今朝、Yahooに掲載されていた富士通の時田社長のインタビュー記事を読みました。
社長自らが語る”営業利益率10%”への道のりについてまとめられた記事だったのですが。この記事を読んでいると、『あ〜 今年もダメそうだなぁ』と感じざるを得ませんでした。
ざっと読んでみた感想としては、何を言ってるのかよくわからないし、何かを言ってそうで言っていないという印象を受けました。

もちろん、私の理解力が壊滅的なまでに足りないという可能性も大いにありますが、個人的には、よくわからないカタカナ文字を羅列して、何か言った気になってるお偉いさんは信用できません。

富士通といえば、昨年度は子会社の整理や本社の早期退職者を大量に募集するなど、大規模なリストラを敢行する一方、3,000万~4,000万円の報酬を支払う高度人材処遇制度を導入するなど、画期的な人事制度を採用しているようで、注目を浴びました。
IT系技術者の報酬を上げるというのは、私自身賛成です。日本のIT技術者は年収が低すぎるというのは兼ねてから感じていたことです。もはや手遅れ感は否めませんが、技術者にもっと高給を支払うべきだというのは誰もが感じているところでしょう。
ですが、もちろん高給を出せば利益率が上がるかというとそうではありませんよね。むしろ人件費が上がれば上がるほど、当然、営業利益率は下がることになります。問題なのは、高給で雇った人材を上手く使って利益を最大化することができるのか否かというところですよね。
社内の意思決定に時間がかかったり無駄なフローが多ければ、せっかくの高給人材も宝の持ち腐れと言えるかもしれません。
まあ、時田氏が言うように、サイロ的な行動やマインドセットを取り除き、ダイバーシティ&インクルージョンの考え方を導入し、オープンなディスカッションができる環境やドレスコードフリーを導入し、社内にはないケイパビリティを外部から取り込み、サービスオリエンテッドカンパニーを目指し続ければ…
『なんかしらんけど、とってもすごいことがおこるんだろうなぁ』と、おもいました。
さて、では現状の富士通はどのような状況なのでしょうか。営業利益率を見てみると、過去5年間の同値は2015年が最も低くて2.5%、2017年が最も高くて4.5%です。成長率も右肩上がりというわけでもなく、営業利益率が10%を超えるにはまだまだ道半ばだと言えるでしょう。
一方、ライバルの米国企業はどうでしょうか?富士通の競合というと、どの企業でしょうか。大きい所で言うと、IBMとかですかね?
米国株投資家には、IBMはオワコン扱いされることも多いですが、過去3年間のIBMの営業利益率を見てみると、常に15~17%あたりと、富士通よりも相当効率的な稼ぎ方をしていることが分かります。
日本国内では、富士通の競合はNEC(6701)ですかね。NECの営業利益率は、富士通同様、一桁前半が良い所です。
この事実から見れば、やっぱり日本企業は非効率な営業をしていて、米国企業は効率的な稼ぎ方をしていると言うことがわかるでしょう。この差が富士通やNECとIBMの違いだけでなく、日本企業全体と米国企業全体に蔓延しており、日本の生産性の悪さへと繋がっているのです。
日本を代表する大企業たちがこれほどまで収益率が低い訳ですから、中小企業がもっと厳しい状態になるのは明白ですよね。そしてそのような中小企業が日本にある企業の98%以上を占めているというのですから、日本がオワコン扱いされても仕方ありません。
投資家の目線で見ても、米国株市場では厳しい状況に置かれているIBMより利益率が圧倒的に低い富士通よりは、米国のIT企業ーIBM以外にも、もっと将来性のある企業は『GAFAM』を始め、腐るほどあるというのが現状です。
わざわざ、何がしたいのかよくわからない富士通に投資するよりは、米国の個別IT企業や、それらをまとめたETFのQQQなどに投資する方が、投資冥利があると判断するのが普通ではないでしょうか。