コカ・コーラの株主にとって、またも嬉しいニュースが飛び込んできました。
今年のコカ・コーラはエナジードリンクの『コカ・コーラエナジー』や、日本限定ではあるが、アルコール飲料の『檸檬堂』を全国展開するなど、新たな試みを発表し、そのどれもが爆発的な大ヒットとなりました。


同社がコカ・コーラ頼みの経営ではないことを示してくれる素晴らしい例なのですが、この度コカ・コーラはさらに新しいビジネス、その名も『インサイダーズクラブ』を発表しました。
これはどんなサービスかといえば、インサイダーズクラブのメンバーシップ料金(毎月10ドルもしくは一括(半年)50ドル)を支払えば、2020年初頭に発売が予定されている20種類以上のパッケージが届くという新商品をいち早く手にしたい好奇心旺盛な方にとってはうってつけのサービスとなっている。

このビジネスモデルは、今年度流行した『サブスクリプション型ビジネス』であり、コカ・コーラがサブスク分野に進出する足がかりとなるかもしれません。
とはいえ、こちらのサービスは北米限定でまだ試験的に導入されたに過ぎず、募集したメンバーシップも1,000名だけでした。しかし、この1,000名の枠が開始わずか3時間で完売したことから、同サービスの注目度はかなり高いと見られるだろう。
今後世界的にこのインサイダーズクラブを展開していったとすれば、かなりの人気サービスになること請け合いである。おそらく今の試験導入分も延期されそのまま継続という形になるのではないだろうかと見受けられます。
ただし、コカ・コーラはすでに本業の利益率が高く、サブスクリプションビジネスが成功したとしても、収益性が大きく改善するということはなく、株価にそれほど影響は与えないのではないだろうかと感じます。
また、サービス内容が『新商品の先取り』である性質上、世界中にめちゃくちゃ大きく展開することは難しいのではないかと思います。
例えば、新商品を先取りできる権利を世界人口のおよそ半分の35億人が保有したとします。すると、その35億人全員に『まだ発売されていない新製品』を配達することになる。
これってどうでしょう?まだ発売されていない新製品というより、発売日を早めて店頭に並んだ方が売上には貢献してくれそうじゃないですか?
つまり、コカ・コーラのサブスクビジネスは、ある程度上限が決まっていた方が良いと私は思いました。
ただし、コカ・コーラの成長には、この『サブスク事業』は貢献してくれるだろうことから、素直に喜んでいいニュースであると感じています。
サブスクリプションという新たな高収益の武器を見つけて、コカ・コーラの盤石さはこれから先も変わらないのだろうという印象を受けました。かのウォーレン・バフェット氏もお気に入りのコカ・コーラは100年先も株主にリターンを与えてくれるだろうと言えます。
