現在、絶賛発売中のダイヤモンド・ザイ2020年2月号に、「桐谷さん+億超え投資家5人の2019年の成績&2020年の戦略」と言う特集が掲載されている。
日本を代表する投資家かのように取り上げられることが多い、優待おじさんの桐谷さんですが、今年の投資成績はどれほどだったのかと言うと・・・
桐谷さんの資産は2019年の1年間で約10%増加!
とのことです。なるほど!確かに年間リターン10%は非常に素晴らしい数字です。さすが桐谷さん!名人!・・・などと納得するほどお人好しではありません。2019年の1年間は、日経平均株価が20%以上も上昇しました。年初の時点では、日経平均株価は19,561円96銭と、2万円の水準を切っていたことを覚えておられるでしょうか?

まあ、日本株にとって非常に好調な1年間で、大納会も1990年以来の高値で引けました。

そんな中で、日本を代表する『投資家』として出てくる桐谷さんが市場平均の半分以下のパフォーマンスしか出せなかったと言うのは非常に興味深いデータです。別に投資手法は人それぞれで、市場をアウトパフォームすることも往々にしてあります。私も人のことは言えないようなパフォーマンスの年もありますが、記事の書き方が、『10%も増加したぞ!すごいだろ!』とでも言いたげな書きっぷりだったので、それはどうかなと感じた次第です。
数字で判断するときは、いつも基準と比べてどうなのか?と言う点に注目しなければなりません。
例えば実績が10%の増加だとしても、今年の好調な日経平均株価は20%も増加したのですから、相対的にはショボい実績と言えますよね。
逆に市場全体が10%以上のマイナスとなった時に、マイナス5%くらいの損失で被害を抑えられたのであれば、それは称賛されるべき事象ですが、人々は、資産がマイナスになっていると言う事実だけを受け止めて非難したりするものなのです。
皆さんも数字データを元に意思決定を遂行するのであれば、基準となる数字のデータと比較して、パフォーマンスを見てみることが必要不可欠です。
私はハッキリと言って、桐谷氏の株主優待目当ての投資は否定的です。簡潔にまとめると、株主優待は株主のコストとなっているので、株主が増えれば増えるほど企業側の負担が大きくのしかかってくるものです。
そうやって企業の利益を圧迫している認識はあるのでしょうか?株主優待のことしか目にないとしたら、やはり彼が日本を代表する投資家と言うのは疑問です。
以前も桐谷さんの記事を紹介させていただきました。

かなりご好評いただきましたが、桐谷さんの生活を見れば見るほど、こんな人間、こんな投資家になりたいとは思えないなと感じました。私は使用期限ギリギリの株主優待チケットを消化するために立ち漕ぎで危険運転をしたいとは思えませんでした。
本当に他人の投資スタイルにケチをつけるつもりはありませんが、彼のような株主優待狙いの少数株主が日本経済を悪化させる要因になっているのではないかと思います。
前述の通り、株主優待を発行したら、株主へ株主優待を送るのに余計な一手間コストがかかります。さらにその株主優待の無料券が利益率を下げる原因となっているのですから、本来であれば、踏んだり蹴ったりなんですよね。
まあ、桐谷さんがどうなろうが知ったこっちゃないですが、この好調な市場で10%のリターンくらいであれば、比較的簡単に達成できると言う事実から目を背けてはいけません。
私はこれからも地道に王道の投資を継続していきたいなと感じました。