日本時間の本日午前7時に、英国総選挙の投票が締め切られました。BBCニュースの報道によれば、出口調査で与党・保守党が下院(定数650)で単独過半数を獲得したと言う与党の圧勝ムードを報道しました。

この結果を受けて英ポンドは対日本円で143円台後半から、一気に147円台まで4円も円安が進みました。

さて、日本国内では、さも野党である労働党が有利かのような報道が敷かれており、今朝も野党支持者の落胆の声が優先して報道されるなど、本当にメディアによる情報操作というのは恐ろしいものだと感じた次第です。
英国民のほとんどが実際には与党を見切っていたわけではないということが証明されました。とは言え、本音は日本と同じような『消去法的に与党を選んだ』という国民が多いのではないだろうか。とも感じます。
英国民は控えめに言ってもブレグジット問題に疲弊しており、「もうどっちでもいいからさっさと決めてくれ!」という声が聞こえてきそうです。ともあれ、これだけ圧倒的な議席数を獲得したとあればブレグジットは確定路線だと言っても過言ではないでしょう。
ただし、世界中が思っているように、英国のEU離脱の帰結は結果的には英国の経済や国際的地位にとっては大きな打撃となるだろう。それだけでなく、今回のブレグジットをきっかけにEU加盟国の離脱が相次いでもおかしくはない。EU加盟国唯一の頼みだったドイツも景気後退感はぬぐい切れず、EUという共同体に亀裂が起きる可能性は十分にあり得ます。
わずか100年ほど前まで、ド派手に戦争を繰り返していたヨーロッパですから(日本も同様ですが)、今の平和な状態の方が人類の歴史から見れば稀な状態であるということは肝に銘じておかなければなりません。
まずは来年、英国がブレグジットを達成すれば、目先のリスクが解消されたことによって投資家達の動きは活発化されるでしょう。もちろんリスクが解消されたからと言って株価が上がるとは限りません。投資家にとって『リスク』とは将来の不確実性のことを指しますから、将来の不確実性が確実になったところで株価の暴落が起こることも大いにあり得るのです。
とはいえ、そこは投資家として悲観的になりすぎず、これからも資本主義で何とか世界が回っていくと信じて、コツコツ投資を続けて参りましょう。2020年代がどのような10年間になるのか、我々には分かりようがないのです。ですが、2009年のリーマンショックの底で苦しんでいた世界経済がこの10年でここまで回復し、成長することを予想できた人はどれくらいいるでしょうか?
将来が不確実性に満ち溢れているのは当然であり、それに対してリスクを背負うことが投資家の一番尊い仕事なのですから、これからもリスクを背負って長期的に積立投資を続けることをおススメいたします。