【悲報】英国ISA、めちゃくちゃ素晴らしい制度だった…日本政府はISAの何を参考にしてNISAを作ったのか?

社会・政治
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昨今、何かと話題にあがるNISAですが、この制度が英国で1999年に始まった『ISA(Individual Savings Account )』をベースに作られた制度であることはご存じだろう。

じゃあ、本家本元の英国ISAってどんな制度なんだろう?と調べてみたところ、めちゃくちゃ良い制度だったので、今回は紹介してみたいと思います。

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ISA(レギュラーISA)と預金型ISA

まずは日本の通常NISAのもととなった『レギュラーISA』ですが、1999年に始まった段階では年間の非課税枠は7,000ポンドでした。それに加えて『預金型ISA』というものがあり、こちらの枠は年間3,000ポンド。レギュラーISAと預金型ISAの併用は可能なものの、併せて年間の限度額は7,000ポンドでした。しかし、当時の為替レートでは1GBP=200円前後だったため、初年度から日本円では140万円程度の非課税枠が与えられていたことになります。

また、米国のISA、預金型ISAはともに現在年間2万ポンドまで拠出可能となっており、ISAと預金型ISAを併せて2万ポンドまでという制限はあるものの、日本円で280万円程度の枠を与えられることから、個人レベルの投資では必要十分と言えるのではないでしょうか。

さらに、ISAは投資対象の資産の幅が広く、リスクのある保険商品や投資資金として待機している預金にかかる利息まで非課税枠に入れることが可能です。つまり、ISAで年末に枠が余れば、将来投資するのであればとりあえず預金をISAに振替えておけば利息にも課税されないということになります。

(出典)英国内国歳入庁資料、日本の法令等をもとに大和総研金融調査部制度調査課作成

さらに最も大きく違うのが、英国ISAが年間の拠出額に対して、非課税期間を恒久としているのに対して、NISAでは年間の購入額に対して、非課税期間を5年(ロールオーバーで最大10年)としている点です。

どう違うのかというと、例えばISAでは途中でISA枠で購入した株式を売却し、新たに別の商品を購入したとしても年間の投資可能枠を潰してしまうことはありません。なぜなら、ISAが年間2万ポンドの非課税枠としているのは、新たに拠出した金額に対してだからです。非課税期間も永遠なので、いつ売却しようか?なんて考えることも無く、必要に応じて必要な分だけ売却したり、スイッチングしたりしながら、余裕があれば毎年2万ポンドまで新たに資金を拠出することが可能となるのです。もちろん、保有株式から支払われた配当金を再投資した場合も、新たな拠出額とはみなされないため非課税枠を圧迫することはありません

ここまで見ただけでもISAがどれだけ恵まれた制度かというのがお分かりいただけるだろう。だがISAが優れているのはそれだけではありません。

ジュニアISA

日本でもジュニアNISAと言う制度がありますが、その元になったのが、英国の『ジュニアISA』です。ジュニアISAは現在年間限度額は4,368ポンド。日本円でおよそ61万円という枠は、当然ISAと同様、拠出額に対する非課税枠の付与恒久的な非課税が標準でついています。ジュニアISAも子供の資産形成を目的としている都合上、18歳を超えるまでは解約不可という制限があります。

しかしジュニアISAのメリットは、恒久的な非課税ということですから、18歳を超えると自動でISA枠に切り替えられるということです。つまり、期間の定めを気にする必要がないので、資金に余裕があるなら、早く始めれば始めるほどメリットしかないと言うことです。もちろん、ジュニアISA⇒ISAへ切替したとしてもその年の投資可能額を圧迫することはありません。

ライフタイムISA(LISA)

2017年から英国で始まった『ライフタイムISA(LISA)』は性質的にはつみたてNISAやiDeCoに近いコツコツ積み立てて将来に備えるという意味合いの強い制度です。年間4,000ポンドまでの拠出金が恒久的に非課税となり、口座開設が可能なのは18歳以上40歳未満で、積立可能なのは50歳の誕生日を迎えるまでという、他の制度とは違うデメリットもあり、LISAは他のISA枠と年間2万ポンドの枠を併用するということにはなりますが、それらが気にならないくらいの強烈なメリットが存在しています。それは、積立てた額の25%相当分(上限1,000ポンド)を英国政府が補助金という形で支給してくれるというものです。しかもこの補助金分も非課税となりますので、実質拠出額4,000ポンドで5,000ポンド分の投資ができるようなものです。従業員持株会も驚きの補助金制度ですね。

日本は何を参考にしてNISAを作ったのだろうか?

今回、簡単に本家本元の英国ISAをまとめてみましたが、見る限りだと、めちゃくちゃ羨ましい制度だなと感じる次第です。私の平均的な年間投資額は月20万円前後なので、240万円ほどです。240万円拠出できるようになったのはごく最近ですけどね。ですが、毎年280万円の非課税の拠出枠をいただけるのであれば、少し頑張って280万円の枠を使い切って投資に励もうという気持ちになれます。

対して、日本版ISAであるNISAは、年を経るごとにクソみたいな制度に変化しつつあります。しかし、ISAと比べると導入時からクソな制度だったことが理解できます。

特に毎年の非課税枠を拠出額から買付額に変更した点と、非課税期間を有限にしてしまった点が大きな改悪点です。ISAも元々は有限制度でしたが、改正して無期限となったのですから、それに倣ってNISAも無期限にしていれば良かったのになと感じます。

真似るなら真似るでとことん真似て欲しいものです、しょうもないオリジナリティで使いづらい制度に変えたうえに、PR活動も大してせずに、国民に投資が根付かないと嘆くのは、ちょっと理解に苦しみますよね。

投資も政治も『長期目線』で

個人投資家が少ない日本では、わずかな投資家たちの配当金からの所得税を期待して、税率を上げるより、国民に投資を根付かせる目的で作ったNISA制度をもう一度原点に戻ってブラッシュアップし、使いやすくしたうえで個人投資家の母数を増やした方が、長い目で見て大きなメリットを生み出すと私は思います。

極論ですが、私は国民全員が投資家になれば、社会保障や財政の問題なんて解決できると思っています。すべての国民が自らの人生に責任を持ち、自助努力でライフプランニングができるという世界になれば、誰も国が支給してくれる年金なんて頼ろうと考える人はいないですよね。

投資も国家運営も、もっと長期的な目線で考えて欲しいものですが、政治家全員がお年寄りの老年国家ではなかなか長期的な目線で考えるというのは難しいことなのかもしれませんね。

フィンランドでは、34歳の女性が首相になるというのに、日本では『老害の老害による老害のための政治』が成り立っているのです。

エラー|NHK NEWS WEB

まあ確かに、いくらマニフェストでNISAの恒久化を訴えても、当選できるとは思えませんけどね。制度を存分に活用できる国民側が反対しているんですから、意味が分かりません。

NISA制度を『意味が分からないもの』にしたのも、政治の方向性が意味が分からないのも、全て我々国民の関心の低さ故なのかもしれませんね。

控えめに言って『桜を見る会』に来年の夏まで時間かけてる場合じゃないです。桜も散ってすっかり青々と茂り、オリンピックもそろそろ始まるぞという時期まで、こんなくだらない話を持ち越すんですか?今年の汚れは今年のうちに解決して、もっと他にやるべきことあるだろうと私は思います。

とりあえず、NISAの改正案には反対!!

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