政府・与党は積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)について、非課税で積み立てられる期限を延長することを発表した。
現行制度では、2037年までの投資期間となっており、始めるのが1年遅れるごとに年間40万円の投資枠を捨てるという謎仕様になっていたが、早くも改めてきた模様です。もう通常NISAの恒久化は諦めているので、つみたてNISAの延長はまあ最低限の朗報と言えるでしょう。
ついでに、年間利用可能額も60万円、毎月5万円程度には増やして欲しいですね。毎月5万円の投資を20年間継続することができれば、平均リターンが5%でも20年後には2,000万円の資産を築き上げることができます。

これが、現行の年間40万円、毎月3.33万円程度の投資だと、同じ平均リターン5%では20年後の資産額は1,400万円弱となり、老後の年金不足額2,000万円に少し及ばないことがわかります。

仮に毎月3.33万円の投資で20年後に2,000万円の資産を築き上げるには、平均リターン8.2%も必要となることがわかります。

今は比較的好調な米国株市場ですが、さすがに20年間の平均リターンが8%を超えるのはなかなか難しいところでしょう。本気で老後の資金を用意するための資産形成を後押しするのであれば、最低でも月5万円の投資枠を用意してほしいですね。毎月5万円なら、絶対に無理!と言うほどの金額ではなく、節約などで生み出すことができる余剰資金としてはギリギリのところではないでしょうか。
と、文句を言っていてもどうしようもありませんので、つみたてNISAを活用する方向に話を進めていきましょう。もし来年からつみたてNISAを始めよう!という方がいらっしゃいましたらご参考までに。
SBI証券の場合
つみたてNISA口座をSBI証券で開設しようとお考えの方には、 S&P500に連動する優良ETFであるVOOを投資対象とした「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」 が最もおススメです。
当ファンドは設定が9月末の開始とまだ日が浅いファンドではありますが、すでにSBI証券の10月度の『つみたてNISA』ランキングで堂々の1位となっています。

おススメの理由は、ズバリ信託報酬の安さであり、 信託報酬率は0.09264%程度と本家VOOの0.03%と比べても非常に安いと言わざるを得ないです。
VOOは上場投資信託とあるように上場しているため、1株当たりの単位でしか買付が出来ないのにたいして、「 SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド 」は投資信託ですから1円単位の買付が可能です。つまり、3.3万円の投資枠を1円も無駄にせず投資することができます。
さらに投資信託ですから分配金も自動で再投資することができますし、日本円での買付が可能ですので、為替手数料もかからない。日本国内での取引であれば、VOOを買い付けるよりリターンが良くなるという見解もあります。SBI証券でつみたてNISAを活用されるのであればぜひ、 「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」 をおススメします。
楽天証券の場合
楽天証券につみたてNISA口座を開設しようとされるのであれば、おススメできる投資信託は以下の2つです。
・ 「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」
・「楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI) 」
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 」は名前の通り 「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」 と同じくS&P500に連動する投資信託になります。信託報酬が 0.0968% と少しだけSBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドに劣るのですが、それでも誤差の範囲。最近信託報酬を引き下げたので、楽天証券で買付可能なS&P500に連動する投資信託の中では最安値となっています。

楽天証券を活用する一番のメリットは 「楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI) 」へ投資することができることでしょう。こちらは全米株式に投資するETFであるVTIを投資対象とする投資信託であり、信託報酬は0.1782%と少し割高にはなっていますが、その代わり米国全体が投資対象となっており、米国の中小型株にも余すところなく投資が出来るということで大変人気の投資信託です。私のパートナーも投資対象として選択しました。

ただし、長期的には中小型株はボラティリティが高い投資対象であり、リターンを押し下げる要因になる可能性もあります。とはいえ、新興国株などに投資することを考えればリスクもかなり抑えられるとは思います。もちろん全米株式の中には米国の大型株も含まれてますからね。
まとめ
まとめると私が自信をもっておススメできる投資対象は以下の3つです。
・SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド
・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
・楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)
結局、自身をもって勧めることができるのはVOOかVTIかと言う話にはなってくるのですが、米国の大型株を投資対象として資産形成をしてきた私にとってはこれがベストアンサーであり、誰でも知ってる『つまらない』大型株への投資が十分に有効であるということは当ブログを通じて発信しております。
もちろん、まだ私自身投資歴は10年未満でリセッションも経験していない未熟な投資家ですが、誰でも知ってる大型株はそれぞれの分野でのシェアも圧倒的であり、リセッション時に倒産するというリスクも相対的には低いのかなと考えています。(当然、絶対とは言い切れませんが)
良く分からない銘柄に集中投資して一攫千金を狙うよりは、誰でも知ってる大型株への投資で時間をかけて資産を膨らませていくことを私はおススメいたします。