米国を代表する金融機関であるバンクオブアメリカが、マイクロソフトの目標株価を162ドルから200ドルへと引き上げました。
背景には、マイクロソフトの『Azure』をはじめとする クラウドサービスセグメントが2020年にソフトウェア業界に与える影響が大きいだろうと予測していることが挙げられています。

現在の同社の株価は158.67ドルですから、まだ26%ほどの上昇余地があるということになります。

同社の成長期待性の高いセグメントには、クラウドサービスの『Azure』がある他、マイクロソフトの傘下には、世界最大のビジネス用SNSである『LinkedIn』や、インターネット通話の『Skype』などもある。
また、それらの派生系である、ビジネスチャットの『Teams』は、当然Office製品との互換性が良いため、私の勤める会社でも利用しているが、とても使いやすくて重宝しています。
そして、これらのクラウドサービス分野が今後のマイクロソフトの成長を牽引していく重要な役割を果たすとバンクオブアメリカは予測しており、同社の年間成長の4割を占めるだろうと発言しています。
また、バンクオブアメリカによると、今後もマイクロソフトは年間10%以上の成長を見せる可能性があり、これらのクラウドサービスは従来のPC事業やサーバー事業を上回るだろうと見ているとのことです。
バンクオブアメリカの予想が絶対とは言いませんし、むしろ目標株価なんてものはすぐに上下することから、この予測が当たるかどうかは、まさに五分五分だとは思います。しかし、マイクロソフトのクラウドサービスが今後も伸びるであろうことは確実です。
今年10月、マイクロソフトは、 不利と見られていたアマゾン・ドット・コムとの一騎打ちで見事勝利し、米国防総省・ペンタゴンのクラウド契約を勝ち取りました。

これによって、10年間で最大100億ドルの売上が見込めるばかりでなく、『信頼性』の向上により、同社の『Azure』は、シェアを拡大することができるだろうと考えられます。
IT業界は流行り廃りが激しいため、いくらマイクロソフトほどの規模だとしても、安泰とは言い切れず、事実、前・CEOのスティーブ・バルマー氏の時代には、マイクロソフトはオワコン扱いを受けていました。
そこから、同社のビジネスモデルを、ソフトウェアの切り売りから、サブスクリプション型のビジネスやクラウドサービスに展開させたサティア・ナデラ氏の手腕は素晴らしいの一言です。
さらにAzureの10年契約があれば、求められるセキュリティレベルは世界最高峰となるでしょうが、それに応えるだけの力のあるマイクロソフトですから、クラウドサービス事業は10年間は安泰と言っても過言ではないのではないでしょうか。
もちろん、Azureだけではなく、前述のビジネスチャットの『Teams』も順調に成長しており、先日ついにアクティブユーザーが2,000万人/日を超えるまでの規模になりました。

同じようなビジネスモデルを展開するスラック・テクノロジーズ(WORK)も、 『Teamsとの競争が重荷になっている』 とされ、株価は低迷し続けています。

このように、現代のビジネス上で必須とも言えるOffice製品を展開している時点で、マイクロソフトは相当な優位性を有しており、まさに『ワイド・モート』と呼べる企業なのです。
マイクロソフトの株価がバンクオブアメリカの思惑通りに右肩上がりに成長するかどうかは不明ですが、仮に大きく株価が下落する場面があれば、積極的に買いにいきたい株の一つであることは間違いありませんね。