今年、加盟店とかなりの軋轢が発生したセブン-イレブン・ジャパンですが、少し前から2020年の元日に都内の50店で休業実験を実施するという話が出ており、やっと加盟店オーナーに対して理解を示し始めたと見ていました。
ところが、ふたを開けてみると対象となる店舗は全て同社の直営店であり、加盟店は蚊帳の外だということがわかりました。

これには再度加盟店オーナーたちの怒りが爆発。またも本部と加盟店オーナーの間の溝が深まった形だ。
私も実家のすぐそばにセブンイレブンがあり、元日でも利用者はいるようですが、やっぱり普段の週末ほどお客さんが入っているようには見えません。もちろん、元日営業をするからと言ってオーナー自身が出勤せず、バイトを探すということも出来ない訳ではないですが、何を好き好んで元日からコンビニでバイトする学生がいるでしょうか。年末年始は初詣デートに行ったり、家でネットフリックス(NFLX)三昧と言う学生がほとんどじゃないですかね。
もちろんそれで普段の時給の2倍や3倍出るというのなら話は変わるでしょうが、決してそんなことはありませんよね。
だとすれば、やっぱりオーナーが店を仕切るほかなく、コンビニオーナーは『現代版の奴隷』『犯罪者以下の生活』と揶揄されるのもあながち間違いではないことがわかります。

刑務所では年末年始には年越し蕎麦と豪華なおせちが振る舞われ、もちろん正月三ヶ日の労働は無し。当たり前だがサービス残業などの悪質な労働環境もありません。
加盟店オーナーというのは、名ばかりのオーナーであり、結局は本部に搾取されるだけの雇われ店長にすぎません。『年中無休』とは言え、元日ですらまともに休めないというのが何よりの証拠ではないでしょうか。
そもそもコンビニなどというのは店舗が腐る程あり、同じセブンイレブンですらまとまって何店舗もあるというのが現実です。どうあがいても店舗ごとに潰しあって薄利多売を続けるしかなく、また、せっかく上げた利益も本部に吸い取られるばかりか、売上の良い店舗を見つければ、その近くに本部が直営店を作り、加盟店オーナーを潰しにかかるというのがセブンイレブンの経営手法なのです。
いかに自分たちにリスクが少なく、よく売れる場所を探し出すか。という実験のために加盟店オーナーを利用しているのです。もちろんこれは批判すべきことではなく、そういう経営方針なのだから仕方ありません。加盟店オーナーではそれに文句を言う資格もないのです。
あなたがもし、本当に『オーナー』になりたいのであれば、コンビニオーナー募集の求人に応募して契約金を支払うのではなく、そのドブに捨てたような契約金のお金で『株式』を買えば良いのです。
株式を保有する『株主』は、紛れもなく株式会社の『オーナー』であり、持ち株数に応じた権利を有する会社の所有者なのです。
当然その会社の社長よりも上の立場であり、株主の意向が経営に反映されるものなのです。
しかも、株主はセブンイレブンのような加盟店オーナーを蔑ろにしないと利益を上げられないようなビジネスモデルに投資する必要はなく、もっと優位性のあるビジネスモデルを有する企業へ、自由に投資することができるのです。
例えば、同じ小売業だとしても、セブンイレブンより、コストコ・ホールセール(COST)の方が優位性が高いビジネスモデルを有しているので、投資冥利がありますし、ウォルマートストア(WMT)の方が規模が大きく、魅力のある企業ということになるでしょう。
さらにもっとあなたの身近にあるアップル(AAPL)や、マイクロソフト(MSFT)だって、1株でも株を持てばあなたはその大手IT企業の所有者となるのです。
あなたがオーナーになりたいのであれば、間違っても加盟店オーナーになどなるべきではなく、株主として、優良企業のオーナーとなるべきだと言えるでしょう。何と言っても、株主は労働せずとも配当金と言う不労所得を得ることができますしね。