当ブログでも何度か取り上げているが、現在ネカフェ難民と呼ばれるネカフェでその日暮らしをすることを余儀なくされている方が都内だけで4千人以上いると言われている。彼らは10月からの消費税増税によってさらに生活は困窮しているようだ。

本来の家賃であれば消費税の対象外のため増税のあおりとは無関係なはずだが、ネカフェはもちろん消費税込の金額を支払う必要があるからだ。さて、そんな中、41歳にしてネカフェ生活を2年間続けているという方の記事を目にした。
この記事の論調では、『努力不足による自己責任』と言えるのだろうか。とあるように、努力しても報われないことがあるよねという観点で書かれているが、読めば読むほど自己責任が浮かび上がる。
この記事の主人公・森和也さん(仮名)は現在41歳ながら年収100万円という貧困層だ。彼の経歴をざっくりとまとめたものが以下の通り、
<森和也さんの漂流年表>
18歳 高校卒業後、地元のホテルに就職
27歳~ 両親が相次いでがんにより他界
30歳 ホテルが倒産。肉体労働に転職
34歳 椎間板ヘルニアで入院。貯金が底を突く
38歳 夜勤バイトを始めるが腰痛が悪化
40歳 新天地を求め上京。日雇いで働く
これを見るだけでツッコミどころが満載である。まず初めに、18歳で高校を卒業後ホテルに就職したとあるが、彼は30歳にホテルが倒産するまでの間、12年間勤め上げてきたようだ。その後肉体労働に転職とあるが、私からすれば、まずここで「えっ…なんで???」と疑問符がつくのである。
せっかく12年間もホテル業界で勤めてきて、なぜなんの知識もノウハウもない別業種に転職したのか。12年間ホテル業界で仕事をしてきて何のコネもないの?ホテル業界ならいろんな人と出会うよね?そのツテで同業種でいくらでも仕事は探せるでしょ。地方とはいえ、ホテルはそこしかない訳じゃないよね?今までの経験を活かせば、他のホテルでも仕事ができるはずだしこの時点で30歳なんだから、ここで上京していれば、都内のホテルでいくらでも高収入の仕事があったはず。ご両親も他界しているとのことなので、言い方は悪いが、無理して地方に残り続ける理由もないですよね。地元愛が強いなら話は変わってきますが。
まあ、彼が30歳の頃は2008年。おそらくホテル倒産の理由も『リーマンショック』の影響による不況だろうことから、就職難であったことは違いないでしょうが、それでも12年間の経験を活かせば絶対に他のホテルで働けたはずだと私は思います。
そして彼は34歳にして椎間板ヘルニアを発症する。そりゃそうでしょう。30歳と、肉体労働を初めてやるには若くない年齢から4年間も続けているのですからね。普通に考えて体にガタがきますよ。そして38歳にして夜勤バイトを始める。そこからなぜか40歳で無計画に上京する。ホテルが倒産した30歳の時ならさておき、なぜ貯金も底をつき、夜勤バイトをしていた40歳が何のあてもなく都内に出てきたのか。地元愛が強いんじゃなかったのかよ!
彼の無計画さが本当に自己責任ではないと言い切れるだろうか。せっかく積み上げたキャリアを捨てる必要があったのか不思議でならないです。森さんは「地元では仕事もないから東京に出てきました。」と語るが、そんなん今に始まったことじゃないだろと思います。
しかも、時給1,200円で年収は100万円とのことですから、年間の労働時間は833時間。毎月70時間ほどしか働いていないことになる。体が悪いということで仕方ないところもあるだろうが、自らキャリアを捨てたことで結果的に体を壊した彼に対して自己責任ではないの一言で片づけるのは、いかがなものだろうと思いました。
今の時代、パソコン1つあればできる副業はたくさんあります。ネカフェで過ごす時間、目の前にあるパソコンを活用すれば、少しは生活の足しになる金額を稼げるのではないだろうか。デスクワークも腰には悪いが、肉体労働ほどのハードさはないですしね。
お金持ちは盗難に遭っても『自己責任』、貧困層は目的意識を持たずダラダラと生きていても『自己責任ではない』というのが日本という国です。

国民の意識がこんな状態だから、日本の貧困はより一層加速しているのではないかと感じます。みんなが本当にお金持ちになることを望み、お金の話をするのを悪だと思わない。そんな国になれば、意識が変わり株式投資ももっと国民に浸透するだろうし、国民も富めるのではないだろうか。
人は望んだ通りの生活しかできません。お金持ちになりたければ、本当に心からお金持ちになることを望み、行動することでしか実現できないのです。お金持ちに対して『自己責任だろwww』と叩くバカは後を絶たないが、お金持ちはあなたの何倍も資本主義社会が自己責任であることを自覚しています。こういう大多数のバカに寄り添うために、メディアは、お金が無くてもあなたの責任じゃないよと甘い言葉で騙しにかかるし、お金持ちを叩いて、大多数を占める貧困層のストレス発散をし、支持を得るのです。
メディアに踊らされず、自分の人生を自分の力で生きていくことを一人ひとりが自覚すれば、日本はもっと豊かで幸せな国になることでしょう。