まぁっくろく~ろす~け
で~てお~いで~~~♪

でないと、労基に駆け込むぞ~!♪


日本の大手広告代理店、電通がまたもやらかしたようです。
今年9月、電通は違法残業などで労働基準法と労働安全衛生法に違反したとして、三田労働基準監督署(東京)から是正勧告を受けていたことが本日わかりました。
電通は2017年にも同様の違法残業事件で、将来有望な女性を違法残業で精神的に追い込み、自殺の要因となったとして有罪判決を受け 労働基準法違反容疑で書類送検されています。
だが、年間売上高5兆円を超える電通に対して、たったの罰金50万円という判決に納得がいかない!という方も多かったのではないだろうか。そもそも人の命は金額の多寡ではないが、もっと厳格な処罰に処すべきだと個人的には思ったものです。亡くなった女性は私と年も近いですし、当時は私もブラック企業に勤めており、月残業時間が100時間なんて優に超えていましたからね。とても印象深い事件でした。
だが、この事件以降も電通は社員の違法残業や、残業時間の上限を定める労使協定(36〈サブロク〉協定)の違法な延長などが蔓延っており、ずさんな労務管理体制が続いていたことになります。
電通と言えば、昨年は月に1回は週休3日にするという制度を実験的に導入するという報道があり、少しは労働環境が改善されていたのかと思いきや、週休3日制度を導入すると発表したのと並行して思いっきり違法残業をさせていたことが明らかになったのである。

あの『ブラック企業代表』と言われるワタミ(7522)ですら、創業者の渡邉美樹氏の退任に伴ってホワイト企業化してきたというのに、電通は未だに体制に変化が見られないということです。

ちなみにワタミも渡邉氏の復帰に伴って、再びブラック化するのではないかと恐れられています。

ともあれ、日本を代表する規模の広告代理店である電通がこのようなブラック体制から抜け出せないから日本企業には投資冥利が無いと言えるのです。
自社のキャパをオーバーして受注を受ける側が悪いのか、それとも発注する側が悪いのかわかりませんが、従業員が慢性的な残業をしないと業務が回らないと言う時点で企業としては致命的です。
残業ありきで事業が回っている限り、たとえ電通に入社するほどの優秀な社員だとしても、過労で精神的に病んでしまい自殺してしまう社員だけでなく、まともな思考力が出来なくなる者や、耐えきれずに退職してしまう者も少なからず出てくるでしょう。
キャパオーバーが日常的に発生しているということは、違法なまでに人件費をカットし、新しい優秀な人材を十分に採用せず、現状のメンバーで自転車操業しているに過ぎません。
投資家としては人件費のカットは利益率を上げるため歓迎すべきものですが、それにも限度があります。極論、社長1人しかいない会社では生み出せる富も限られていますよね。
受注する仕事に見合っただけの従業員を雇えないばかりか、現状の社員のパフォーマンスを引き下げるような働かせ方をしてやっと利益を上げているというブラック企業は日本中に存在しています。

こんなことをしている企業が東証一部上場企業なのだから、そりゃ日本の生産性、コストパフォーマンスは低迷する訳です。むしろワタミや電通はニュースになるだけマシです。日本の企業の実に99%を占めると言われる中小企業ではこんなことは日常茶飯事です。私もベンチャー企業時代には本当に残業しない日なんて無かったですし、最長49連勤ということもありました。
日本の企業は大小問わず、誤った努力を続けることで労働者がこき使われています。例えば、残業しない奴はサボってるだの、土日も休日出勤だの、夜中に呼び出されては接待だのというものが最たる例で、無意味な努力ばかりしており、それを良しとしているのです。
このような無意味な行為に尽力し、生産性を悪くしているのはニュースにもならない中小企業と、大企業でもブラックと呼ばれる一部の企業であり、そのような『ブラック企業』で働いている方が日本の労働人口のほとんどを占めている限り、日本企業から世界をけん引するような革新的な企業は生まれることはなく、グローバルな今の経済では、太刀打ちできないことでしょう。
こういう点が日本企業に投資冥利を感じない所なんですよね。ジリ貧というか自転車操業というか、まともにホワイトな経営を目指せば黒字なんて出ないのではないかと思えるような状態が、ネームバリューのある大企業ですら続いているのです。
同じ広告業の企業に投資するとなれば、違法残業で従業員が自殺に追い込まれるほどの電通に投資するか、それとも多少形式は違うが、世界最大の検索エンジン『グーグル』を傘下に持ち、従業員に3食無料で社食を提供し、それ以外の福利厚生も驚くほどたくさんあり、平均年収は実に1,600万円というアルファベット(GOOGL)に投資するか、あなたならどちらに投資しますか?
ちなみにアルファベットはこれだけ手厚い福利厚生にコストをかけているにも関わらず、営業利益率は20%台をキープしており、電通の営業利益率10.9%のおよそ倍の利益率を叩き出しています。
より優秀な人材がどちらに集まり、より成長性が高いのはどちらの企業か、お分かりいただけるのではないでしょうか。