昨日未明、衝撃的なニュースが飛び込んでまいりました。

米軍がイラク首都空港に攻撃し、イラン革命防衛隊の副司令官であるアブ・マフディ・ムハンディス氏ら8名が死亡すると言う事件が発生しました。ムハンディ副司令官は、イラン国民にとっては『英雄』と称えられていたほどの人物ですので、イラン国民は彼を殺害した米国に恨みを持つだろうことから、米国とイラク・イランの間にある溝はさらに深くなり、修繕不可能な状態に陥ったと言えるのでは無いでしょうか。
このニュースを受けてNYダウは微減。対して、米政府御用達の軍用機メーカーであるロッキード・マーティンは株価が大幅に上昇する結果となりました。


ロッキード・マーティンは売上高の約7割を米・国防総省やNASAなどの米国政府が占めており、法外に高い利益率を上乗せできないからか、粗利率も10%代前半程度と、米国株としては、やや低い水準です。
その代わりに米国政府御用達と言うお墨付きがあるため安定的な経営が可能となっており、製造業というよりは公益株に近いようなメーカーです。しかも軍用機メーカーと言う性質上、世界的にキナ臭くなればなるほど株価が上昇すると言う、素直に喜べない株の代表格となっています。
しかしなぜ、唐突なタイミングでイラクに対して攻撃が行われたのだろうか?これは推測に過ぎませんが、トランプ大統領は、自らの弾劾裁判を延期したかったのでは無いかと考えられます。
1998年、時の大統領ビル・クリントン氏が不倫により弾劾裁判にかけられると言う事態に陥りました。下院本会議での審議は1998年の12月18日に開始したのだが、実はこれは予定より1日遅れとなったのである。
その理由は、米国が国連の大量破壊兵器査察を拒否するフセイン政権への報復として、英国と共同で行った『砂漠の狐作戦』と呼ばれるイラクへの空爆を同年の12月16日〜19日の間続き、弾劾の手続き中も、大統領は国内外の危機に対処せねばならないためでした。
この際も野党側は、この爆撃が弾劾から国民の眼をそらすためのものだと強く非難したと記録にあります。
もしかしたらトランプ大統領はこれを狙って、今回の空爆を計画したのでは無いでしょうか?『弾劾裁判にかけられた時の対処法』は、事例があまりに少ないためクリントン氏の真似をしたと言う可能性は否定できません。専門家たちの当初の見通しでは、トランプ氏の弾劾についての手続きは、今月末までには完了するだろうと言うことでしたから、新年早々に攻撃を仕掛けたと言う可能性はあります。
この空爆で『強い米国』を見せつけて、自らの支持率を上げて、弾劾裁判による罷免を免れるのがトランプ氏の狙いだとすれば、イラクからすれば大迷惑で、米国への恨みがさらに強まると言う愚策であることは明らかですけどね。
さて、我々米国株投資家としては、どう行動すれば良いのでしょうか?私が思うに、クリントン氏の時と同様、イラクへの空爆はそれほど長期的なものにはならないだろうと見受けられます。
twitterの世界トレンドではWWⅢ(第三次世界大戦)がトレンド入りするなどしましたが、そこまで悪化する前に終わるんじゃ無いかなと言うのが私の見通しです。トランプ氏の狙いが、私の考える通りだとすれば、空爆は続いたとしても1月いっぱいといったところじゃ無いですかね。
逆に言えば、来週くらいは株価が軟調となる可能性が高いため、このままずるずると株価が下がってくれれば、米国株市場には久々の買い場が訪れる可能性があります。
ともあれ、どんな状況に陥ったとしても、予測は外れるものですから、楽観も悲観もし過ぎずに米国株への投資を続けることが我々にできることなんじゃ無いかなと私は思います。週明けには更なる株価の下落が起きるのか?見ものですね。