【知らんがな】とは、近畿地方を中心に会話内で頻繁に用いられる表現であり、主にツッコミのフレーズの一種として愛用されている。他の地方出身者にとっては、『非常に冷たく、また無責任である』という印象を与えかねない一言であるため、近畿地方とその他の地方で最も温度差を感じるセリフと言える。派生形として【知らんけど(な)】【知らんで?】がある。
【例文】
友人A「なぁなぁ、Yuki。証券会社の口座開設したんやけど、こっからどうしたらええん?」
Yuki「いや。知らんがな。」
私、Yukiは株式投資をしていることを公言しているため、周りの友人や知人から投資相談を受けることが多いです。もう2年ほど前になりますが、地元の友人からLINEで投資を始めたいという相談を受け、私が出来る限りのアドバイスを送りました。
しかし彼は、「えー…もっと手っ取り早く儲ける方法ないん?」と返してきたので、その場でも「いや。知らんがな!」と返答した覚えがあります。彼の中では「株式投資=短期売買」のイメージだったため、どうしても私と彼の間にある齟齬を解消することはできませんでした。
「知らんがな」はツッコミフレーズとして利用することが多いですが、「知らんけど」や「知らんで?」というワードには、「私はこういう意見を持っていますが、私の意見が確実に未来永劫続くかどうかは不明ですし、あなたの求める意見と一致しているかどうかも不明です。」という意味合いが含まれています。簡単に言うと、「自分はこう思うけど、あんたがどう思うかは自己責任やで!」と言う意味です。
だから自分と意見が違う相手や自己主張をしてくる相手に対しては、「知らんがな!」と返すことになるのです。だから「知らんがな」には相手を突き放す意図があるわけではなく、「あなたの思い通りにやってみたら良いんじゃない?」と言う意味があるのです。相手に対して自己責任を促す、非常に資本主義的な便利なワードです。昔から商人の街として栄えた大阪らしい言葉ですよね。
話が脱線しましたが、そんな短期売買を求める彼との株式投資談議からはや2年、やっと彼も思い腰を上げて証券口座を開設したようです。ですが、その直後に、「これからどうしたら良いのか」と聞かれても、正直回答に困ります。
彼のリスク許容度も、投資目的や目標金額、年数、売買手法は結局デイトレードなのか、長期投資なのかなど、何もわからない状態ではアドバイスのしようがありませんし、アドバイス通りにやったところで、本人が納得して投資を続けているわけではないので、買い時も売り時も分かりようがないだろうと思うのです。
もし彼が短期売買を目的に一攫千金を目指すのであれば、私がアドバイスをできることは限られており、デイトレやスイングトレードと言った専門的な書籍などを読む方が遥かに勉強になると思います。
デイトレと長期投資は同じ株式投資でも全く違う性質のものであり、仮に投資の神様であるウォーレン・バフェット氏がデイトレードをしたところでうまく稼ぐことはできないだろうと思います。
もし今から新たに投資を始めると言う方がいらっしゃいましたら、改めて自分が投資をする『目的』と『目標金額』、その目標にたどり着くまでの『期間』を明確にしてみてください。
そしてそれが実現可能性のある数字なのかと言うのをよく考えてください。例えば、12月の初日である今日から始めて、『今年中に株式投資で100万円を100億円にする』とか言う話になると、おそらく実現可能性は遥かにゼロに近いと言えるのではないでしょうか。目標は、実現不可であってはならないのです。特に長期的な目線で考える時は、「毎月1%の儲け」のような目標は、実は非常に強欲な目標であることを理解しておく必要があるでしょう。いくら儲けるか。よりは「30年後に1億円」などと言う数字に具体性のある目標を立てるのがベストだと思います。
ちなみに、30年後に1億円を用意するためには、毎月10万円の投資を、平均リターン6%で30年間運用することができれば達成できることが分かります。

もし、あなたが毎月10万円も拠出するのが難しいようであれば、『目標金額』から設定し直したほうが良いでしょうし、投資期間を長くするのも手ですね。米国株の過去の平均リターンが7%前後であることから、株式市場から得られるリターンはそれくらいの利率であると言う認識を持った上で株式投資を始めることが、将来のギャップを埋めるためにも必要なことだと思います。
彼の場合はやはり短期売買から投資を始めたいと言うことだったので、デイトレード向きの名著・その名も『デイトレード』をオススメしておきました。
しかし、彼とは違って、長期的な投資を目指しており、あなたが平均リターン6%を求めるのであれば、私はS&P500やNYダウと言った米国の大型株に連動するETFや投資信託へ投資をすることを強くオススメいたします。
まあ、知らんけど。