【朗報】タバコ銘柄のアルトリア(MO)、2004年以降も素晴らしいリターンだった。シーゲル銘柄の『その後』はどうなったのか。

投資実務
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我々、米国株投資家であれば一度は読んだことがあるだろうジェレミー・シーゲル氏の名著『株式投資の未来』ですが、この著書のデータをベースに、米国株投資家の方には高配当株銘柄に投資する方もかなり多いです

私自身はそれほど高配当株投資を重視はしていませんが、シーゲル教授の調査によると、1957年〜2003年の間に最もリターンが大きかった個別株はフィリップ・モリス(現在のアルトリア(MO))だったと言うことでした。

ですが、人によってはアルトリア(MO)のような高配当銘柄は時代遅れでクソダサいと言う投資家も多いです。私自身もタバコ嫌いなのでタバコ銘柄に投資をしてはいないですし、これからもするつもりはないですが、タバコ銘柄の収益性の高さは否定できません。

それに株式投資の未来のデータも1957年〜2003年のデータだから今の時代には合ってないと言う人もいらっしゃいますね。では、アルトリアの2004年以降のリターンはどうだったんでしょうか?本日は年末と言うことで、ちょっと調べてみました。

このうち『Portfolio1(青色のグラフ)』がアルトリアの2004年から2019年の16年間のリターン(配当再投資を含む)です。ちなみに赤色がS&P500の配当を含むリターンです。

これによると2004年から2019年の期間でS&P500のリターンが年間平均8.83%だったのに対して、アルトリアは14.73%と、なんと5.9%もアウトパフォームする結果となりました。

そして、16年間で6%の平均リターンの差は、資産総額も89,056ドルと38,456ドルと、2.3倍以上のリターンの差が生まれることがわかりました

流石にリターンはトップとは言えませんが、それほど悪いリターンではないことが分かりますね。

では、それ以外のシーゲル銘柄はどうなったのでしょう?トップ5を見てみましょう。

ちなみにシーゲル教授が調べた1957年〜2003年のリターンのトップ5銘柄は以下の通りです。

1位:アルトリア(MO)

2位:アボットラボラトリーズ(ABT)

3位:ブリストルマイヤーズスクイブ(BMY)

4位:トッツィーロールインダストリーズ(TR)

5位:ファイザー(PFE)

アルトリアはなかなかのリターンであることがわかったので、2位〜5位をみていきましょう。

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2位:アボットラボラトリーズ

アボットラボラトリーズのこの16年間のリターンは12.03%。S&P500を3.2%アウトパフォームする結果となりました。連続増配も46年を超える医療機器・製薬会社で、積極的な分社・買収を繰り返している企業です。営業キャッシュフローマージンも20%を超える優良企業で、投資冥利のある会社と言えるでしょう。

3位:ブリストルマイヤーズスクイブ

3位のブリストルマイヤーズは、過去16年間のリターンが8.5%とS&P500を0.33%アンダーパフォームする結果になりました。ブリストルマイヤーズの主力商品は小野薬品工業と共同開発したがん治療薬の『オプジーボ』ですが、最近は同じくがん治療薬でメルク (MRK)が開発した『キイトルーダ』の方に優位性があり、また、オプジーボの開発に関わった本庶佑氏が『オプジーボ』の特許について訴訟されており、内戦状態にあることから、ここ最近のリターンはマイナスになっています。

本庶氏が小野薬を9月にも提訴、交渉不調ならーオプジーボ特許で
がん免疫治療薬「オプジーボ」の特許使用料などをめぐり、本庶佑・京都大特別教授と小野薬品工業が対立している問題で、本庶氏側が分配金150億円の支払いを求める民事訴訟を9月上旬にも大阪地裁に起こす方針を固めたことが27日、分かった。

4位:トッツィーロールインダストリーズ

トッツィーロールインダストリーズは米国のお菓子メーカーで、S&P500を大きくアンダーパフォームしていることが分かります。ハロウィンで子供たちに配られるキャンディの売上が一番多いらしいです。お菓子などの食品メーカーは消費者の好みなどの変化がありますから、長期的にアウトパフォームするには、かなりのブランド力と商品開発力が必要となります。トッツィーロールの低迷は、時代の変化に対応できなかったと言う証明ではないでしょうか。

5位:ファイザー

ファイザーもS&P500を大きくアンダーパフォームすることになりました。ファイザーは世界最大級の売上規模を誇る製薬メーカーであり、新薬、ワクチンの開発に強みを持つ企業です。他の製薬会社と比較してもそれほど強みらしいものはありませんが、M&Aで企業規模を大きくすることに積極的で、その企業規模の大きさこそが強みだと言えるのではないでしょうか。

商品自体も一般向けの薬品というよりは、病院で処方されるものが多く、連続増配にも積極的ではないので配当再投資をベースにしたリターンはアンダーパフォームすることになったのではないでしょうか。

まとめ

株式投資の未来のトップ5銘柄を見てみると、2勝2負1引き分けという感じですかね。微妙な結果にはなりました。確かに時代の変化で、かつての高パフォーマンス銘柄もアンダーパフォームすることがあるということがよく分かりました。

ですが、かつての1位と2位のアルトリアとアボットラボラトリーズは、過去16年間もトップクラスのパフォーマンスとは言えませんが、市場平均を上回る結果となりました。

高配当でクソダサい、過去の産物と言われていたアルトリアが、『株式投資の未来』以降もそれなりに良いパフォーマンスを叩き出したことは、優良銘柄への長期投資がやはり効果的な資産形成の手法であるということを物語っているのではないでしょうか。

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