先日、非常に興味深いコラムを拝見しました。
ここに登場する女性は 38才で独身のB子さん 。年収は700万円とあり、独身なら十分な生活と余剰資金が約束されるレベルです。
その証拠に、私は現在年収700万円程度ですが、手取り収入は毎月37万円ほどあり、家賃や実家への仕送りなどを差し引いても、手取収入の4割~5割ほどは余剰資金として投資へ回すことが可能です(恐らく食費などを切り詰めればもっと余剰資金を生み出せます)。
女性の方が身だしなみにお金がかかるとしても、年収が700万円あれば、せめて毎月10万円は余剰資金があっても不思議ではありません。
ですが、彼女は手元にお金が残らないという。それはなぜか。ズバリ、『リボ払い』に手を染めているからである。
以前、学生時代に趣味でバンドをしていた時のメンバーが陥ったリボ払いの闇をまとめた記事を投稿しましたが、大変ご好評いただきました。

彼の場合、たった60万円のリボ払いの返済のために要した期間はなんと6年!しかも途中で親からお金を借りて立替してもらったにも拘らず6年かかってしまったのです。
今回のB子さんのケースでは、そもそも彼女が支払を把握していないという根本的な問題があったのだが、それ以上に 闇が深いのが、友人に相談するとリボ払いにすると家計管理しやすくなると言われて2枚のカードはリボ払いにしているという無計画さである。
リボ払いが家計管理に役立つなどということは一切なく、確かに支払額は一定にはなるものの、100万円買い物をして、毎月3万円の返済をすると、返済が終わるまでになんと167カ月! 14年近くかかり、毎月5万円ずつ元金を返済したとしても2年かかってしまうようです。
そもそも自分が何にお金を使っているのかを把握するところから始めるべきではありますが、彼女の場合は収入が多かったのでなんとか最悪の事態を避けることができたようです。
リボ払いで家計のやりくりをしようとするような人々は、複利の力をなめていることが往々にしてあります。皆さんは『1.01と0.99の法則』というものをご存知でしょうか?
毎日、昨日より1%だけ成長した1.01の場合の自分と、昨日より1%だけ退化した0.99%の自分、最初は1%だけの違いですが、1年経てば絶望的なまでの差が生まれるというものです。

1.01と0.99の365乗(1年後)の実数値はそれぞれ37.8と0.03。たった1年で1260倍もの差が生じる計算になります。複利計算というのは、凄まじい威力を持っており、かのアインシュタインにして、『人類最大の発明』と言わしめたほどです。そしてこの複利計算をうまく使えばお金持ちになることができますが、リボ払いのように悪用してしまうとたちまちお金はあなたの手元から逃げていきます。
特にお金に対して意識の低い人たちはたった『1%』と考えて軽く捉えがちですが、彼らには想像力が足りないだけで、上記の画像を見て貰えば、1%には凄まじい威力があるということがお分かりいただけるでしょう。

カード会社からすれば、リボ払いのようなサービスは複利計算をプラスに利用できる制度であり、うまく騙されるユーザーが多ければ多いほどカード会社が儲かる仕組みになっています。
しかも彼らが設定する金利は15%を超えるような、めちゃくちゃな高金利であり、米国株のリターンが過去平均で6~7%だったことを考えると、15%なんていうのは、とても恐ろしいマイナスの複利計算となることが理解できると思います。
それを理解することができず、平気でリボ払いを利用している時点で、搾取される立場なのは仕方がなく、彼らに『賃金が低い』などと文句を言う筋合いはないのです。
どれだけ賃金が高かろうと、本人のお金の使い方次第でお金は『常に足りないもの』となり得るのです。そう言った方たちは、仮に年収が1億あろうと平気で全額使い込むことになるだろうと思います。
お金の話を積極的に発信している人の方が実は倹約家でお金をコントロールする術に長けていると感じます。貧乏な人がお金の話をしたがらないのは、自分がお金のことを理解していないからに過ぎません。理解できないものの話は誰だって出来ないし、興味もないですよね。
とにかく、高収入でもリボ払いを選択している限りは、お金持ちになるには程遠く、彼女のようにまだ引き返せるうちに何とかして習慣を断ち切るしかありません。
お金について勉強する場は近年、加速度的に増え続けています。それこそ個人が運営している無料ブログでも大変質の高いお金の勉強ができるサイトはいくつもあります。自ら興味を持たない限り、それらの情報を得る機会は滅多にないでしょうが、これからの日本で普通に生きていきたいのであれば、お金の教育は必須と言えるのではないでしょうか。