以上)のいずれかを1日1回、1か月利用できる。
今日現在は
・赤坂店
・三軒茶屋店
・花見川店(千葉)
の3店舗で実施。
「今後は全店舗にサービス拡大していきたい」と担当者。
「元取るとかの話のレベルじゃねぇ!」
— J-CASTトレンド (@jcast_trend) January 6, 2020
月額1万1000円で毎日「焼肉食べ放題」となる #牛角 の定額制サービスが話題に🥩
採算性は大丈夫なのか、心配になったので運営会社に聞くと…☟(S記者)https://t.co/i6s64XmGBl
元ネタはこちら
このサービス自体は昨年の11月から始まったようですが、ネットニュースとtwitterの影響で一気に知名度が広まった様子。それもそのはずで、実施している店舗が赤坂店 、三軒茶屋店 、花見川店(千葉)のみでの試験導入のため、全国区では知られていなかったようです。
都内の店舗であれば通えなくもないが、節約のために毎日焼肉という夢のような(?)ライフプランを立てる人も多いのではないでしょうか?私は毎日焼肉はつらいので遠慮したい所ですが・・・
最近、外食産業でも積極的に『サブスクリプション』を導入する企業が増えている。牛角の他にも、『フードロスの削減』という最近の環境問題にも配慮した、定額のランチサービスである『FOOD PASSPORT』は、月額980円で月に10回までランチが食べれるというアプリで、関西と関東を中心に加盟店を増やしております。
こういうサービスは、確かにとてもお得なように見えますが、牛角の場合は月に3回以上利用して『元が取れる』状態ですし、『FOOD PASSPORT』の場合は、フードロスが無ければ利用できないため月に10回利用できるのかどうかは不明です。それでも月に一度でも利用できれば、首都圏ではお得なランチサービスと言えるかもしれませんが。
特に牛角は、物珍しさから登録をしてヘビーユーザーによる行列ができて、満足に利用できないという可能性がないとも限らないですよね。それで登録だけして利用実績のない『空ユーザー』を狙ったサービスなのかもしれませんけどね。どちらにせよ、昨今の外食はクレームの対象になりやすいですからね。なかなかチャレンジングな企画だとは思います。
ですが、我々のように節約を心がけている投資家脳の人間には驚きかもしれませんが、使っていない月額サービスを解約せずに放置するという怠惰な人は結構な割合で存在します。さすがに月額1万円を超えるサービスを利用できなければ解約するとは思いますが・・・
確かに牛角のサブスクは、お得なサービスであることに変わりなくヘビーユーザーからすれば泣いて喜ぶ所ですが、どう転んでもやっぱり『外食産業の値下げ合戦』のようにしか捉えられません。
サブスクリプションの理想は、ユーザーがサービスに満足して登録し続けてくれることでリピート率を高め、安定したインカムを得ることだと考えています。企業にもユーザーにもメリットがあってWIN-WINでなければ長続きはしないビジネスモデルだと考えています。
牛角も早々に全国展開して行列ができたりするのを緩和させることができれば、ユーザー満足度は高くなるかもしれませんが、仮にサブスク目当ての大行列でまともに食事ができない店舗になってしまえば、サブスク登録者が離反してしまう可能性があるだけでなく、今まで贔屓にしてくれた常連ユーザーたちが離れていってしまう可能性も否定できません。
あくまで仮説ではありますが、ユーザー満足度をどうやって高めるかというのは牛角のサブスクリプションビジネスの今後を占うであろうことは明らかです。
今回、このサービスの知名度が上がったことで対象の店舗へ訪れるユーザーは増えるのでしょうか?そして全国区への展開を望むユーザーが多いようにこのサービスが全国へ広まれば、牛角の利益率はどう推移するのでしょうか?発想自体は面白いですし、ユーザー満足度が高いようなら利用してみたいとも思えますね。牛角を展開しているJFLAホールディングス(3069)の今後の推移に期待です。
あと、個人的な意見としては、毎日『牛角アイス』だけ食べれるだけでも嬉しいですね。確実に太る原因となるので、通うことはしませんが・・・