米小売業大手のコストコ・ホールセールは、昨日10日より、日本国内でもオンラインストアを開設しました。

店舗型のコストコと同様、利用するには年会費が必要で、個人会員なら4,400円、法人会員なら3,850円(ともに税別)の年会費がかかるとのことだ。
コストコのオンラインショップはつい先日、米国では、感謝祭当日にトラフィックの増加によるサーバーダウンでアクセスできない事態が続き、およそ12億円ほどの損失を出したばかりでした。

あまりオンラインには強くはないのかなと感じるコストコ・ホールセールですが、それでもすでに米国をはじめ数カ国で運用されていますから、日本上陸が叶ったのはありがたい話です。
ですが、今の所コストコ・ホールセールのオンラインショップはあまりメリットがないサービスのように感じます。
コストコのオンラインショップは、商品の1つ1つに対して送料がかかるようで、もちろんサイズが大きいものほど高くなり、送料が1,000円かかるものもあります。
しかも最近のオンラインショップでは定番の利用金額による送料無料特典のようなものはありません。ちゃんと送料がかかってしまいます。
なぜかと言うととても単純で、コストコは小売業から利益を上げるつもりはなく、商品をほぼ原価で販売している性質上、顧客が5千円買おうが、1万円買おうが、送料をペイできるほどの利益は生まれないのです。
コストコの利益は、『年会費』にこそあり、会費収入と純利益がほぼイコールとなっていることからも、小売業で儲けるつもりがないことがわかるだろう。
そして何より、コストコ・ホールセールの最大の魅力である、店舗に行ってワクワクするコストコ体験が味わえないと言うのはオンラインショップの弱みです。
実は私、5年ほど前にコストコの決算書を見ていて、そのビジネスモデルに感銘を受け、会員制のオンラインショップを開いてコストコのようなビジネスを展開できないかと考えて事業計画書を書いていました。(この時に同社の株を買っていればよかったのですが…!)
ですが、送料や送料無料キャンペーンなどを鑑みて、損益分岐点を計算してみたところ、とてもじゃないが、Amazonなどには太刀打ちできないと感じました。
Amazonでも首都圏ではAmazonフレッシュなど、生鮮食品の通信販売がありますから、せっかくの強みであるコストコの安さを享受できないと言うのは大きなデメリットですね。
とはいえ、コストコは独自の商品も魅力的なものがありますし、オンラインでしか購入できないものもあるみたいです。オンラインショップも非対応よりは対応していた方がユーザーとしては良いことですしね。
さらにコストコは大抵の店舗が郊外にあり、車で買い物に行くのが前提となっているところがあります。私を含めて、最近の車を持たない生活をしているユーザーにとっては、コストコは縁遠いものになっていました。そういうユーザー層を新たに取り込める可能性があるコストコのオンラインショップはおおむね歓迎すべきものだとは思います。
コストコ・ホールセールは、小売業にして、今年爆発的に広まった『サブスクリプション型』ビジネスのように利益を稼ぐ、非常に優位性のあるビジネスモデルだと感じています。
株価が下がれば新規投資したい銘柄の一つとして、これからもコストコ・ホールセールを注視していきたいところです。