私の学生時代の友人に、高畑くん(仮名)というとても破天荒な子がいました。非常に頭の良いヤツなんですが、生粋の遊び人でギャンブラーというタイプの彼は大学入試の前日も夜中まで友人と雀卓を囲んでいたというほどの天才肌でもありました。遠距離恋愛中の彼女が地元からやってくるというのに、パチンコの新台が出るからという理由ですっぽかすような、周りから見てもギャンブル狂の『最低男』という感じでした。でも、そいつは口が達者で経験豊富なので、めっちゃモテてたんですけどね。羨ましかったです。
そんな高畑くんですが、毎年年初には「今年こそはギャンブル全般やめるわ」と口癖のように言っていました。私が「ホンマかよ〜ww」と言うと、「いや今回はマジだから。1万円賭けてもいいから」→私「いやそう言うとこやぞ」と言うところまでが毎年恒例の一連の流れのようになっていました。2019年の年初にも同様のやり取りをしました。
もちろん、彼から掛け金の1万円を徴収するような野暮なマネはしておりませんが、彼は毎年私とのこの賭けに負け続けており、十数万円の債務を負っていることは言うまでもありません。
今年も年の瀬に入り、彼に今年はどうだった?と聞いてみたところ、
「今年は1回だけ、競馬で38万儲かった!!!」
と嬉々として話してくれました。やっぱり今年も脱・ギャンブルはダメだったようですね。そんな彼は金運が良いのかお金に困っている姿は見たことがないですが、それでもやはりギャンブルでトータルで見ると大きなマイナスとなっていることは言うまでもありません。
よく言われていることですが、ギャンブルの還元率は総じて低く、パチンコ・パチスロの還元率は80%前後、競馬の還元率は75%前後と言われています。胴元がいる限りギャンブルというのはマイナスサムゲームとなるのです。
それでもなお、人々がギャンブルから離れられない理由は一つ。ギャンブラーというのは勝った時の強烈な記憶しか覚えておらず、ギャンブルで勝つことによって得られる多幸感は、タバコや麻薬、セックスのそれと同等かそれ以上と言われています。人によっては病みつきになって抜けられなくなるものだそうです。
彼もちゃんと社会人として仕事をしている立場ですが、それでも未だにギャンブルにのめり込んでいることから、なかなか足を洗うのは難しいのではないかと感じます。
もちろん資金管理ができているので個人の趣味ですから好きにすれば良いんです。私自身も給与の約半分を投資に回しているのですから、人のことは言えませんからね。
ただ、お金を稼ぎたいのであれば、ギャンブルに興じるよりは株式投資をする方を私はおススメいたします。ギャンブルは結局のところ、自分の『運次第』ということになり、どれだけ努力を重ねてもお金を稼ぐことは出来ない仕様になっています。昔はパチンコの『台を読む』技術で稼いでいた人もいらっしゃるようですが、今はそれも不可能です。結局は胴元が儲かる形になっており、ギャンブルとはヘビーユーザーの資金が枯渇しようが、新しいユーザーを獲得することで、貧乏人からお金を搾り取るビジネスなのです。
だとすれば、その胴元の企業や依存症ビジネスを展開している企業へ投資をした方がはるかに有意義であり、貧乏人が馬券を買う一方でお金持ちが馬主として『馬を買う』のはまさにシンプルな資本主義の形を表していると言えるのではないでしょうか。
私の友人のように社会人のテイを保ちながらも多額のギャンブルに興じる輩もいますが、底辺のギャンブラーたちは借金をしたり、人のお金に手を付けてまでギャンブルに興じるものなのです。7億円の横領をしたFX狂の男が最たる例と言えるのではないでしょうか。

どうせ出費をするにしても、もっと意味のある行為にお金をかけるべきだと思うし、(ギャンブルが意味のある行為なら無理に止めはしませんが)お金を稼ぐことが目的であればギャンブルよりも投資をすることをおススメします。
まあ、ギャンブラーの顔を見ていると、お金を稼ぐと言うよりは多幸感を求める方が多いようですので、趣味の範囲であれば好きにすれば良いのですが。人のお金の使い方にケチをつけるのは下品な行為ですからね。

ただ、彼らが自らの支払い能力を超えて、借金をしてまでギャンブルにのめり込んでしまった時、私は1円たりとも彼らにお金を工面することはないでしょう。彼らのギャンブルも、私の株式投資も趣味の一環であり、友達からお金を借りてまでやることではないのですから。